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搦め手には正攻法で

周囲を飛び交う【魔法】の数々・・・不規則に飛び回るそれらをかわし続けるのは至難の業だ。さらに自動での追尾ではなくラングの手動・・・手動? なのだからなおさら性質が悪い。


・・・()()()()()()


理屈をこねるというか屁理屈を言うようでなんなのだが、完全に不規則・・・それも百以上の物をランダムに動かすというのは想像以上に難しい。


それは俺の周囲の飛び交う【魔法】、そしてラングの()()を見れば分かる。


ラングの手の動きに合わせて動く【魔法】には少なからず()()()がある。考えてみれば当然だ。そうでなかったら【魔法】同士がぶつかって()()しているはずだからな。


つまりその規則性さえ見出せれば対処するのはそう難しくない。


それともう一つ。


無数の【魔法】の中にボール系の【魔法】とボム系の【魔法】が入り混じっている。それらは似たような色、形、大きさで一見、見分けはつかない。


()()()()、だが。


15分も飛び交う【魔法】の中で身を晒し、その身に食らいながら確認していけばいい加減見分けがつく。


・・・何が言いたいかって言うと・・・いい加減、反撃しようという事だ。


俺は【閃槍アーディボルグ】と【グランディスマグナム】を仕舞い、代わりに【霊刀ムラクモ】、【妖刀オロチ】を取り出す。


ちらっと見る限りラングの表情は・・・変わらない。手元にも変化がない。明らかに俺が何かしようとしているのを見ても微塵も動揺しないのはさすがだと思っておこう。・・・決して口には出さないが。


飛び交う【魔法】を回避しつつも、二刀を構える。


「【双刃・疾風連斬】!」


説明しよう! 【双刃・疾風連斬】とは二本の刀による滅多切り(飛ぶ斬撃付き)である!


二本の刀を振り、周囲の【魔法】を次々と切り裂いていく。


「・・・やけになったのかい? 僕がそうやって君が対処する事を想定していないとでも?」


ラングの奴は変わらず手元で【魔法】を操作している。狙いはシンプルで・・・逆に分かりやすい。


ドォン!!


爆発が起こる。


爆発したのは当然、ラングの放った【魔法】だ。・・・ただし、俺の刀や体に当たったからではない。


「!?」


おお、ラングの奴、驚いてる、驚いてる。


俺の周囲で・・・と言っても俺自身に影響が出ない範囲で、だが・・・ラングの放った【魔法】が次々と爆発して行く。俺の刀が切り裂いているからだ。


と言っても直接切り裂いているわけではない。飛ぶ斬撃で切り裂く事で俺自身に影響することなく誘爆させているのだ。


【双刃・疾風連斬】はがむしゃらに刀を振るう為に使ったんじゃない。誤爆の心配が無いボール系の【魔法】は直接切り裂き、誘爆させるべきボム系の【魔法】は飛ぶ斬撃で切り裂く・・・そのために一振り一振り、意識して丁寧に刀を振るっているのだ。・・・めっちゃ疲れるけどな!!


・・・疲れはするが、難しい事じゃない。飛び交う【魔法】の規則性・・・つまり【魔法】の()()は大体読めた。ボール系の【魔法】とボム系の【魔法】の区別も出来た。


あとはボール系の【魔法】の軌道上に合わせて刀を振るいつつ、ボム系の【魔法】目掛けて飛ぶ斬撃を放つだけだ。


「・・・そんなバカな。高速で移動しつつ周囲を飛来している物体を正確に切り捨てるなんて・・・人間業じゃない・・・」


・・・難しくは無い、と思ったがラングの奴は驚愕していた。


・・・そうだろうか? 結局の所、動き回りつつタイミングよく刀を振るってるだけだぞ? 俺的には・・・あれだ。ゲームセンターにあるリズムゲーム・・・太○の達人とダンスゲームを同時にこなしてる感じ? 見たいな?


・・・あれ? とんでもなく難しくない? ・・・いやいや、別にノーミスクリアを目指してるわけじゃないからね? こっちのペースとタイミングで切ってるからそれほど難易度は高くない・・・はず。


とかなんとかしてる間にどんどん【魔法】は少なくなっていく。・・・半分以上は斬れたな。ラングの奴も【魔法】を補充していってる様だが間に合っていない。スピードは俺のほうが上だ。


さらに【魔法】を補充しようと【魔道書】に手をかけると、意識が分散されるのか【魔法】の操作が甘くなる。良い的だぜ。


「・・・この戦法はもう駄目のようだね。・・・まあ、それも予想していたよ。ならば・・・ここが攻め時かな!!」


そう言うとラングのやつは【魔道書】を仕舞った。・・・俺の周囲は【魔法】が飛び交ったままだ。一度【魔道書】から放たれた【魔法】はそのままなのか・・・残り約20個ちょっと!


ラングが続いて取り出したのは・・・豪勢な装飾のついた杖と・・・刀?


杖はともかくなんで刀を? あいつ魔法職じゃあ・・・いや、待て、あの刀どこかで・・・残り約10個!


ラングはその刀を頭上高く振り上げ・・・


「刀に宿りし【白虎の精霊】よ! その力をここに!!」


やはり! あれは以前見た【霊刀・白虎】か!?


・・・0! よし、【魔法】は全部切り捨てた!!


と同時に・・・


「ハッ!!」


ラングは【霊刀・白虎】を振り下ろした!


刀から現れる半透明の巨大な白い虎・・・【白虎】。その牙と爪が迫ってくる。


・・・これは駄目だ。避けきれない・・・ならば迎え撃つ!!


「【ガーディアルアーマー】! 全開!!」


防御スキルで防御力を底上げしつつ二刀を構える。


「【双覇・十字烈斬】!!!」


ありったけの【気力】を込めて【白虎】に斬りかかる。


・・・これは賭け、だな。


刀と【白虎】がぶつかりあった瞬間・・・


ドゴオォォォン!!!!


大爆発が起こった。


巨大な爆発により発生した爆煙により、視界が無くなる。


しかし、そんな中でもラングは冷静に刀を仕舞い、杖を構えた。


「火よ水よ、土よ氷よ、風よ雷よ、光よ闇よ、その力を集い束ねん。時に命を育み、時にそれを奪う、その脅威の力を持って我が敵を打ち倒さん」


容赦なく【魔法】の詠唱を行い、杖の先に膨大な【魔力】が集まっていくのが分かる。


「ハッ! 随分容赦ないじゃないか! ラング!!」


空中でヒュントの背に乗って静止しているラングの()()()()()()()()俺が叫ぶ。


「・・・当然だよ。あの程度で君がやられるはずがないと思っていた。この爆煙に乗じて接近してくる事もね。・・・この至近距離なら外さない!【エレメンタルバースト】!!!」


ラングが構えた杖の先から巨大な虹色に輝く光の玉が発射される。その膨大な【魔力】の塊はこれまでとは桁違いの威力だということが分かる。


・・・あー、ここまで計算尽くなのか・・・これを食らったら終わりだな。


だが、奥の手は俺にもある。


俺は二刀を仕舞った。


お前も気が付いているだろう?


試合が始まってから、()()()()()【魔法】を使っていないことに。


MPを温存していた理由を見せてやる。


「【魔天の叡智(アーク・ウィズダム)】!」


スキルの使用と同時に俺の右腕が黄金に輝きだす。これで準備OK!


「【フレイムバースト】!!!」


俺は右手を突き出し、【魔法】を繰り出す。


【フレイムバースト】は本来、50センチほどの炎の塊をぶつける【魔法】だ。


しかし、今俺が放った【フレイムバースト】はラングの放った【魔法】と同等以上の大きさ、元々の【フレイムバースト】の10倍以上の大きさになっている。


理由はこちら。


魔天の叡智(アーク・ウィズダム)

MPを全て消費し、魔法の威力を増大させるスキル

魔法の威力は消費したMPに依存する


さあ、勝負だラング!!


作者のやる気とテンションを上げる為に


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m(_ _)m

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