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夜烏(昭和5年×必殺×百合)  作者:
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本作をより楽しむための昭和レトロ用語集 多分間違いはあるけど許してね

 本作をより楽しむための昭和レトロ用語集

 ※現代の私たちが勘違いしやすい当時の常識を、作者が調べた範囲でまとめています。

 歴史の事実と一部異なる部分や、諸説ある箇所もあるかと思いますが、本作フィクションをスムーズに楽しむための独自設定・ガイドとしてお読みいただけますと幸いです。

 間違いなどがありましたら、優しく目をつぶっていただけると助かります……!



 本作の独自設定


  ☆夜烏よがらす

 法の裁きが及ばない悪人たちを、裏稼業の殺し屋たちが金銭を受け取って人知れず闇に葬る……という影の存在。あくまで噂レベルであり、本当に実在するかどうかは誰も知らない。


 ☆櫻華流古武術おうかりゅうこぶじゅつ

 平安時代から存在している武術、

 *綾の母方の血筋はここの分家筋です。



 ☆ 昭和初期の街と世相


 ☆銀座ぎんざ

 本作の舞台。

 当時の日本で【最も新しく、最も華やかで、最も欲望が渦巻く最先端の街】です!

 昼は高級デパートや一流専門店が立ち並び、特権階級(華族)や大富豪たちが優雅に『銀ぶら(銀座をぶらぶら歩くこと)』を楽しむモダンな流行の発信地。

 しかし夜の帳が下りると街は一変!

 男たちを狂わせる過激な「カフェー」が乱立する、

 官能的でエロティシズム満載の巨大な歓楽街へと姿を変える、二つの顔を持った欲望の街でした。


 ☆エロ・グロ・ナンセンス

 昭和初期の日本を席巻した大衆文化のキャッチコピー。

「エロティシズム(エロ)」「グロテスク(猟奇)」「ナンセンス(不条理)」なものがウケまくった。

 当時のちょっぴり狂った退廃的な空気感を表す言葉です。


 ☆活動写真館

 現代で言う「映画館」のこと!昭和5年は、映像だけの無声映画(活動写真)から、キャラクターが喋る最新の「トーキー(発声映画)」へと切り替わる大激変の年でした。

 画面の横でセリフを喋る「活動弁士べんし」や生バンドの演奏付きで楽しむ、当時の最先端エンタメスポットです。



 ☆ カフェーと夜の世界

 ☆Cafeカフェー

 現代の喫茶店をイメージすると大間違い! 実態は、お酒と美女、そしてお色気を売りにした、エロティシズム全満載の「夜の社交場」です。

 薄暗いボックス席では、お気に入りの女給にチップを弾み、身体をぴったり密着させて濃厚なサービスを楽しむのが当たり前の空間でした。

 しかも、女給たちの給料は基本「無給」!

 客からのチップだけが命綱だったため、生き残りをかけてサービスがどんどん過激化していく……という欲望の背景がありました。

(ちなみに、お酒の出ない普通の喫茶店は当時【純喫茶】と呼ばれていました)



 ☆ダンスホール

 現代のクラブとは異なり、生バンドのジャズに乗せて「プロの女性ダンサー」と1対1で踊る華やかな社交場です。

 しかし、男女が身体を密着させて踊る場所ゆえに、当時は「不純異性交遊の温床」として臨検からカフェー以上に厳しく目をつけられていました。

 昭和初期には警察の厳しい規制によって多くのホールが潰され、生き残った店も薄暗い照明が禁止されるなど、常に警察の影に怯えながら営業するスリリングな空間でもありました


 ☆ネオン

 昭和5年頃の銀座1~2丁目に、派手な電飾を掲げた大型カフェーが爆発的に急増。銀座が不夜城のような「ネオン街」へと進化を始めた、スタートの年でもあります。



 ☆臨検りんけん

 警察(風俗警察・特高警察)が、過激化するお色気や風紀の乱れを取り締まるため、予告なしに店内へ【強制ガサ入れ】に踏み込んでくることです!


 客と女給の行き過ぎた「おさわり」や「淫らな行為」が現行犯で見つかれば、その場でお縄(連行)。臨検のホイッスルが鳴った瞬間、店内の電気は消され、客たちは女給と離れて身を隠さなければならない……というピリピリとした命がけのスリルがありました。


特警とっけい※特別高等警察(特高)のこと。風俗を取り締まる普通の警察とは異なり、反政府的な思想犯やスパイを秘密裏に追う国の一大特務機関です。

 彼らが動くとき、それはお色気騒ぎではなく「命に関わる大事件」が起きている証拠。

 当時の人々から最も恐れられた暗黒の組織です。



 ☆賄賂わいろ当時のカフェーと警察(風俗警察)の間で、日常的に行われていた暗黙の裏取引です。

 店側が警察に高額な賄賂を握らせておくことで、「今夜、臨検(ガサ入れ)に行くからな」と事前に教えてもらう関係が築かれていました。

 もし事前の連絡なしにいきなり警察が踏み込んできた時は、「賄賂が足りなかった」か、あるいは「裏で誰かがハメようと糸を引いている(=事件の合図)」という、歓楽街のヤバいバロメーターでもありました。

 もし現行犯がバレたとしても、その場で賄賂を渡せば見逃してもらえることもあったそうです。


☆街を行き交うモダンな人々

☆モダンボーイ(モボ)


 当時、銀座の街をブイブイ言わせていた最先端のオシャレ男子たちのこと!

 イギリス風の仕立てが良いロイド眼鏡(丸眼鏡)をかけ、幅の広いラッパズボンをはいて、小粋にステッキを振り回しながら歩くのがトレンドでした。

 海外カルチャーに詳しく、ちょっとキザで、夜はカフェーでジャズを聴きながらお酒を飲むのがステータスだった、昭和初期のトレンドセッターです。


 ☆ モダンガール(モガ)

 伝統的な着物や「おしとやかさ」を投げ捨て、自立と自由を謳歌した最先端のトレンド女子たちのこと!

 髪型はパキッとしたボブカット(断髪)に、海外直輸入の短いスカートをまとい、真っ赤な口紅を塗って銀座を闊歩していました。

 他人の目を気にせず、タバコを吸ったりカフェーで男性と対等にお酒を飲んだりと、古い価値観をぶち壊した最高にクールな女性たちです。


 ☆当時の平均身長と体型

 昭和初期の一般女性の平均体型は、身長150cm以下、スリーサイズは【78 / 61 / 83】と、現代に比べて非常に小柄で華奢でした!

 成人男性の平均身長も160cm程度。現代の私たちがタイムスリップしたら、周りの人々がひと回り小さく見えるかもしれません。




 ☆ お金と単位のリアル

 ☆昭和5年の金銭価値(物価)

 当時の「1円」は、現代の【約2000円~3000円】の価値があります!

 大卒の銀行員の初任給が約70円(現代の約14万~21万円)だった時代。カフェーの売れっ子女性たちは、固定給が出ない代わりに客からの高額なチップでお色気を提供し、普通のサラリーマンを遥かに凌ぐ大金を一晩で稼ぎ出すことができました。


 ☆通貨の単位 【円・銭・厘】

 当時は1円より小さいお金の単位が存在していました。

 1円 = 100せん

 1銭 = 10りん

 昭和5年当時、「厘」は物価の上昇により日常の買い物ではすでに殆ど使われておらず、主に利息などの計算上の単位になっていました。

 普段の生活では「銭」が最小単位のような感覚です。

(駄菓子が1銭、絵葉書が2銭で買えた時代でした)


 ☆長さの単位 【メートル・尺・寸】

 当時は、西洋から入ってきた「メートル法」への移行期だったため、日本伝統の「尺寸しゃくすん」とちゃんぽんで使われていました!

 1しゃく = 約30センチ

 1すん = 約3センチ (※10寸で1尺)

 モダンガールのスカートの短さ(膝上〇寸など)や肌の露出度、あるいは女給のプロポーションを測る際にも、当時は日常的に「尺寸」の単位が使われていました。


 ☆ 上流階級の特権

 ☆華族制度かぞくせいど

 明治から昭和22年まで実在した、日本の公的な貴族階級のこと。

 かつての大名や公家、あるいは国家に大貢献したエリート家系だけが名乗ることを許された特権階級です。

 上から順に【公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵】という5つの爵位ランクがあり、本作に登場する朝霧家は「子爵ししゃく」にあたります。

 一般市民とは完全に隔離された、非常に格式高く閉鎖的な上流社会を形成していました。



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