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アーク・ライズ 地平線から昇る太陽を夢見て  作者: 仲仁へび
第三部 立ち止まらぬ世界

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第53話 支え



 俺達は、たくさんの親しい者達を失い過ぎた。


 誰かを守っては、失い。

 誰かと関係を築いては、断たれる。


 俺達はただ、幸せに生きたかっただけなのに。

 なんでこんな目に遭わなくちゃいけないんだ。







 四人が住んでいた家は一気に静かになって、キャロも口数が減ったもんだから、空気がどんどん重くなっていった。


 このままだと見えない何かに押しつぶされてしまいそうだ。


 朝食づくりに失敗したキャロが嘆く。


 焦げた目玉焼きが食卓に並んでいるけど、一向になくならなかった。


「私達、どこかで間違えちゃったの?」


 落ち込むキャロをどう励まして良いのか、俺は分からなかった。


 戦いの才能よりも、大事な人を励ます言葉が浮かぶ能力の方が良かったな。


「キャロは間違ってなんかいねぇよ」

「だったらどうして、皆私達の周りからいなくなっちゃうの? フィーも、アーシェも、スズネ達も……」


 こじょままだとキャロまでいなくなってしまいそうで怖かった。

 彼女をこの世界につなぎとめられるなら、何でもしたいと思った。


「……。俺はいなくならないぞ。絶対キャロの傍からいなくならない。キャロがいてくれるから、俺はまだ歩いていられるんだ。だからキャロ」

「オルタ?」

「絶望なんかしないでくれ、俺とまだ、一緒に生きよう」


 俺は精一杯の勇気を振り絞って、その言葉を伝えた。

 朴念仁とか言われてるけど、一応これでも考える事は考えてるんだぞ。


 今までキャロは俺の家族だった。

 それで良かったし、それで良いはずだった。

 でもこのままじゃ、大切な人を支えきれない。


 だから俺は述べたのだ。

 今までは、キャロに俺じゃもったいないから、その一言を言わなかっただけで。


「うん。一緒に生きよう。オルタ」


 俺は、キャロンを抱きしめた。

 彼女が腕の中で泣いてる様子を見る。


 これからはずっと、俺がキャロを支えていかないと。



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