第73話 有栖のことについて
その後、適当な場所で野宿しながら、次の場所へ向かうことになった。
光明との戦いに備えるため、巻き込まれるかもしれない町や村に長居するわけにはかなかったのだ。それに、人前に不用意にでると向こうに気取られるというのもある。
眠れなかった俺は、スズネやユキタカと話をする事にした。
それは、二人が探しているアリスという少女に関する事だ。
「どうしたんですか。オルタさん。そんな奥歯にものが挟まった様な顏をして。ちょっと変てこですよ」
「シリアスな人を前に良くそういう事自然に言えるよな、姉ちゃん。そう言うとこちょっと尊敬するぜ」
「えへへ、それほどでもー、ありますがっ」
「それ、誉めてないからな」
年下に気を使わせてしまったのか、それとも素でこの対応なのか、この二人はたまに分からなくなるから困る。
キャロとの仲も「夫婦か?」みたいな事聞いてきたしな。
まあ今では、それについてはあながち嘘でもないんだが。
とにかく、俺は口を開いた。
「アリスの事なんだけど、これから行く所にもしかしたらいるかもしれない」
「あ、はい。その可能性はユキタカくんと相談して、考えてました。可能性的には高いんじゃないかなぁ、と」
「キャロ姉ちゃんやオルタ兄ちゃんの友達もいるんだろ。なら、助けてやらないとな」
「そうなんだけどな。お前たちに言っておかなくちゃいけない事があるんだ」
俺は、光明の命令でスズネ達の確保を命じられていた事を話した。
でも、俺はその通りにせずに、内緒で二人を保護した。
それで、この世界の物達がスズネ達にした事がチャラになるとは思っていなかった。
だから、話すべきだと思ったのだ。




