第70話 キャロ奪還
援護をクオンに任せて、俺は前に進む事だけを考える。
操られているキャロを助けなければ。
あいつはもう、たった一人だって知ってる人間を傷つけたくはないはずだから。
「うぉぉぉぉっ!」
容赦なく降り注ぐ、魔法の雨の中を走る。
いくつかがかすめて言ったけど、それにも構わない。
そんな俺を見かねてか、
「チェーン・ガードナー!」
クオンの魔法の効果で、防御の力が底上げされる。
一人で戦う事もできて、味方の支援も出来るなんて、俺の我儘につきあわせるだけじゃ申し訳ない。
早くみんなの援護に向かわせなければ。
立ちふさがる者達に心の中で謝りながら、気絶させていく。
「a――――」
「どけぇぇぇ!」
この人達も犠牲者なんだから、できるだけ死なせずに倒したい。
もう誰かが死んで悲しい思いをするのは、こりごりだ。
けれど、また増援がやってきた。
ひょっとして、まだ下の階に待機している奴がいるのか?
立ちふさがったのは操られた人間達。
悪いと思いつつも、そいつらへ突っ込んでく。
ガンモードで炎の弾をばらまいて、煙で詠唱を無力化していった。
「くそっ」
だが、数が多すぎる。
あっという間に取り囲まれてしまった。
そこに。
「やぁぁぁ!」
「うおりゃっ!」
「行ってくださいオルタさん!」
「頑張れよな、兄ちゃん!」
小さな援軍がきて、道を切り開いてくれた。
「お前ら。ったく、年上の威厳もあったもんじゃねーな」
守ってやってるつもりだったけど、予想以上に成長が早いな。
彼女達はもう、守られるだけの存在ではないのだ。
「キャロ、今いくぜ!」
俺は、敵の集団をつっきってキャロの懐へ接近。
ソードガンの剣の腹をたたきつけた。
気絶したキャロが倒れそうになったので、抱きとめる。
「こんな粗っぽいやり方でごめんな」
短い間だったかもしれないけれど、操られていたから何も感じていないのかもしれないけれど、一人にしてしまった罪悪感が湧いてくる。




