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アーク・ライズ 地平線から昇る太陽を夢見て  作者: 仲仁へび
第四幕 輝きを放つ世界

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第68話 ハテノ交信所



 クオンの話では、交信所は大昔には使われていたらしい。


 が、今は使われていないようだ。

 けれど、システムは動いているようで、整備ロボとかお掃除ロボとかが働いていた。


「掃除されてるみたいだな」

「人がいる証拠ですね」


 もっと、すすけてさびれた所をイメージしてたんだけど、いやに小綺麗だ。


 隅々まで手入れが行き届いていて驚いた。


(使われていない建物の扱いじゃないよな。みるからに)


 そんな事を思いながら、静かに階段を昇っていく。

 電力は通ってるみたいだけど、昇降機の類は稼働していないようだ。


「ひぃ、ふぅ、ながいですよぉ」

「まだ十五階だって、みてみてよスズネの姉ちゃん」


 ユキタカが階数表示板を見てげんなりしている。

 スズネが頭を抱え始めた。


「ひええええ、もうやめたいよぉ」


 百階まであるらしいけど、まさか最上階までいかなくちゃいけない流れか?


 鍛えてる俺でもこれはきついぞ。


「お花が一輪、お花が二輪。気がまぎれない!」

「落ち着いてよ姉ちゃん。前から落っこちてこないでよ、俺が巻き込まれちゃうよ!」


 花を数えたりして気がまぎれるもんか?


 二十五階超えたあたりでお子さま組が一回錯乱し始めたので、小休憩。


 しばらく休んでからまた再開した。


 コスモスもバテてるけど、スズネ達と違って大人しい。


「ミナトに早く会うためじゃ、これも愛の試練なのじゃ」


 なんか小声で言ったりはしてるけど。




 そんなこんなでようやく目的の階へ到着。


 百階じゃなくて助かった。


 五十階層まで登ったところで、ようやくフィー達に合流できた。


 武装した集団に取り囲まれたけど、お子様組がそれどころじゃなかったので、取り囲んだやつらは困惑している。


「もーだめですぅ」

「ちょ、姉ちゃん。こんな状況でいきなり尻もちつかないでよ」

「だいじょうぶですよー。向こうは敵意なんてないみたいですから」


 それにしても疲れたな……。


 明日筋肉痛になりそうだ。

 でも途中で戦闘にならなかっただけましか。


 見張りとか、全然みあたらなかったもんな。


「オルタさん、スズネさん、それにコスモスさんも、監視カメラには映ってましたが……。えっと。大変でしたね」

「え? ああ、うん」


 なんだか気の抜けたやりとりだな。

 監視カメラでずっと俺達がへばりながら上がってくるの見てたのなら、気持ちは分からなくはないけど。


「上に上がってくるための転移魔法とは使ってこなかったんですか?」

「身内にそういうのができる奴がいないんだよ」

「そ、それは災難でしたね」


 昔みたいなやりとりに、妙な安心感を抱いてしまうが、気を抜いている場合じゃない。

 ともかく、困惑するフィーに向かい合う。


「よう、久しぶりだなフィー。前も思ったけど、背が伸びたみたいだな」

「一体、ここに何をしに来たんですか」


 あらためて警戒するフィー達に、俺は敵意が無い事を示すべく両手をあげた。


「俺達は戦いにきたわけじゃない。わけはコスモスから聞いた。協力しにきたんだ」

「本当……ですか?」


 疑いの視線と困惑の表情。

 そういう反応になるのも当然だな。


「生憎俺はキャロみたいに賢くないから、信じてくれとしか言えない。でも、フィーだって俺達とは戦いたくないだろ?」

「あなたらしい言葉ですね。分かりました」


 フィーは俺の言葉を聞いて警戒を解き、他の者達に視線で示した。


 隠れていたらしい人間たちが出てきて、周りに集まってきた。


 戦闘態勢に入っていた者たちが力を抜いて、手にしていた武器を手放す。


「俺が言うのもなんだけど、そんなあっさり敵の言葉を受け入れて良いのか?」

「キャロさんならともかく、オルタさんに腹芸ができるとは思えませんし」

「お前、ちょっと見ない間に言う様になったな。そういうの腹黒くなったっていうんだぜ」

「僕のお腹の色は普通ですよ」


 あ、これ計算じゃないな。天然だ。


  なんだか少しほっとした。


 フィーは猫でも飼っているのか、足元にまだら模様の猫を引っ付けていた。

 なつかれているみたいで、靴下をあまがみされている。


「この子は最近拾った子なんです。でもうちのメンバーには猫アレルギーの人がいるので、大変なんですよ」

「ノラが見たら喜びそうだな」

「懐かしいですね」



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