第50話 緊張?
傭兵組織ケイオスで活動するようになってそこそこの月日が経った。
勝手の分からない世界だけど、慣れたことやってるとだんだんと落ち着いてくるのが救いだな。
喰はそんな世界でも相変わらずで、ちょくちょく俺たちも活動しなければならなかった。
世界が安定しているからか、人材難は解消されているため、出動の頻度が少ないのは良かったけど。
それでも危険が全くないというわけではない。
マルガリータからの他の見込みがあって、大規模任務に協力する事になった。
以前は大きな任務にも当たり前に参加していたけど、この時代じゃめずらしい。
ほかの面々は結構緊張して準備しているようだった。
俺達はなれたもんだから、そんなに構えることなんてないけど。
でも以前と違う点がある。
それはスズネとユキタカを守らなければならないという点だ。
どうやら今回はあいつらも参加するようだったから。
俺達は入念に武器にチェックを行い、もしもの事態を考えて、作戦を頭に叩き込んだ。
スズネ達にも戦場での立ち回りはしっかり教えたつもりだが……。
「はぁぁ、緊張するよぅ」
「そんな事いって、姉ちゃんは本番になったらすぐしゃきっとするだろ」
「はいっ、私本番には強いタイプですから」
「自分で言うんだ」
「でも、それとこれとは別なんですってば。私本番前の時間が嫌いです」
二人の様子に若干不安になる。
緊張している少年少女たちの様子を見るのは若干微笑ましいが、戦いの場にやらなければならないのが心苦しい。
目覚めたばかりのころとは違って家計は安定してるから、あいつらが戦う必要なんてもうないんだが。
お世話になっている人たちのためにといって、聞かないのだ。
「スズネ、ユキ、危なくなったらすぐ下がるのよ。私達もフォローするから」
キャロが世話を焼いているのを見ながら、作戦の事を思い返していた。
今回は蝕に取り囲まれた村の救援だ。
籠城しているらしいが、いつまで持つか分からない。
そのため、迅速に動く必要があった。
「いざとなったら、私とオルタがあなた達を守るわ。だから安心して頼りなさい」
「キャロさんとっても頼もしいです。そんなキャロさんをお嫁さんに貰えるオルタさんってとっても幸せ者ですね!」
「ちょ、姉ちゃん!」
いきなり話が斜め横にすっ飛んでいったので、ぎょっとする。
キャロも俺も驚いて赤面するしかない。
「なっ!」
「何だって?」
スズネってたまにとんでもない発言するよな。
「あれ、お二人は付き合ってるんじゃなかったんですか?」
スズネとしては自分達を励ましてくれた人に、こじゃれた形でお礼を言ったつもり何だろう。
でも、その内容はな。
俺とキャロンはそういうのじゃなくて、家族みたいなもんだし。
スズネは不思議そうな顔をしながら「あれ?」と首をかしげていた。
「でも引っ越した時はベッドが……」
「スズネの姉ちゃんたんま! それ外で言ったらダメな奴!」
ああ、あれ見たら普通誤解するよな。




