第72話 アーシェ救出と世界救済へ
フィーやクオンも交えて、交信所から離れた場所で野営。
夕食の準備を済ませた後、あたたかいスープをのみながら皆で話し合いをする。
おやつを食べたからか少なめだったキャロが、食器を片付けながら口を開いた。
「そうだ。皆に言わなくちゃいけない事があるの。アーシェはまだ、生きてるわ」
「どうしてキャロがそれを知ってるんだ」
驚いた。
そこで告げられた事実は、キャロが知っているはずのない事だったからだ。
「アーシェの魂はまだ、この世界にあるのよ。死んでない。それで魔法を使って、私に助けをもとめてきた……。フィー達が前に言った通りだったのね」
一度目の邂逅の時、フィーがそんな事を言っていた。
曖昧な記憶だった俺と違って、キャロはしっかり覚えていたようだ。
フィーたちに確認すれば、頷きが帰ってきた。
「今も、時々聞こえます。聞こえるだけで話はできませんが」
「そう、か……」
フィーはどんな風に聞こえているんだろうな。
気になったけど、さすがにそれを聞くほど鈍感じゃない。
キャロは、俺の腕を掴んで言葉を続けた。
「よく聞いて。アーシェをよみがえらせる事ができれば、この世界を別の方法で助けることができるわ」
「それは、本当か!」
「ええ、だから……信じられないかもしれないけど、皆のアストラル化とデータ化は待ってほしい」
クオンからこれまでの説明を受けていたキャロはそう言って、フィー達の様子を窺う。
フィーたちは頷いた。
「僕達だって好きでやってるわけじゃないですよ。他に方法が無かっただけで。だから、もっと良い方法があるのなら、それを聞きます。詳しい話をしてくださいませんか」
「そうよね。分かったわ」
ほっとした様子のキャロが息をはく。
操られていた際のキャロは、女神ユミィアの力を使ってアーシェと交信していた。
そこで、アーシェを助ける方法を知って、この世界を助ける方法を教えてもらったのだと言う。
フィー達と話した時から状況が変化した様だ。
「以前ならアーシェは、自分の魂が眠っている場所が分からなかったみたいだけど、今ははっきり分かるらしいわ。別の世界の人の魂が助けてくれたみたい」
「そうか、そういや生贄になった人もあやつられてたっけか。その人の魂があるっていうなら、ありえるのか」
もしかしたら、その人達とアーシェも一緒の場所に眠らされているのかもしれない。
だったら、この世界の事情に巻き込まれた人たちも助けなければならないな。




