天使 vs ネクロマンサー
【ディアボロス】のリグシオン・・・確か【ダークエルフ】で【死霊術師】だったな。
・・・しかし、【天使】のアテナが相手とは・・・どうなるんだろうか。
試合は・・・もうすぐ始まりそうだし・・・みたいだな。
===視点切替===>アテナ
試合のメッセージが届き、試合の舞台に転送されたところで相手がわかった。
「・・・確か、アテナだった、か?」
「貴方は・・・確かリグシオン・・・?」
そこにいたのは以前、会ったことがあるリグシオンだった。
アルクが予選でレヴィーネさんと戦ってたから、他の【ディアボロス】のメンバーもトーナメントに参加してるんでしょうけど・・・
・・・なんかリグシオンが、やっちまった~、とか外れを引いた~みたいな顔をしてるんだけど・・・失礼過ぎじゃないかしら。
「・・・そんな嫌そうな顔されるとさすがに傷つくんですけど」
というか、そんな顔されるいわれは無いと思うんだけど?
「・・・【アークガルド】は普通じゃないらしいからな」
え? 誰がそんな風評被害を? 【アークガルド】のメンバーは皆良い人ばかりよ?
「・・・トーナメントを見て俺は納得したぞ。特にお前らのリーダー」
・・・私は思わず観客席を見た。どうやら試合が終わったらしい、そのリーダーがそこにいた。
「・・・なるほど」
私は納得してしまった。
うんうん、頷いていると、そのリーダーは、え?なに?なんで俺を見たの? みたいな顔をしていた。
『バトル開始まで・・・9・・・8・・・』
「あ、そろそろ始まるみたいね。まあ、リーダーのことはともかく正々堂々と戦いましょう!!」
「・・・ああ」
そんなやる気のない顔されても・・・なんなのこの人、テンション低くない? アルクだったら喜び勇んで戦いに来るだろうに・・・やっぱり普通じゃないかもしれないわね。
『3・・・2・・・1・・・試合開始!!』
相手のやる気はともかく勝負は勝負なので手を抜くわけにはいかないわ。
私は【聖弓レッドセラフ】を構える。
「【アローレイン】!!」
まずは矢の嵐で先制攻撃を仕掛ける。・・・アルクの真似? ・・・そんなことはないわよ?決して。
「【スカルウォーリアーズ】!」
一方でリグシオンの前に現れたのは・・・骨の兵士たちだった。数は・・・5体くらい?
その骨の兵士たちが壁となって私の矢はリグシオンに届かなかった。
それにしても・・・あの骨の兵士たちは【眷属】なのかしら? でも5体も?
盾役となった骨の兵士たちは・・・ボロボロと崩れていった。
・・・あれ?あんまり強くない? ・・・というか今の倒したの?【眷属】って倒されたらホームに送還されるんじゃないの? ちょっと倒され方がグロテスクなんですけど?
「【スカルアーチャーズ】!!」
今度は弓矢を持った骨たちが・・・それもまた5体! この数・・・やっぱり、【眷属】じゃない!!
その骨たちは矢を放ってきた。
でも避けられないスピードじゃない。まして私は今日までアルクやアシュラちゃんとPvPによる模擬戦もしてたから、二人の攻撃に比べたら遅い遅い。
骨の攻撃を避けつつこちらも矢を放つ。
相手の矢に比べ、私の矢は確実に相手に届き、骨たちを砕いていく。
・・・あの骨たち、一体一体は強くないみたい・・・それにあの崩れ方・・・やっぱり【眷属】じゃない・・・多分、【魔法】・・・いえ、【死霊術】ってやつかしら? 確かリグシオンにあった後、アルクとラングさんが【死霊術師】クラスのことを調べてたから・・・入手方法はてんでわからなかったらしいけど。
とにかくあれは【眷属】の召喚じゃなくって【死霊術】による骨の兵士の・・・作成?みたいだからそんんなに強くない・・・と思う。
ならば・・・ここは一気に!
「【アローレイン】!!」
まずは牽制! 普通に攻撃しただけじゃ避けられる可能性が高い。牽制とともに時間を稼ぐ!
「クッ!【スカルウォーリアーズ】!!」
案の定、リグシオンは骨の兵士で防御を固めた。逆に言えばリグシオンは私の攻撃を避けるためにあの場から移動することができない!
「怒れる炎よ、渦巻く嵐よ、すべてを焼き払え!!【大爆発】!!!」
強力な【魔法】を使って一気に倒す!
骨の兵士たちごとリグシオンは爆発に巻き込まれて、これで終わり・・・のはずだった。
しかし、爆発に巻き込まれる直前・・・リグシオンが笑っているのが見えた。
「【スカルリフレクター】!!」
そして現れたのは一体の・・・骨の魔術師だった。魔術師と分かったのはこれまでと違い、骨と武器だけの兵士ではなく衣装もしっかりとしたいかにも別格な骨・・・だった。
その骨の魔術師が持っていた杖を【大爆発】に向けると。
「ええぇ!?」
【大爆発】が私に向かって跳ね返ってきた!?
ドゴォォォン!!
「キャアアア!!」
自分の【魔法】でダメージを受ける私。
やられた・・・最初からこれを狙ってたのね。道理で、ここまで勝ち残ったにしては手ごたえが無いと思ったら・・・そういえば以前会った時の骨の騎士も出してこなかったし・・・
「・・・【死霊術】で生み出した兵士たちは確かに一体一体は弱いが・・・代わりに特殊な能力を植え付けることができる。まあ、今の俺でもそう簡単には使えないがな」
なるほど・・・便利なスキルだけど、リスクもあるわけね。
そして私はまんまと引っ掛かってしまった・・・と。
うかつだったわ。アルクからモンスター相手の戦いとPvP・・・つまり人との相手はかなり違うからって注意されてたのに・・・本選までの間にそんなに苦戦してなかったから油断してしまっていたみたい。
「・・・なるほど、ね。反省するわ」
「・・・いやいや、あれだけ強力な【魔法】を食らったのに普通に出てくるなよ」
リグシオンは爆発に巻き込まれてもピンピンしている私を見て呆れたようにそうつぶやいた。
・・・いえ、今のは結構ダメージがあったわ。まともに食らってたら私でも即死だったかもしれない。・・・自分で放っておいてなんだけどね。
でも私だって成長してないわけじゃないわ!
爆発の直前に【ホーリーウォール】という【魔法】の壁を作り、【ホーリーアーマー】という防御スキルで身を固め、【グランヒール】を使ってダメージを受けた直後に回復したのよ!!
私の【天使】という種族の影響か、どうも私は支援系の【魔法】や回復系の【魔法】が得意みたい。
今、私がピンピンしてるのはそういうわけ。もちろん、教えないけど、ね?
さあ、今度こそ反撃開始よ!
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