第45話 コールドスリープ
休んだかいはあった。
あの時、色々キャロと話し合ったんだ。
それで。
俺達はこれからどうするべきか。
その結論が出た。
俺達は、人材育成で後任者たちを育てた後、コールドスリープでやがて訪れる世界の終焉の時まで眠りにつく事にした。
アーシェを一人にしない事が、今の俺達にできる事だと思ったからだ。
彼女と一緒にこの世界の終わりを向かえる事が、犠牲にしてしまった人達へ贖罪になるだろうということで、キャロも意思をかためたようだ。
なすべきことをなし、いろいろな引継ぎを行ってるうちに、ざっと一年が過ぎた。
親しい人達と別れをすませた後は、専用の施設に赴き、管理者に挨拶。
なんでも縁は作っておくもんだな。
とある研究所の主任の、コールドスリープ計画に協力したことがある。
俺が昔、とある小隊の世話になっていた時の縁だ。
あの時一緒に戦っていた連中はもう、俺とキャロしかいないけど。
その時の記録が後世に残っていたようで何よりだった。
「本当によろしいのですね」
どこか昔の知り合いの面影を残した今の研究主任に、俺とキャロは頷いた。
専用のポッドに横たわって、めをとじる。
催眠用のプログラム音声が流れてきて、内部に光が満ち始めた。
コールドスリープに入る直前だ。
アーシェと同じ方法だから、それも償いの内の一つって事で。
眠りの訪れは緩やかで。同時に様々な景色が脳裏によぎった。
人工的な眠りの中では、夢は見ないって聞いてたけど、薄ぼんやりとした色々な光景を見ていた気がする。
ユミィアと名乗る少女と一緒に、何かから逃げてる。
そんな夢だ。
ユミィアってこの世界を作った女神じゃなかったっけ。
俺の頭はそんな人を夢に見るほど、想像力豊かなはずじゃなかったんだけどな。




