第49話 傭兵組織ケイオス
お世話になるばかりじゃ心苦しい。
なんて言って来たので、スズネとユキタカに色々な仕事を紹介した。
新しい世界で増えて来た知り合いに片っ端から声をかけて、様々な仕事をやらせてみたのだが、どうにも話が危ない方へ。
なんと驚く事に、二人は傭兵に向いているみたいだった。
スズネ達は、自分からは言わないものの、戦いの基本すら分からないような世界にいたらしい。
なのに、戦いに向いてるなんて。どういうめぐりあわせなのか。
さすがに複雑だった。
護身用の武器を持たせて、町の外周を見回りする時に連れて行ってみなければ分からなかった事だろう。
インスタント武器を使いこなして、身の丈以上のハンマーを振り回すスズネと、俺のおさがりの旧式のソードガンを使いこなすユキタカ。
昔の俺達の事を思い出してしまう。
「私達、子供の頃から戦ってて、それが普通だと思ってたけど……」
「ああ、なるべくなら回避した方がいい事なんだよな。普通は」
キャロの心中も複雑なようだった。
視線の先、町の外の草原に出た二人はなめらかな動きと協調性で、蝕をばったばったとなぎ倒していく。
「やぁぁぁぁっ!」
「とりゃあああ!」
「……」
しかも、才能は俺達より上だな。あれは。
(俺が同じくらいの年だった頃も、そこまでは動けてなかったぞ)
そんな事をしていたら、通りがかりの傭兵集団に声をかけられてしまった。
「いいもん見せてもらったよ。あたし達の組織に入らないか」
そいつの名前は、マルガリータ。
腰に酒瓶をひっさげた体格のいい女性だ。
傭兵なのに、なぜか防具は少なくて露出の多い服装。
(なんか寒そうな見た目だな)
視線を注いでたら、キャロに脇腹をこづかれた。
どこかのマリオンのおっさんを思い出す姿だったけど、マルガリータは意外と見た目以外はしっかりとしていた。
「ちゃんと現場は選ぶし、給料も出すからさ。なんなら保護者のアンタたちもついてくるかい?」
で、当然のように、傭兵たちにスカウトされて、あれよあれよという間に彼女が運営する組織ケイオスに加入する事になった。
一応俺達も普段から見回りをしているケイオスの連中(その時までどこの組織かは知らなかったけど)に手助けする事があって、半分組織メンバー扱いされてるくらいだったらしい。
近々お誘いが、かかる予定だったとか。
その場で決めてしまったが、少し後悔してしまった。
あんまり目立つとスズネ達の事が、バレそうなのが問題だ。
けれど、新たな世界で生活していくにはお金が必ようだし。
四人ともなるとまとまった収入を得る必要がある。
例の変な組織に頼るって方法もあるけど、なんだか気がのらないんだよな。あっちは。
クオンに相談したらもっといい案が浮かんできただろうか。
でもスズネ達の事を秘密にしているから、さすがにそれは厚顔無恥すぎる気がする。




