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超魔法少女グレンオー  作者: 窓井来足
第六章
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第六章「禁断のベルトのゆくえ その2」

まあ、当然のように。

何で魂輝がベルトを持っていたのかっていう話です。


果たして、そこにどんな理由があるのか……それは読んでからのお楽しみ☆

 【第六章「禁断のベルトのゆくえ その2」】


「たまちゃん、あんたあのベルトどうやって手に入れたの?」


 翌日、特に変わりなく高校に魂輝が登校してきたと嵐から連絡を受け、桜は再び髙高の屋上で、魂輝と嵐、三人で話すことにし。

 そして魂輝が屋上に来てすぐに、桜は彼女にそう声をかけた。

 普通ならば「会っていきなり挨拶もなしに」と思うところだが、そこは既に桜のうわさは聞いていて、しかも昨日実際に会っている魂輝である。

 彼女は、特に考えるそぶりもせず、


「え? 買いましたけど……先輩たちは違うんですか?」


 と答えると同時に尋ね返す。


「買った? どこで」

「まさか、危ない武器とか売っている闇サイトで……」


 彼女の意外な回答に、二人はさらに質問をする。

 確か、オウリュウたちの話によれば、ベルトは奪われたという事なので。

 魂輝が買ったとすれば売った者はベルトを奪ったやつか、あるいはさらにその人物から手に入れたかどちらかという事になる。

 二人は別に元凶を探せとは言われていないが、ここまでヒーローとして活動をしてきた以上、黒幕みたいのがいたら、折角なので退治したいというのがあるのであった。

 が、そんな風に意気込む二人の予想に反して、魂輝は、


「危ない武器? だって、ただのオモチャでしょ? 普通に中古のオモチャとして売っていましたし、五千円で」


 と、言い出す。


「ただのオモチャって、あんな危ないものがそんなわけないだろう?」

「昨日も、カッコいい怪人が生みされたら試したくなるとか言っていたし。もしかしてまだ反省が足りないわけ?」


 二人は、魂輝が全く反省していないことに目つきを鋭くして、強めの口調で質問。

 だが、そんな二人を見て魂輝は。


「え? だって、あれ、妄想の世界でヒーローごっこするためのベルトなんじゃ……だからあたしはダークヒーローポジションをしていたんですけど……違うの?」


 と言い出す。

 どうやら、魂輝はあのベルトによって行くことができる虹華夢幻郷を〈妄想の中の世界〉と思っており。

 自分たちが変身したり、怪人を生み出していたのも、ただの妄想だと思っている……ということのようだった。


「いや、確かにそういう妄想世界で戦うパロディ多めのヒーロー作品、実際にありましたけど」

「普通に考えたら、妄想の中に入れるベルトなんて、ある訳ないだろう」


 魂輝の意見を聞いても、納得しない二人。

 そんな二人の様子を見た魂輝は、どうやら自分が妄想だと思っていたのが、そうではなく、もしかして実際に変身したりしていたのではと薄々気が付いた。

 が、あれが異世界で、実際に怪人を召喚しているという想像が自分にはできなかったとあっさり認めてしまうと、単に自分が(頭が)悪い奴だというだけになってしまう。

 と、無意識に思ったので、魂輝は、


「え? でも普通に考えてしまったら、ヒーローに変身するベルトや、異世界だってないんじゃあ……」


 と、言い訳をする。

 これを聞いて。

 桜、嵐双方とも「そういえば、そうだ」とあっさり納得し。

 そもそも、サポートにオウリュウやフーコがついていた自分と違い、魂輝はそういうのがいなかったんだから、勘違いしても仕方がないよなぁとも思った。

 ので、二人ともこれ以上彼女を責めるはことせず。嵐は、


「まあ、仕方がないな」


 と許すことにして、桜も、


「で、その中古で売っていたお店ってどこ?」


 と、別の話題に切り替えることにしたのだった。


 ☆ ☆ ☆


 さて、桜と嵐は。

 魂輝から中古ショップも兼ねた質屋の場所を聞き出し、髙高の最寄駅から電車で十五分の場所にある、その店に向かった。

 そしてそこで、自分たちのベルトを店員に見せ「こんなベルト、ありませんでしたか?」

 と尋ねたところ、店長らしき人が出てきて、


「ああ。あれ? 入ってすぐに売れたけど、流行っているの?」


 と言い出したので、魂輝の言っていたことの裏が取れた……が、

 店長がその言葉の後に「三つとも入って数日後には売れた」と付け足したので。

 二人は、質屋から急いで、今後は桜の家に行き。

 彼女の部屋で留守番しているオウリュウに


「ちょっと、どういう事? 奪われたベルトって三つもあるの?」

「というか、今更だが、奪われたって具体的にどうされたのかね?」


 と詰め寄った。

 ちなみに、この際にはフーコも同席しているのだが。

 彼はオウリュウから「任務で輸送している最中に、ベルトを奪われてしまった」としか聞いていなかったので、具体的に何があったのか、細かなことは知らないのだった。

 そのため彼もまた。


「奪われたと聞いて、吾輩はこの世界に虹華夢幻郷を狙う人間がいて、彼らの仕業ではないかと思っていたのだが……」


 とオウリュウに訊ねる。

 さて、これを受けて。

 オウリュウは、どうするかしばらく迷ったが。

 三人が自分のことを胡乱な目で見つめてくるのに耐えられず「すまない……本当にすまないが」と前置きをしてから。


「実は敵に奪われたとかじゃなくて、オモチャと間違われて持ち去られてしまったんだ」


 と、今更な説明をする。


「オモチャとって……」

「どういう事?」


 それを聞いても、いまいちわからない二人。

 対してフーコは、


「まさか、あの故障は……」


 と、言い出す。それを聞いて、


「知っているのか、フーコ」


 と問う嵐。するとフーコは、


「うむ。吾輩、オウリュウからベルトが奪われたと聞いた際に、亜空間にものを収納する機能が故障していたので、てっきり敵が機能を破壊して奪ったのだと思っていたのだが」


 と、口にする。

 それを聞いて、


「もしかして、機能が壊れてベルトを持ち歩くしかなくなって……」

「加えて、オウリュウ自体、動かずにいればドラゴンのロボットのオモチャみたいな外見だから……」


 と察する二人。

 そう。

 亜空間にものを転送する機能が故障した際、オウリュウはベルト三つを、普通に紙袋に入れて持ち歩いていたのだが。

 その際に人間に見つかってしまい、相手が大人だったので、オモチャのふりをしてやり過ごそうとした。

 だが、その大人はそれを「捨てられたオモチャがある。子供のお土産にしよう」と回収。

 更に、その子供が「ドラゴンのロボはかっこいいからいるけど、こっちのベルトはいらない」と言ったので、オウリュウとベルトは別々にされてしまい。

 オウリュウは隙を見て子供の手から逃げたが、ベルトは行方不明になっていた。

 そして、オウリュウたちの知らないところで、ベルトは質屋に売られてしまっていた。

 ……というのが、今回の事件が起きた理由だったのだった。

 勿論、説明を受けていないので、この時点では三人にはオウリュウごと持ち去られたという展開まではわからないが。

 それでも、変身ベルトがオモチャだと思われ、持っていかれたというぐらいは十分想像できたのであった。

 こうして。オウリュウがベルトを奪われた理由を察した三人は、彼に言いたいことは山ほどあったし、怒りたい面も非常に多かった。

 が、あと二つベルトがどこかにあるという事は、まだ別の魔法少女が何かをする可能性もあるという事。

 つまり、この先も桜と嵐は超魔法少女活動を続けるという事でもあるので。

 ここはあえて怒らず、今後何かあった際に、自分たちの意見を優位にするためにこの件を使おうと判断。

 オウリュウもまた、気まずい雰囲気であるので、彼女たちが特に何も言わないことに対して何か反応する事もできず、しばし無言の状態が続く。

 その為。

 お互いに、どうこの先の話を進めたらよいのか、わからない状態となって。

 しばし全員無言の状態が続いたが。

 桜がそんな状態に耐えられる訳もなく。

 結果的に嵐に、


「そういえば、今度の劇場版『宇宙魔法少女銀凱(ぎんがい)のメタリオン THE MOVIE』の宣伝特番、録画してあるんだけど見る?」


 と、別段今する必要性はない事を訊ね。


 嵐もまたこの状態をいつまでも続けることに抵抗があったので、とりあえずその誘いに乗ることのしたのだった。

 が、そのタイミングで。

 グレンオー感覚に感知あり!!


「って、ちょっと、闇の魔法少女の問題解決してから早すぎない!?」


 驚くグレンオー。

 彼女としては一つ目の事件が解決したのだから、次の戦いの前に、打ち上げとか、いかにもなエンディングが欲しかったので。

 実は事件は相棒のオウリュウのせいでしたという事が判明し、すっきりしない気分の時に次なる敵が現れるのはどうかと思ったのである。

 一方の嵐も、


「馬鹿な、先の戦いで、街にはもう、ネガティヴな感情エネルギーは怪人が自然発生するほどにはなかったはず、つまりこれは新手の魔法少女……」


 と、推測しつつ内心では「小説にしたら最終話辺りの展開だが、これ〈私たちの戦いはこれからだ〉みたいな展開か?」と思っていた。

 しかし、敵が現れてしまった以上、グダグダ言っている場合ではない、

 そのあたりの切り替えは、ヒーローなら当然できる。

 ――と、思い込んでいるような二人なので、


「まあ、仕方がない」

「いくぞ」

「「魔導填身!!」」


 と、叫びながら、いつものようにスムーズにベルトを操作して変身、虹華夢幻郷に向かったのであった。

 

(続く)

さて、物語的には次が最後の戦いになるのですが。

果たしてどんな敵が現れるのか……こうご期待!!

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