第53話 支え
俺達は、たくさんの親しい者達を失い過ぎた。
誰かを守っては、失い。
誰かと関係を築いては、断たれる。
俺達はただ、幸せに生きたかっただけなのに。
なんでこんな目に遭わなくちゃいけないんだ。
四人が住んでいた家は一気に静かになって、キャロも口数が減ったもんだから、空気がどんどん重くなっていった。
このままだと見えない何かに押しつぶされてしまいそうだ。
朝食づくりに失敗したキャロが嘆く。
焦げた目玉焼きが食卓に並んでいるけど、一向になくならなかった。
「私達、どこかで間違えちゃったの?」
落ち込むキャロをどう励まして良いのか、俺は分からなかった。
戦いの才能よりも、大事な人を励ます言葉が浮かぶ能力の方が良かったな。
「キャロは間違ってなんかいねぇよ」
「だったらどうして、皆私達の周りからいなくなっちゃうの? フィーも、アーシェも、スズネ達も……」
こじょままだとキャロまでいなくなってしまいそうで怖かった。
彼女をこの世界につなぎとめられるなら、何でもしたいと思った。
「……。俺はいなくならないぞ。絶対キャロの傍からいなくならない。キャロがいてくれるから、俺はまだ歩いていられるんだ。だからキャロ」
「オルタ?」
「絶望なんかしないでくれ、俺とまだ、一緒に生きよう」
俺は精一杯の勇気を振り絞って、その言葉を伝えた。
朴念仁とか言われてるけど、一応これでも考える事は考えてるんだぞ。
今までキャロは俺の家族だった。
それで良かったし、それで良いはずだった。
でもこのままじゃ、大切な人を支えきれない。
だから俺は述べたのだ。
今までは、キャロに俺じゃもったいないから、その一言を言わなかっただけで。
「うん。一緒に生きよう。オルタ」
俺は、キャロンを抱きしめた。
彼女が腕の中で泣いてる様子を見る。
これからはずっと、俺がキャロを支えていかないと。




