第54話 亡者の復活
俺はキャロと一緒にこの世界で生きていく。
犠牲にしてしまった人達への償いの方法もどうにか見つけて、これからはずっとキャロの傍にいるんだ。
やっぱり、そうやって決めたほうが楽だな。
自分たちが生きるために利用したなんて納得しようとしてきたけど駄目だった。
アーシェもフィーも、俺たちの犠牲になったんだって考えた方がしっくりくる。
そんなの、あいつらは望んでいないかもしれないけど。
キャロと一緒に、支えあいながらこの世界を生きていく。
そう決めた俺達の元に、ほどなくして呼び出しがかかった。
相手はケイオスじゃない。
異世界から、アーシェの代わりとなる人間を攫い続けている奴等だ。
俺達の体を長い間保護していた変な組織だ。
あいつ等の事は考えたくなかったから、詳しく知らなかったけど、連中は光明という組織名を名乗っているらしい。
その光明が今更、俺達に何の様なんだ?
まさか、スズネ達をかくまっていた事がばれたのか?
でも、そうじゃなかった。
俺達は、コールドスリープから目覚めた施設へ向かった。
そこに行くと、光明の代表者であるコロンゾという男性がいた。
「おぬしらに、この世界を壊そうという不届き者の討伐に向かってもらいたい」
高圧的な態度で、断られるとはこれっぽっちも思ってなさそうな感じだった。
あまり好きにはなれそうにない。
「俺達は別に光明の一員になった覚えはないぞ」
「貴殿らは友人であるアーシェ様の身を守り、歴史的に重大な分岐点に立ち戦った者達であろう。志同じくする同士ではないか」
さすがにむかっとした。
お前らと一緒にすんな。
こっちは進んでアーシェの命を差し出した覚えはないし、別の人間を犠牲にしてる現状に納得してるわけじゃない。
言い返したかったけど、やめた。
「オルタ……」
キャロが腕を引いて止めてくれなかったら、殴ってたかもしれない。
「で、あるならば、復活した亡者が率いる犯行組織の討伐を、受けてくれるな?」
「亡者?」
何のことだと首をかしげるしかない。
こっちは光明にはほとんどかかわりがなかった。
内部の情報なんて入ってきてやしないのだから。
「分からぬか? 貴殿らが一度奈落へと突き落とした者達だ」
「?」
口ぶりからしてもっと過去のことを言っている?
さいきん落としたあいつじゃない。
なら……。
フィー?
まさかあいつら、生きてたのか?
ありえない。そんな事がありえてたまるか?
虚無に落ちた人間は帰ってこないのが常識なんじゃないのかよ。
一体どうやって。




