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リーダーの教え

アルク曰くPvPとPvN・・・プレイヤー同士の戦いと、モンスターやNPCとの闘いはまるで違う物らしい。


NPCとの闘いの場合、大抵はパターンというものがある。刀を持っていたら当然、刀を使ってくるし、スキルもそれに準じる、【魔法】や【兵器】なども同様。ただし、高レベルになればなるほどそのパターンは増えていくし、他の武器などを使う場合も増えていく。


そういった強敵相手に一度は敗れたとしても何度も戦っていくうちに、何らかの攻略法が見えてくる。ボスモンスターなんかがまさにそうで、何度か戦ううちに攻略法を見出すのゲームの醍醐味だろう、とのこと。


・・・まあ、レベルや装備を万全に整えるのが前提、とか、何度戦っても勝ち目がなさそうな相手もいるけど・・・神様とか・・・とアルクは遠い目をしながら言ってたけど・・・


では対プレイヤー戦ではどうか。


自分がNPC相手に行っていた準備や対策を相手(・)も(・)使(・)っ(・)て(・)く(・)る(・)。そこが一番のキーポイント、なのだそうだ。


一般的なプレイヤーは大体がセオリーな戦い方をする。戦士なら戦士らしく、【魔法】職なら【魔法】をメインにといった具合。そしてセオリーな戦いに慣れてくると今度は応用することを考えるようになる。


スキルとスキルの組み合わせ、スキルと武器の組み合わせ、スキルと【眷属】の組み合わせ・・・自分に最適な戦い方、というのを模索していく。


問題なのはそんなプレイヤーたち相手に画一的な対処法なんて存在しない、ということだ。


剣を使ってくる相手の場合、対処法として相手が盾を使うとする。しかし、それを予想し、自分は盾対策として【魔法】を使おう。しかし、相手はそれも予想していて【魔法】への対策として防御力の高い鎧を着ている。なら自分はその鎧対策として・・・なんていうイタチごっこが発生してしまう。


そこまで? と思わなくもないけどトーナメントで優勝を狙う猛者ならそれくらいするだろう、とのこと。


ではどうすれば勝てるのかといえば・・・結局のところ、自分の持ってるスキルと装備で相手に合わせた対処法をその都度その都度考えるしかない、とのことだ。


・・・それって普通のことじゃない?


と言いたいかもしれないし、実際に私もそういったけど、言うは易く行うは難しで、その普通のことが戦闘中には中々できない。


それは練習代わりに【アークガルド】メンバー相手のPvPで嫌というほどわからされた。


実際に何かしながら他の何かを考えるというのはかなり難しい。余計なことを考えてる間にやられちゃう、というのも一度や二度じゃなかった。


ではどうすれば良いのか、と聞くと・・・


「「練習あるのみ」」


という体育会系な言葉が返ってきた。ちなみに言ったのはアルクとアシュラちゃん。【アークガルド】の中でも特に戦闘特化の二人の言葉だった。


まあ、要するに慣れろ、ということで私たちはレベリングの間に模擬戦も行っていた。


なお、アルクに、トーナメントで当たる私たちにそんな助言みたいなこと言っても良いの? と聞くと・・・


アルクの奴は・・・フッと笑った。


その顔は・・・その程度で俺に勝てるとでも? と言わんばかりの顔だった。


勿論、その顔にむかついた私たち(私、アルマ、アシュラちゃん)はアルクに模擬戦を・・・トーナメント前だったから本気ではなかったけど・・・仕掛けたけど3対1でボロ負けだった。今にして思えば、手の内がバレると3対1でもあっさりやられちゃうということを身をもって知らされた。


長くなったけど、それらを踏まえたうえでリグシオンへの対策を考える。・・・なお、こうして考えてる間もリグシオンの骨の兵士たちに矢とか槍とか飛んでくるけど、全部避けている。


リグシオンの骨の兵士たちの攻撃は・・・そんなに強くない。多分、それも【死霊術】のデメリットなんだと思う。あの骨たちの武器も【死霊術】で生み出された骨の兵士たちの一部、それも私たちが使ってるほど強力な物じゃない。


それに骨の兵士たち自身も脆い。私の【聖弓レッドセラフ】の攻撃の一撃、もしくは二撃で簡単に倒すことができる。・・・もっとも倒しても次々に補充されるけど。


現在、骨の兵士は10体。多分、数は10体が上限なのだと思う。それがスキル上の制約なのかMPの関係なのは分からないけど・・・


多分、このままいけばジリ貧なのはリグシオンの方。向こうもそれは承知しているはず。今は膠着状態になってるけど、タイムリミットが迫れば攻勢に出てくると思う。


その前にこちらから仕掛けたい所だけど・・・問題は私の【魔法】が跳ね返された、という所ね。


【大爆発(エクスプロージョン)】以上の威力の【魔法】もあるけど・・・それが跳ね返された場合、即死してしまうかもしれない。


【魔法】はリスクがある以上、このまま武器による攻撃を続けた方が良い。


・・・と私が考える、とリ(・)グ(・)シ(・)オ(・)ン(・)も(・)考(・)え(・)て(・)る(・)と思う。


アルクの教えその1、自分の考えてることは相手も考えてると思え。


「【ホーリーライズ】!!」


私は【聖魔法】で自分のステータスをアップさせる。


そして・・・そのまま、リグシオンに向かって特攻をしかける。


「なに!?」


それに驚くリグシオンの表情が見える。多分、弓を使う私が近寄ってくるとは思っていなかったのだろう。


多分リグシオンは【魔法】タイプ。身体能力が高いタイプじゃない。あの骨の兵士を除けば接近戦でも私が勝てると思う。


しかし、リグシオンも当然、そう考えると思う。


そうなると相手が取る行動は・・・


「集え!!」


リグシオンは骨の兵士たちを自分の前方に集める。


私も突撃しながら攻撃するけどやっぱり一体や二体倒したくらいじゃすぐに補充されてしまう。


さらに・・・


「【スカルナイト】!!」


これまでの骨の兵士より巨大な、そしてちゃんとした装備をした骨の騎士が現れる。


・・・正面から迎え撃つつもりね。


それでも私は骨の騎士たちに向かっていく。


多分、私の予想なら・・・


「・・・今だ! 【ボーンクラッシュ・リベリオン】!!」


私が間近まで来た途端、骨の騎士たちは・・・自爆した。


・・・


爆煙が周囲を覆う。


「・・・【ボーンクラッシュ・リベリオン】は骨の兵士たちが受けたダメージをそのまま返すスキルだ」


そんな中でリグシオンは静かには話始める。


「このスキルの便利な所は骨の兵士本(・)人(・)が受けたダメージだけではなく、俺が呼び出した骨の兵士す(・)べ(・)て(・)が受けたダメージを蓄積できるということだ。大抵の場合、簡単に倒せるから、と調子に乗るんだが・・・」


なるほど、今の爆発は私が今までに倒した骨の兵士たちのダメージの総量、ということね。死してなお復讐してくるなんて、まるで呪いみたいね。


「・・・お前は引っ掛からなかったみたいだな」


リグシオンの・・・目の前に【聖弓レッドセラフ】を構える私がいる。


幸い、今の爆発も即死するほどじゃなかったから、被弾後、すぐに回復することができた・・・MPがほとんど空になっちゃったけど。


「やはりダメージの蓄積が足りなかったみたいだな。・・・しかし、よくあの場面で特攻してくる気になったな」


リグシオンは苦笑しながらも私から目を離さない。


「・・・貴方が攻めてくる姿勢がなかったから変だと思ったのよ。何かあると思ったけど・・・まさか自爆してくるとは思わなかったわ」


アルクの教えその2、ダメージを恐れず相手の手の内を引き出せ。


幸いにも私のHPは余裕があったし【回復魔法】もある。けど、MPも無限じゃない。だからMPが残ってるうちに確かめようとしただけ。


・・・自爆なんて予想外で、びっくりし過ぎて内心バクバクだけど。


「・・・なるほど、【アークガルド】の連中はやはり油断ならんな。・・・だが!!」


途端にリグシオン・・・の手にはめてる指輪が光り始めた。


「【ゼロレンジ・ホーリーアロー】!!」


でも私は焦ることなく、リグシオンが何かする前に、ゼロ距離の強力な矢を放った。


その矢がリグシオンを貫く。


「・・・フッ、悪あがきも駄目だったか・・・」


アルクの教えその3、最後の最後で油断するのはアホのすること。


今の一撃でHPが0になったようでリグシオンの体が消えていく。・・・やっぱり【魔法】職タイプ。MPは高いけどHPは低いタイプだったみたい。


そして今の指輪・・・多分【魔道具】・・・はなにかの反撃手段か、バリアでも張るのか、もしくは・・・自爆。最後の最後に出してきたということは多分・・・最後のだと思う。


「うちのリーダー、スパルタだからね」


「・・・フッ、なるほど、な」


そう言い残してリグシオンは消えていった。


『勝者(ウィナー)!! アテナ!!!』


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