勝敗は誰の手に
俺が放った【グランディスバスターキャノン】と【グランディスマグナム】の三つのバスター砲。
ヴァラットが放った【ゲイルブラスターキャノン】によるバスター砲・・・もといブラスター砲。
巨大なエナジーの塊が舞台中央で押し合うようにぶつかり合う。
・・・互角か。
いや、互角とは言ってもこっちは【グランディスバスターキャノン】に加えて【グランディスマグナム】を二つを追加してようやく互角・・・恐るべしヴァラット。恐るべし【ヴァーミリオン】。
武器としての【兵器】の性能はやはりヴァラットたちのほうが上か。
「・・・」
「・・・」
・・・所で【兵器】の利点は安定性だという話をしたのを覚えているだろうか。使い手を選ばず安定した威力を出す事ができると・・・
つまり、そこに使い手の技量や気合は関係ないということだ。
どんなに気合入れようが【兵器】の威力が向上する事は無いわけだ。
なのでトリガーを引いた後、こう着状態に陥り、ただただにらみ合うだけの俺とヴァラット。
・・・うーん。これが【武術】系のスキルとか【魔法】系のスキルのぶつかり合いなら・・・まだ気合入れて臨むことができるんだが・・・【兵器】の場合、トリガーを引いたら後はお任せなんだよね。
・・・しかし、今は試合の最中だ。
問答無用、容赦無用。戦いに情けは不要である。
というわけで・・・
「「ミサイル発射ぁ!!」」
・・・ヴァラットと被ってしまった。
考える事は一緒だったらしい(笑)
ヴァラットが乗る【ゲイルシュヴァイツァー】と俺が乗る【グランディスチェイサー】。
それぞれから大量のミサイルが発射される。
・・・やべぇ! 俺、今【グランディスマグナム】を発射中で手が離せないんだけど!?
防ぐことも避ける事もできねぇ!!
だ、だがそれはヴァラットも同じはず!!
「【エナジーフィールド】!!!」
・・・バリアを張りやがった! きたねぇ!!
まずい! このままじゃあ負ける!!
仕方が無い・・・LP足りるか?
「【限定召喚】!来い、アウル!!」
「だう!・・・だうっ!?」
元気よく召喚されてきたアウルだが・・・この状況を見てびっくりしている。
そりゃそうだろう。
ミサイルの雨あられの中に呼び出されたんだからな。しかも俺は手が離せないし。
「驚いてる場合じゃないぞアウル!!【オービットソード】だ!!」
「だうっ!!」
アウルが光の剣を出し、ミサイルを迎撃してくれる。
・・・やばいな。数が多い。
アウル一人では防ぎきれないかもしれない。
ヴァラットの方はというと・・・
「・・・グッ!?」
大量のミサイルをバリアで防いでいるが・・・防ぎきれていないようだ。多分、【ゲイルブラスターキャノン】にエナジーを回している分、バリアが弱まっているんだろう。【ゲイルシュヴァイツァー】にも着実にダメージが溜まっている。
だが、バスター砲とブラスター砲はぶつかり合ったままだ。
この均衡が崩れたら・・・とんでもない事になるな。
しかし、この膠着状態を何時までも続けているわけにも行かない。
そして・・・おそらく分が悪いのはこっちだ。なぜなら・・・こっちの方が先にエナジーが尽きるからだ。エナジー総量がこっちの方が劣っているのはあの巨体からも目に見えている。
こっちのエナジーが尽きた時・・・俺は消し炭になるだろう。
さて・・・どうする?
俺が悩んでいると・・・
「だうっ!!」
アウルが決意したような目をしている。
「・・・良いのか?」
「だうっ!!」
・・・フッ。決意に満ちた男の眼だ。
アウル・・・いつの間にか立派になったな。
「良しっ! 行け、アウル!!」
「だう!!」
俺の防衛を止め、ヴァラットに向かって特攻するアウル。
おかげで俺と【グランディスチェイサー】にミサイルが次々と着弾して行くが・・・今はこらえる。
そしてヴァラットに向かっていたアウルは・・・とある物を抱えていた。
「・・・なんだ!?」
ヴァラットがアウルの姿を確認するも・・・もう遅い。
「やれアウル!!」
「だーうー!!」
アウルは持っていた物をヴァラットに向かってばら撒いた。
アウルが持っていた物はアヴァン謹製の【グランディスボム】・・・つまり爆弾である。掌サイズの小型な物だがその威力はかなり強力である。唯一の欠点は・・・使い捨てであることか。
しかし、今はなりふり構っていられないので・・・俺が持っていた物を全部渡しておいた。その数・・・十数個(笑)・・・大赤字である(泣)
それを全部ばら撒いてもらった。
【グランディスボム】・・・爆弾は【ゲイルシュヴァイツァー】のバリアにぶつかった瞬間・・・大爆発を起こした。
同時に・・・
「アウルを【送還】」
「だう!?」
爆発に巻き込まれる前にアウルを【送還】した。それにアウルはびっくりしている。
・・・ゴメンよ、アウル。
いくらなんでも君を自爆させるわけには行かない。おかげでLPは空っぽだ。
・・・出番が少なくてホントごめん。
だが、アウルの犠牲?は決して無駄じゃなかったぞ。
ドゴンッ!ドゴンッ!ドゴンッ!!
「・・・ぐうっ!?」
【グランディスボム】の爆発は【ゲイルシュヴァイツァー】のバリアを突き破り・・・その体勢を崩した。
・・・チャンス!!
ブラスター砲の照準もずれた!
そこにすかさず、トリプルバスター砲をぶち込む。
「・・・クッ!【エナジーフィールド】全開!!」
・・・ヴァラットもさすがだ。
即座に【ゲイルブラスターキャノン】をキャンセルし、ミサイル攻撃も止めて防御に全てのエナジーを回したようだ。その判断力と対応力はさすがだ。
だが俺もこれ以上、打つ手が無い。
両手がふさがっている上にアーテルもアウルももう召喚できない。
これで決めるしかない。
頼むぞ・・・アヴァンが作った【兵器】たち!!
ビシッ!ビシッ!ビシッ!・・・バリィィィン!!!
やった!
バリアを貫いた!!
「くそっ!?」
ヴァラットは【ゲイルシュヴァイツァー】を緊急回避させようとするも・・・右半分、右腕と右脚部分を吹っ飛ばした!
これは絶好のチャンス!!
と、思ったが・・・
プスンッ
・・・こっちもエナジー切れか。【グランディスチェイサー】はこれ以上動かない。
絶好のチャンスだってのに・・・
俺は【グランディスチェイサー】を飛び降り、【ゲイルシュヴァイツァー】に向かって駆け出した。
「・・・」
ヴァラットの方も【ゲイルシュヴァイツァー】から飛び降り、こちらに向かってくる。
・・・最後は生身同士の一騎打ちか。
決着をつけよう。
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