戦姫
===視点切替===>アルマ
アルクさんたちと別れ、私はBグループ側の試合会場まで転送されてきました。
私と一緒に転送されてきたのは私の対戦相手です。
「改めて初めまして。私は【アマゾネスプリンセス】リーダー、エルザリートです」
「あ、ご親切にどうも。【アークガルド】所属のアルマと申します」
・・・礼儀正しく挨拶されてしまいました。・・・先ほど【GGGヒーローズ】のマックスさんに悪態ついていたのは一体何だったのでしょう? ラングさんの話ではクランレベルで仲が悪いとは聞いていましたが・・・
「正々堂々、良い試合をしましょう」
優雅な佇まい、礼儀正しい姿勢・・・なるほど、男女問わず魅了するというのも嘘ではないのかもしれません。
「所で貴方、私たち【アマゾネスプリンセス】の元に来る気はありません?」
・・・急に勧誘されてしまいました。礼儀正しい・・・? 違うかもしれません。
「いえ、私は今のクランで満足しているので」
正直に言うのであれば【アマゾネスプリンセス】に移籍する理由が私にはありません。【アークガルド】は基本的に各自自由に行動することが前提の上で、必要の上で他の方からもサポートも受けられますからね。勿論、私も他のメンバーから協力を求められますが、強制はありませんからね。・・・断ったことはないですが。
「そうですか・・・わかりました。しかし、何かあれば私たちを頼ってください。いつでも歓迎しますよ?」
・・・なんだか女神様のような笑顔でにこやかな笑顔で言われましたが・・・なぜそこまで?
あ、そういえば【アマゾネスプリンセス】はヒーロークランならぬ、ヒロインクランだとラングさんが言っていましたね。人助けが基本なのでしょうか?
「・・・不思議ですか?」
私の疑問が顔に出ていたのかエルザリートさんが聞いてきました。・・・そうですね。ひねくれているかもしれませんが、無償での手助けと言われると何か裏があるような気がします。
「【アマゾネスプリンセス】は女性のためのクランです。このゲームは幅広いジャンルがありますが、基本的にゲームですからね。ゲームに不慣れな女性もいますし、男性ばかりのクランでは何かと問題がある場合もでしょう。女性プレイヤーをサポートするために作られたクランなのです」
・・・女性のための支援団体? しかし、なるほど。ゲームに興味ない女性でもこのゲームを楽しめるようにサポートということですか。女性ソロプレイヤーが男性の多いクランに参加するのは抵抗があるでしょうし、自分たちでクランを作ることも可能ですが、成功するとは限りませんからね。
そういう意味では私はラッキーでしたね。【アークガルド】は少数精鋭ながらも強豪クランに数えられていますから・・・リーダーであるアルクさんの働きが大きいですけど。
「アルマさんは最終戦まで残れるほどの強者でしょう? 貴方が私たちのクランに参加してくださればより多くの女性プレイヤーの助けとなるでしょう。勿論、クランとしても貴方の助けになります」
・・・なるほど、勧誘というよりはスカウト、引き抜きということですか。そこまで買われているのは光栄ですが・・・
「残念ながら・・・私は【アークガルド】のメンバーに助けられていますからね。恩返しもできていませんし・・・なにより今のクランにいるのが楽しいので」
移籍する意思がないことをはっきり言っておきます。正直、自分にそこまでの価値があるとは思っていませんが、あまりしつこく勧誘されるのも問題ですからね。
「・・・貴方も自分のクランに誇りを持っているのですね。・・・失礼なことを言いました」
「いえいえ」
申し訳なさそうに頭を下げるエルザリートさん。素直に頭を下げられるエルザリートさんはきっと良い人なのでしょう。・・・まあ、人助けクランのリーダーですからね。
・・・【GGGヒーローズ】と仲が悪い理由はよくわかりませんが。
『バトル開始まで・・・9・・・8・・・』
「あ、そろそろ試合が始まるようですね」
「・・・そのようですね。・・・勧誘しておいてなんですが試合では手加減しませんよ?」
「もちろんです」
手加減されるのは本意ではありませんからね。
『3・・・2・・・1・・・試合開始!!』
試合開始。
と同時に私は【魔杖ブルーゼブル】をエルザリートさんに向けます。
「【ファイアボール】!!」
先制攻撃として無数の火の玉をエルザリートさんに向けて放ちます。
勿論、この程度の【魔法】が通用するとは思っていませんが・・・お手並み拝見です。
そのエルザリートさんは襲い掛かってくる【魔法】に対して右手の人差し指を・・・いえ、指にはめた指輪を向けました。
・・・あの指輪についている宝石は・・・
「【アクアマリン】!!」
エルザリートさんが叫ぶと・・・巨大な藍色の宝石が現れました。
その宝石に・・・私の【ファイアボール】がすべて吸い込まれました。
「・・・お返しします」
エルザリートさんの言葉と共に宝石が光ると・・・【ファイアボール】がこちらに!?
「【ウォーターウォール】!!」
【魔杖ブルーゼブル】を振ると私の前に水の壁が現れ、火の玉を防ぎます。
・・・このゲームではフレンドリーファイヤが無効なので自分の【魔法】で自分を傷つけることはできないはずなのですが・・・今の【ファイアボール】は私の【魔法】で防ぐことができました・・・つまり、私にダメージがある【魔法】だったということです。
・・・【魔法】が跳ね返された? それもダメージを受ける攻撃として?
「悩んでいる暇はありませんよ?【ガーネット】!!」
エルザリートさんは、今度は左手の人差し指をこちらに向けると続いて現れたのは・・・宝石でできた槍?
それが私に向かってきました。
しかし、宝石の槍は水の壁に防がれ・・・!?
貫かれた!?
「【ウィンドウォール】!【アイスウォール】!!」
さらに風の壁と氷の壁を作ったところで・・・宝石の槍が止まりました。
「・・・私の【宝石魔法】を防ぐとはさすがですね」
「【宝石魔法】!?」
そんな【魔法】が!?
そういえばよく見ると・・・エルザリートさんの体中に宝石がついた装飾品が? しかもすべて違う宝石?
もしや装飾品の宝石と【魔法】が関係あるのでしょうか?
宝石の種類だけ【宝石魔法】とやらの効果があるとか?
「宝石の戦姫、エルザリート・・・参ります!!」
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