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アーク・ライズ 地平線から昇る太陽を夢見て  作者: 仲仁へび
第四幕 輝きを放つ世界

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第60話 拡張図書館



 目が覚めたら見慣れない図書館だった。


 情けない話だが、虚無に向かって落下した後、あまりの落下時間の長さに、意識が途切れてしまっていた。


 キャロがいたら「たるんでるわよ」、なんて叱られそうだ。


 落下している最中に一瞬だけ、早まった事をしてしまったと思ったが、どうやら無事にコスモスに回収されたらしい。


 体を起こすと、視界にはたくさんの本棚が並んでいる光景。


 以前訪れた時の記憶は曖昧だけど、ところどころ造りが変わっている様にみえるし、余計な装飾も増えてる気がする。


 自分が今まで寝ていた所に視線をおとすと、花柄の可愛らしいソファーだった。金と銀の色が特徴的で、どこか気品のようなものを感じさせる。


 前はこんな物はなかった気がする。記憶にあったのは、もう少しおとなしい感じの家具ばかりだった。


(全体的に高級感のある家具が増えたような気がするな。何でか知らないけど)


 他にも花瓶が乗っている棚とか、ティーセットが並べられている棚とかが目に入る。


 足元に目を向けてみたら、以前より毛が長いふかふかの絨毯が敷かれていた。


 前は全体的に無機質で、ところどころ人が住んでいる気配がする……くらいだったけれど、今はかなり生活感があった。


 そんな風に周囲を見回しながら寝起きの頭を起動させていると、懐かしい声がした。


 子供特有の高い声だ。


 これもなんだか違って聞こえる。


 以前は大人びた、とか神秘的なとかいう装飾がついていたが、今はただの子供の声といっても不思議ではなかった。


 その声は、誰かに向けられているようだ。


「いい加減ウチをお嫁さんにしてほしいのじゃ」

「うっせぇ、離れろチビ」

「いーやーじゃ! ミナトがウチを嫁にするまで一生離れるつもりはないのじゃ」

「その愛の重さで相手から引かれてるって気づけよ!」


 聞こえてきたのは、気の置けない間柄を伺わせるやりとりだ。


 顔の知らない男と、その男にくっついている少女がやってくる。後者は顔の知ってる方だ。


 いろいろ変わってるこの場所だが、彼女の見た目だけはまったく変わっていなかった。


 その少女が、こっちの様子に気づいた。


 うざったそうにしている男から離れて、近寄ってきた少女はこちらの顔をのぞき込んできた。


「ん? 起きたかオルタ。久しぶりじゃのう。少しふけたかの?」

「お前と比べれば、少しは変わったかもな」


 彼女の名前はコスモス。

 そのはずだ。

 はず……なんだが、何と言うか。

 知らない間にえらく性格が変わってしまったようだ。


「くくっ、それはそうかもしれぬのぅ」


 愉快気に笑う目の前の少女を思わずまじまじと見つめてしまう。



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