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思ったより

===転送===>観客席


「たでーま」


「「お帰りなさい」」


・・・何時もより出迎えの挨拶が少ない。・・・ちょっぴり悲しい。


アテナたちは・・・まだ戻ってないみたいだな。


「お帰り・・・苦戦したみたいだね」


ラングの奴が楽しそうに・・・人の苦戦を楽しむとはなんて奴だ・・・言ってきた。


まあ、実際その通りだが。


正面から戦わず、こちらの攻撃を無効化してくる相手がこんなに面倒だとはな。


「・・・で? アヴァンはなにをブツブツ言ってるんだ?」


「【ビートル君】を溶かされた事にショックを受けたみたいなのです」


アーニャが教えてくれた。


・・・確かにな。


いかにシールドをはれる様になったとはいえ、耐久力以上の攻撃を受ければ当然耐え切れない。そのことはアヴァンも分かっていたはずなのだが、まさか【溶解液】で溶かされるとは・・・強力なスキルによる攻撃でもなかったし、単純に相性が悪かったんだろう。


どんな物にも弱点はあるってことなのかもな。


「で? ガットたちは何をボソボソと話してるんだ?」


「あの武器を無効化する・・・【弱体粉】?に脅威を覚えたみたいですよ?」


こっちはアスターが教えてくれた。


確かに武器を無効化されるのは武器職人たちには由々しき自体なんだろう。なんせ壊されたわけでもなく、粉を吹き撒かれただけだし・・・あの粉を作るのにどれだけ手間がかかるのか分からんが、武器を使う奴からすれば脅威以外の何者でもない。


ちなみに【閃槍アーディボルグ】については試合終了後に確認すると状態異常は解除されていた。


とりあえず一安心。次の試合でも問題なく使えそうだ。


だが、これから先、【秘密結社DEATH】のメンバーとぶつかったら同じ手を使ってくるかもしれない。


注意すべき事がひとつ増えてしまった。


「所で君の【眷属】を召喚していればもっと楽に勝てたんじゃないかい? どうして召喚しなかったんだい? もう隠す必要も無いだろう?」


と、ラングの奴は何でも無いように言うがとんでもない。


「バーロー、アーテルやアウルが【溶解液】をぶっ被っちまったらどーすんだ!!」


司会者たちはグロテスクな事にはならないとは言ってたし、俺自身、あの【溶解液】を食らっていないからどんな感じなのかは分からないが・・・万が一、アーテルやアウルが【溶解液】を被ってトラウマにでもなったら・・・考えたくも無い。


少なくとも俺はそんなことさせたくない。


「・・・あっそう」


やや呆れ顔でラングが答える。


・・・まあ実際の所、どうしても追い込まれていたらアーテルたちを召喚していただろう。しかし、あの様子じゃあ、【眷属】対策もバッチリされていたように思える。


つまり、普通に召喚しても無意味だった可能性が高い。


正直、最後のレディとの勝負は博打に近かった。


魔天の叡智(アーク・ウィズダム)】で威力を上げた【水魔法】だったが、レディに対抗できるだけのMPが回復していたかどうか使ってみるまで分からず、賭けに近かった。


最後にレディに突撃したときでも、レディの使った【弱体粉】が武器無効化ではなく、他の・・・例えば打撃系の攻撃無効化・・・そんなのがあるのかはわからんが・・・だったら、あの一撃では倒せなかっただろう。


まあ、直前に【豪剣アディオン】で攻撃してたんだから、レディとしては当然、そのまま攻撃してくると思っただろうし、仮に効かなかったとしても、あの時点で【溶解液】を撒き散らす注射器はぶっ壊してたからアーテルたちを召喚しても問題なかっただろう。


厄介な相手ではあったが、打つ手が無い、というほどでもなかったというのが素直な感想かな。


それにしても・・・


「なんでナースだったのかは最後まで分からんかったけど」


格好と戦い方が剥離しすぎだ。


「それなんだけど・・・」


なんか疑問顔のラングが教えてくれた。


「僕が聞いた情報だと【秘密結社DEATH】のボスの右腕なる人物は、スチュワーデスの格好をしていて爆撃が得意って聞いたんだよね・・・」


・・・スチュワーデス? 爆撃? なんだそりゃ?


「空を飛びながらアテンションプリーズ!って言いながらミサイル撃ち込んでくるとか」


・・・何それ怖い。というか・・・


「【秘密結社DEATH】の情報はほとんど無かったんじゃなかったのか?」


「正確に言うなら、確定情報が無いって事だよ。なんせあっちこっちで話を聞いても毎回内容が違うからねぇ・・・」


・・・【秘密結社DEATH】が情報かく乱している、と?


「私が聞いた話だとブルマ体操服でバレーボール型の爆弾をトスしてくるとか・・・」


ロゼさんが聞いた情報はまた違うらしい。


・・・ブルマだと? いまや絶滅したという体操着を?


「私はバニーガール姿でハニートラップを仕掛けながらリアルトラップに引っ掛けると聞きました・・・」


ナナカさんの情報もまた違う物だった。・・・言ってる事はよく分からないが。


「ちなみに第一回戦の彼女の試合を見返したけど、チャイナ服で青竜刀みたいな剣を振り回してたね」


・・・コスプレ七変化?


ようするに状況に応じてコスプレと戦術を変えてるって事なのか?


あのアンドロイドナース、どんだけ守備範囲が広いんだ?


【秘密結社DEATH】のボスの右腕、レディ・・・思ってたよりも恐ろしい奴だったのかもしれん。


それともう一つ・・・


「・・・【秘密結社DEATH】のボスって奴、トーナメントに出てると思うか?」


「十中八九出てるだろうな。でも、今のところそれらしいのは見つかってないけどね」


・・・それはつまり、自分の実力を隠し、便利なアイテムがあるにも関わらず、それを使わずに勝ち残っているという事か。


・・・勝ち残ってるよな? さすがに自分が負けそうになったらレディが使ったような【溶解液】なり【弱体粉】なり使うだろうし。


・・・【秘密結社DEATH】のボス・・・悪の組織の一番強い奴、か・・・


どんな奴なのか、顔を拝んでみたいな。


そして、なぜ右腕にコスプレさせてるのか聞きたい。


・・・まあ、今はともかく・・・


「いい加減、戻って来いアヴァン」


「ふぎゃっ!?」


いまだブツブツ言っているアヴァンの頭に気付けのチョップを落とす。


「・・・おお、アルクか。勝ったのだ?」


・・・コイツ、試合途中から見てなかったな? なんでどいつもこいつも熱中すると周りが見えなくなるんだ?


「ああ。それより、すまんが【ビートル君】の補充を頼む」


【アークガルド】のメンバーはアヴァンを除き【ビートル君】を一人10機ずつ持つようにして、何らかの原因で失った場合はアヴァンに代替機をもらう事になっている。


なお、メンバー内での取り決めとして、アヴァンが作った【兵器】を壊した場合はその素材を後で調達してきてアヴァンに渡すという取り決めになっている。同じクランの仲間でも筋はきっちり通さないとな。・・・だからトーナメント終わったら素材取りに行かないとな。


とりあえず新しい【ビートル君】を1機、貰う。・・・ラングの奴がすっごい物欲しそうに見ているが・・・これは今の所、【アークガルド】メンバー専用だ。諦めろ。


「出来れば何らかの改良を施したい所なのだ・・・」


「さすがにトーナメント中は無理だろ? トーナメントが終わってからじっくり考えれば良いさ」


気にするな、とアヴァンに言い、現在試合中の連中の応援へと切り替える。


さて、アテナたちの試合は・・・アテナは弓矢と銃で壮絶な撃ち合いしてるな。相手はガンマンか? 今の所アテナが優勢のようだ。順調に行けばアテナの勝ちだろう。


アシュラは・・・舞台上を駆け回ってんな。相手選手も一緒に・・・かけっこでもしてんのか?・・・アイツらはほっとこう。


最後にアルマは・・・なんだあれ?


作者のやる気とテンションを上げる為に


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m(_ _)m

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