科学の申し子
「【ジェットソニック・ラッシュパンチ】!!」
まずは先制攻撃といわんばかりの開幕パンチである。
俺が放ったオーラの拳がヴァラットを襲う。
「フンッ!【エナジーフィールド】!」
対するヴァラットは片腕を上げたかと思うと手のひらからバリアを発生。俺の拳を防いだ。
「へぇ、やるじゃないか。ならもう一発!【ジェットブラスト・ラッシュパンチ】!!」
もう一度、今度は攻撃力重視の拳を放つ。
「無駄だ」
だが、俺の攻撃はやはりヴァラットのバリアに防がれた。
・・・なかなか強力なバリアだな。これでも【上級格闘術】のスキルなんだが・・・遠距離攻撃は厳しいかな。
「今度はこちらの番だ」
そう言うとヴァラットは両手の指先を俺に向けた。
「【フィンガーガトリング】」
すると両手の指先がカパッと開き・・・無数の銃弾が!?
ドドドドドドッ!!
「うおおおおおっ!!」
走りまわりながら銃弾を避ける、避ける、避ける。
まずいな・・・避けきれない。
俺はある物を取り出した。
キンッ!キンッ!キンッ!
それは俺の予想通り、銃弾を防いだ。
それは俺の全身を隠せるぐらいの巨大な盾。
ガットから譲ってもらった【堅牢の鉄盾】だ。
幸いにも銃弾を防げるぐらいの強度があったようだ。
だが・・・
「・・・」
ドドドドドドッ!!
ヴァラットの奴は大盾に防がれているのにも構わず銃弾を乱射し続けている。・・・弾切れとかないのか。
・・・まずいな。このままじゃ身動きが取れない。いくら銃弾一発一発の威力が低いとはいえ、ダメージが蓄積されていけば【堅牢の鉄盾】といえど砕けてしまう。
早急に対処が必要なわけだが・・・ヴァラットは弾幕の嵐でこちらの動きを封じるつもりだな。
とはいえ、このままやられてやるつもりはない。
さらに俺が取り出したのは、小型偵察メカ【ビートル君改】と、あとは・・・
「【グランディススナイパーライフル】」
いつぞやのスナイパーライフルだ。連射はできないが一発の威力は高い。
俺は大盾に身を隠しながらヴァラットの様子をうかがう・・・バカスカ撃ちやがって・・・目にもの見せてやる。
俺は半身だけ、大盾から身を乗り出す。当然、ヴァラットはそこを狙い撃ちしてくるが、今度は【ビートル君改】でシールドを張って弾丸を防ぐ。
その間にスナイパーライフルを構え・・・
「ヘッドショット!!」
パァァァンッ!!
ヴァラットの頭部を狙い撃ちした。
だが・・・
ガキンッ!!
「なんだとっ!?」
【グランディススナイパーライフル】の弾丸はヴァラットの頭部に当たったが・・・むなしくはじかれた。
パァァァンッ!! パァァァンッ!! パァァァンッ!!
再度、狙いを定めて狙い撃ちしたが・・・結果は同じだった。
「無駄だと言っただろう」
ヴァラットは気にも留めず指先から銃弾を乱射している。
・・・メタルパワードスーツ【ヴァールハイト】とか言ったか? ここまでの防御力があるのか・・・まさかヘッドショットまで効かないとは。
・・・こっちの銃弾であの装甲を抜くのは無理か。
ならば戦法を変えるまで。
俺は再度、【グランディススナイパーライフル】を構える。
狙うはヴァラットの頭部、ではない。ヴァラットの足元・・・の地面だ。
パァァァンッ!!
ドゴッ!!
【グランディススナイパーライフル】の弾丸がヴァラットの足元の地面をえぐった。
「むう!?」
それにより、ヴァラットの体勢が崩れる。同時にヴァラットが乱射していた銃弾が明後日の方向に放たれていく。
今が勝機!!
「【俊天の疾走】!!」
この機を逃さず俺はヴァラットに高速で近づく。
「【グランディスバンカー】セット!!」
同時に【グランディスバンカー】を右手に装着。
ヴァラットはいまだ体勢が整っていない!
「打ち抜く!!」
ドガァァァ!!!
その隙を逃すことなく俺はバンカーを打ち込んだ。
「くっ・・・」
しかしヴァラットは・・・少しよろめいた程度だった。
「なんて厚い装甲だ!チクショーめ!!」
「【対ショック装甲】だ!!」
律儀にどーも!!
ならその【対ショック装甲】がどれほどのもんか試してやる!
「もう一発!」
今度は左手にもう一つの【グランディスバンカー】を装着。しかも今度はリボルバーモードだ。
「今度こそ!!」
「やってみろっ!!」
ヴァラットは仁王立ちで立っている・・・受けて立つつもりか!!
ドゴンッ!ドゴンッ!ドゴンッ!ドゴンッ!ドゴンッ!ドゴンッッッ!!!
・・・六発全部打ち抜いた。
結果は・・・
「・・・装甲は抜けていない。問題ない」
ヴァラットは自身を確認するように言う。・・・あれだけの攻撃でヒビも入っていないとは・・・
「ではこちらの番だ」
ヴァラットは両手で手刀を作ると・・・手先からビーム・・・いや【エナジーブレード】が!!
「・・・!?」
そのブレードを俺は両手に装着していた【グランディスバンカー】で受け止める。
バチバチバチッ!!
まるでチェーンソーで切り付けられたかのように【グランディスバンカー】が火花を散らしている。
・・・まずい!壊される!!
「【力天の強豪】!【ブラストキック】!!」
俺は強化した蹴りを放つ。
俺の蹴りを受けたヴァラットが後退した。
同時の俺もその場を離脱する。
・・・今の蹴りも大して効果があったように見えない。・・・銃弾だけじゃなく、打撃自体が効果が薄いか。
ならばと、次の手を打つ。
俺は両手の【グランディスバンカー】をしまい、代わりに【グランディスマグナム】を二丁取り出す。
「【グランディスマグナム】バスターモード! ダブルシュート!!」
物理攻撃をあきらめ、今度はエナジー系で攻撃する。
ヴァラットを襲う閃光が二つ。
それに対しヴァラットは・・・両手を向けた。
「【アブソーブハンド】」
俺が放ったエナジー砲は・・・ヴァラットの両手に着弾した途端、かき消されるように消えてしまった。
当然、ヴァラットにダメージがあるように見えない。
アブソーブ・・・吸収だと? ・・・まさか・・・
ヴァラットは両手をこちらに向けたままだ。
「・・・くらえ!【エナジーブラスター】!!」
お返しと言わんばかりにヴァラットは【グランディスマグナム】のエナジー砲をそっくりそのまま返してきた!
「【ビートル君】!!」
俺は一緒についてきていた【ビートル君改】でシールドを張る。
ギシッ!ギシッ!ギシッ!
やばい!【ビートル君】がギシギシ悲鳴を上げている・・・このままじゃ持たない!!
・・・すまん!【ビートル君】!!
「【俊天の疾走】!!」
俺は【ビートル君】をその場に残したまま、高速で離脱する。
向かう先は・・・残したままだった【堅牢の鉄盾】だ。
【堅牢の鉄盾】の影に入った途端・・・
ドゴォォォンッ!!!
【ビートル君】が爆発した。
・・・なんとか脱出したが・・・10機しかない【ビートル君】を1機失ってしまった。
まずいな・・・確実にこちらの手に合わせてくる。・・・めっちゃ対策されてるじゃん。
大盾から顔を少しだしだけ出してヴァラットの様子をうかがう。
ヴァラットが身にまとっている【ヴァールハイト】の目・・・センサーが不気味に光りながら俺をとらえていた。
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