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戦い終わって

===転送===>観客席


試合が終わり、勝った俺も負けたラングも一緒に観客席まで転送されてきた。


「「ただいま」」


「「「「お帰りなさい!!」」」」


戦いが終わり、疲れきった俺たちを優しく迎え入れてくれるメンバーたち。


「本選の第一回戦から激戦でしたね」


「すごかったのです!!」


「他の試合がかすんでしまっていたのだ」


「アニキは勿論でしたがラングさんも強かったっすね!!」


「観客席もかなり盛り上がってましたよ」


【アークガルド】のメンバー達が俺を労ってくれる。・・・仲間って良いなぁ。・・・一人足んないけど。


ラングはというと・・・


「お疲れ様でした、リーダー・・・頑張りましたね」


「「「「お疲れ様でした、リーダー!!」」」」


・・・なんだ、【インフォガルド】の皆もラングの奴を出迎えてくれてるじゃないか。試合前はラングの奴、人望が無いんじゃないかと思ったが・・・あれは照れ隠しか何かだったのか?


「・・・どうしたんだい? ロゼもみんなもそんな生暖かい目と笑顔で・・・似合わないよ?」


ピシッ!!


・・・しかし、ラングのデリカシーの無い発言は【インフォガルド】のメンバー達の笑顔を凍りつかせた。・・・なるほど、コイツのこういうドライな所がメンバーから不評なんだな。


「まったく、あ奴も素直に慰められておれば良い物を・・・」


同じくラングの性格を良く知っているガットが呟いた。・・・だが、ガットよ。お前も同じ状況なら同じ事言ったと思うぞ? なんせ似たもの同士だし・・・俺? 俺は違うよ?


「・・・リーダーは確かに【インフォガルド】の名に恥じない戦いをしてくれましたよ? ええ、それはもうこれでもかというくらいに色んな物を見せてくれて・・・私達にまで内緒にしてた物もありましたよね?」


「いや、それは・・・敵を欺くには味方からというか・・・」


・・・あ~あ、ロゼさんがお怒りだ。きっと負けて悔しいだろうラングに慰めの言葉をかけようとしたんだろうが・・・空気読まないからなぁ、アイツ。


・・・まあ、わざとなんだろうけどな。下手な慰めはプライドを逆に傷つけるというが。特にラングは人に弱い所を見せるのを激(・)し(・)く(・)嫌う。だからどんな時でも意地を張っちゃうんだよなぁ。


そんなラングの性格をロゼさんたち【インフォガルド】のメンバーは分かってるのかどうか。


かといって、勝者の俺が何か言うのは・・・嫌味っぽいし・・・勝者が敗者にかける言葉なんて無いって言うしな。


・・・放っておこう、うん。・・・決してアイツらのケンカに巻き込まれるのが怖いわけでは無いぞ?


そうそう、ケンカといえばもうひとつ・・・


「だう! だーうー!!」


「ひゃーうー!!」


・・・アウルとヴァーユ君がなにやらケンカしとる。


この二人、なぜか観客席に転送されたときに付いてきていた。多分、【精霊憑依(レイ・ポゼッション)】状態で転送されたからだろうが・・・何時の間にか、【限定召喚】じゃなく、通常の【眷属召喚】になってるし。


まあ、それは良いとして二人とも戻ってきてからこの調子だ。ケンカといっても取っ組み合いになるような物じゃなくなにか言い合ってるが・・・あいにく彼らの独特の言語は俺には理解不能だ。何となく雰囲気的になにやら言い争いのケンカっぽいってだけのことだが・・・


「・・・なんでそんなに仲が悪いんだ?」


いや、確かについさっきまで戦ってた仲だが・・・ここは男の友情っぽく、戦い終われば握手してしゅーりょー、じゃないのか。


「・・・多分、主のことでケンカしてると思うのです。自分の主はすごいだろー、とか、主が本気だったらこっちが勝ってた、とか言い合ってると思うのです」


・・・なるほど。自分のことだけじゃなくで主のことも含めて、か。まあ、子供のうちは負けても中々認められないよな。どうやらこの二人が男の友情を理解するにはもう少しかかるようだ。


とはいえ、このままケンカを続けるのも不毛だ。なにせ俺たちの戦いは終わったんだからな。


「・・・アーニャ。ケンカを止められる美味い物を頼む」


「了解なのです! さあさあ、二人ともこのマシュマロなんて美味しいのですよ~」


「だうー?」


「ひゃう?」


アウルとヴァーユ君の間に割って入ったアーニャがマシュマロを二人に見せびらかすように・・・おお、アウルとヴァーユ君の視線がマシュマロに釘付けだ。


「仲良くするなら特別に美味しいジュースも付けるのですよ~」


「だうー♪」


「ひゃうー♪」


・・・フッ、堕ちたな。二人はアーニャから受け取ったマシュマロを仲良く分けながら食べている。ジュースの方も・・・美味かったようだ。もうケンカのことなんて1ミリも覚えてないだろう。


やはり、子供のケンカを止まるには物で釣るのが一番だな。・・・そのマシュマロ、一個俺にくれない? 駄目?・・・ケチだなぁ。


「・・・あんまり簡単に物で釣られるのはどうかと思うんだけどね・・・」


お、ラングの奴が戻ってきた。そっちのケンカは終わったのか?・・・いや、逃げてきたのか。ロゼさんがお前を睨んでるぞ。


「・・・子供のケンカでは理屈も道理もポイ捨てされるからな。理由が理由だし、他で解決できるんならそれで良いだろ?・・・それでどうした? まさか恨み言でも言いに来たのか?」


「それこそまさかだよ。純粋に勝負して負けたんだから恨みなんかないよ。まあ、悔しい気持ちはあるけどね・・・それも覚悟の上で参加したんだから文句なんてないよ」


勝負である以上、どちらかが勝ち、どちらかが負けるのは必然だ。負けたからといってケチを付けるなら最初から勝負なんてしなければ良いだけの話だ。


「戦いが終わった以上、僕はいつも通りの【インフォガルド】のリーダー・・・情報屋さ。・・・ってわけで君には色々聞きたいね。試合中に使ったスキルのこととか・・・」


・・・【魔天の叡智(アーク・ウィズダム)】のことか・・・しかし、立ち直り早いな、コイツ。


「トーナメントが終わったらな」


【魔天の叡智(アーク・ウィズダム)】を手に入れたエピソードは後でちゃんと説明しないといけないだろう。・・・ん? しないといけない? なんで?・・・何となくそうしなくちゃいけない気がする。それで良いだろう。


「お前の方こそ言いたい事があるんじゃないか? ・・・ヒュントやヴァーユのレベル、とかな」


「・・・気づいていたのか」


・・・おそらく、ラング自身はレベルがカンストしているが、ヒュントやヴァーユはあまりレベルが高くない。でなければヒュントはアウルの一撃で倒される事はなかっただろうし、ヴァーユをもっと早く召喚することもできたはずだ。


多分、自分のレベリングに手一杯で【眷属】たちのレベリングまで手が回らなかったんだろうな。まあ、それを今更言っても、文字通り言い訳にしかならないのだが。


「ヒュントやヴァーユのレベルが足りなかったのなんて大した問題じゃないさ。単純に僕の準備不足・・・いや、君への対策不足だよ」


・・・ふむ、あくまで【眷属】ではなく自分のせいだということか。自分一人で抱えみすぎな気がしないでもないが・・・人のせいにしない所はこいつの良い所だと思う。


「・・・次があったら今度こそ完膚なきまでに・・・フフフ」


・・・なんか不穏なこと言ってるが、無視しよう。


「そういえばさっきから気になってたが、アテナはどこ行った?」


俺は【アークガルド】のメンバーに振り返りながら尋ねた。この場に、アテナだけが居なかった。まあ、理由ははっきりしているが・・・


「アテナなら試合中ですよ・・・ほら、あそこです」


アルマが指差す先に確かにアテナがいた。対戦相手は・・・


「アイツは確か・・・【ディアボロス】のリグシオンか」


作者のやる気とテンションを上げる為に


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m(_ _)m

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