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頭と兵器は使いよう

俺は【グランディスチェイサー】に乗り、【ゲイルシュヴァイツァー】に乗ったヴァラットと相対している。


「【エナジーフェザー】!」


ヴァラットが乗っている【ゲイルシュヴァイツァー】の背面部分が展開し、巨大な【エナジーフェザー】が展開された。・・・当たり前だが、あの半人型でも空は飛べるらしいな。


とにもかくにもヴァラットの着込んでいる【ヴァールハイト】と乗っかっている【ゲイルシュヴァイツァー】を攻略しなければ話にならないな。


「【ビートル君】全機射出!」


1機破壊され、残り9機の【ビートル君改】を全て取り出し、ヴァラットに向けて飛ばす。


「む!・・・【ラピッドミサイル】!!」


それを見たヴァラットは【ビートル君改】をミサイルで迎撃しようとしているようだが、小回りの効く【ビートル君改】を捕らえきれないようだ。


俺の狙い通りに【ゲイルシュヴァイツァー】の()()を飛び回る【ビートル君改】。


「【リフレクターシールド】展開!」


俺の言葉と共に【ビートル君改】はシールドを展開した。


さらに俺は【グランディスマグナム】を取り出す。


「バスターモード・・・シュート!!」


バスター砲を撃ちだす。狙いはヴァラット・・・ではない。シールドを展開している【ビートル君改】だ。


【ビートル君改】のシールドに当たったバスター砲は反射し、別の【ビートル君改】へ。


「なに!?」


驚くヴァラットを余所にバスター砲は反射を繰り返し・・・【ゲイルシュヴァイツァー】の背中に直撃した。ヴァラットから見て死角となる箇所だ。


「良し! さらにもう一発!!」


効果があったことを確認し、もう一発バスター砲を撃ち出す。


「クッ!【ビッグ・アブソーブハンド】・・・グアッ!?」


ヴァラットは例のエナジー系の攻撃を吸収する腕を振り回すも、【ビートル君改】の反射を追いかけきれず今度は右足背面に直撃を受けた。


アヴァンが【ビートル君改】に追加した新機能【リフレクターシールド】は文字通り、攻撃を反射するシールドだ。ただし、反射できるのはエナジー系だけ。物理系の攻撃や【魔法】は防ぐ事は出来ない。また、反射する角度にも限界がある。せいぜい攻撃を逸らせる程度だ。


本当は相手の攻撃をそのまんま跳ね返せるようにするのが理想だったのだが・・・いかにアヴァンでも現時点では無理だったらしい。まあ、いつかアヴァンなら作ってくれそうだが。


話が逸れた。


そんなわけで【兵器】としては不完全な機能だったのだが、これはこれで使えると思ったのでアヴァンと協力して攻撃手段として使えるよう試行錯誤した結果、なんとか形になった。


なお、反射角の計算なんかは実は【ビートル君改】自身が自動で行っているので実際にどこに当たるかは俺自身もわかっていなかったりする。・・・反射角の計算プログラムを組み込んでくれたアヴァンは本当に天才だと思う。


相手が巨体なのも幸いした。的が小さくなればなるほどこっちの攻撃が当たる可能性が低くなるからな。


「・・・おのれ!!」


若干焦った様子のヴァラットがこちらに向かってくる。


・・・やっぱり早いな。


だが、それも想定済みだ。


「【グランディスチェイサー】に【アサルトウェポンボックス】を接続」


次に俺が取り出したのは【グランディスチェイサー】の強化武装だ。【グランディスチェイサー】の前輪部分の側面にガトリング砲を二門装着。後輪部分に小型ミサイルコンテナを配置。


「【グランディスガトリングガン】!【グランディスマイクロミサイル】!一斉発射!!」


さきほどヴァラットが【ゲイルシュヴァイツァー】がやったように、今度はこっちが銃弾とミサイルの嵐をお見舞いする。


「なに!?・・・こちらも一斉発射だ!!」


それを見たヴァラットも負けてなる物かと言わんばかりに撃ち返してきた。


広大な試合会場上空を覆いつくさんばかりの銃弾とミサイルによる爆発が巻き起こる。


・・・もう何がなんだがわけがわからん事になってきたな。


というか、【ゲイルシュヴァイツァー】だけじゃなく、ヴァラット自身も身を乗り出して【ヴァールハイト】で砲撃している。むき出しのコクピットってこういう利点もあるんだね。


だがこっちも負けていられない。


「【グランディスマグナム】バスターモード、あーんどレールガンモード。ダブルシュート!!」


両手に持った【グランディスマグナム】をそれぞれ撃ち出す。


バスターは【ビートル君改】による反射攻撃、レールガンはヴァラットを直接狙う。


「くぅ!?」


おお、効いてる効いてる。


激しい銃撃戦の中にピンポイントの攻撃を加える。


【ヴァールハイト】や【ゲイルシュヴァイツァー】の性能は確かに素晴らしい物だが、ヴァラット自身が対応できていない。【兵器】の性能が高ければ高いほど使いこなすのに苦労するっていう典型だな。


まあ、俺も人の事言えるかと言うと・・・実は言える。


俺たち【アークガルド】の【兵器】は基本的にアヴァンがメンバー連中からの要望やヒヤリングによって作り出された物が多い。それに作り出した【兵器】もアヴァンがメンバーに合わせてカスタマイズしてくれているからな。


使いこなせて当然である。・・・使い手が怠けたりしなければ、だが。少なくとも俺はアヴァンが作ってくれた【兵器】を使いこなせるようにちゃんと訓練したぞ。


対してヴァラットの・・・【ヴァーミリオン】の【兵器】は高性能ではあるものの、使い手の事にまで意識がいっていないような気がする。誰にでも使えるというのが【兵器】の利点ではあるのだが、それでもやはり扱う人間には得手不得手があるのだ。


勿論、ヴァラットが訓練をサボっていたとは思わない。現にアーテルがやられそうになったし、俺だってアヴァンから貰った切り札となる【兵器】を大放出しているわけだしな。


しかし、こういったギリギリの状況になったときこそ、【兵器】の性能と、それを扱う者の錬度が試される・・・と思う。


現にヴァラットの【ゲイルシュヴァイツァー】には何度も直撃させているが、こっちの【グランディスチェイサー】には・・・被弾はしているが大きなダメージは受けていない。


大型の【ゲイルシュヴァイツァー】に比べて【グランディスチェイサー】は小回りが効くからな。・・・あとは俺のハンドルテクニック?・・・一歩間違えたらミサイルの直撃を受けてバラバラになりそうだからヒヤヒヤもんだが、な。


「・・・」


そんな状況の中でヴァラットは・・・突如【ゲイルシュヴァイツァー】び【エナジーフェザー】を切り、地面へと着陸した。


・・・諦めた?・・・んなわけないよな。


となると・・・【ビートル君改】対策か?


空中だと全方位どこから攻撃されるか分からないからな。確かに地面に降り立った方が攻撃の方向を狭める事ができるが・・・いや、違う?


なにやら【ゲイルシュヴァイツァー】が発光して・・・!?まずい!?


「戻れ!【ビートル君】たち!!」


「遅い!【プラズマバースト】!!」


俺の指示は一瞬遅く・・・【ゲイルシュヴァイツァー】は全身から放電・・・電撃を周囲に放った。


全方位攻撃!


電撃にやられ、黒こげとなって落ちていく【ビートル君改】たち。


・・・やられた。地面に降り立ったのはフェイクか。本当の目的は追いかけてくる【ビートル君改】たちを一網打尽にすることだったのか。


これは俺の指示ミスだな。まさかこうも早く対策を立てられるとは・・・どうやら攻撃が効いて調子に乗ってしまったようだ。


そして訂正しよう。


ヴァラットは【ゲイルシュヴァイツァー】を使いこなしている・・・いや、【ゲイルシュヴァイツァー】に搭載されている【兵器】を熟知していると言った方が良いか。


ヴァラットは・・・紛れもなく強敵だ。


「変!形!!ブラスターキャノンモード!!」


そんなヴァラットが乗っている【ゲイルシュヴァイツァー】は・・・さらに変形を行っていた。


四肢を地面に縫い付けるように固定し、前面部分に・・・巨大な砲身が。


「・・・そっちにもバスターがあったか」


「バスターではない。・・・ブラスターだ」


・・・なにそのこだわり。


だがそっちがそう来るのなら!!


「変形、【グランディスバスターキャノン】!!」


俺も【グランディスチェイサー】を変形させ砲身をヴァラットに向ける。


・・・とはいえ、砲身の大きさでは・・・こっちが負けてるな。


「さらに【グランディスマグナム】バスターモード×2」


このままでは負けると思った俺は一か八かで【グランディスマグナム】を二丁、ヴァラットに向ける。


「撃ち合いか・・・面白い!!」


ヴァラットが喜々として叫ぶ。・・・向こうもチャージが完了したようだ。


「力比べだ・・・トリプルシュート!!!」


「【ゲイルブラスターキャノン】・・・発射ぁぁぁ!!!」


俺とヴァラット、いや、アヴァンと【ヴァーミリオン】の【兵器】がぶつかり合う。


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