第34話 心強い助っ人
このままでは自分の提案が無駄になってしまうと感じたのか、アーシェは少し焦ったようだ。
「そ、そう言わずに。お手伝いさせてください。そうだ、お二人が所属している自治組織の見習い要員として働くというのはどうでしょう?」
戦力的には人手は欲しいが。
残念なことに首を縦には触れない。
アーシェの姿を見てそう思った。
特別鍛えているような感じはなさそうだしな。
「いや、さすがにそれはな。入隊を決めるのは俺達じゃないし、第一戦える奴等以外は人手が足りてるし……」
「そうですか」
事務職とかもあるけど、反対にそっちは人手が余ってるくらいだからな。
アーシェは目に見えれうなだれてしまった。
そう、しゅんとされてしまうと罪悪感が芽生えてくる。
目の前の少女が実は歴戦の猛者だとしたら話は違ってくるのだが、そうでもなさそうなので、可哀想だがどうしようもできない。
しょんぼりと肩を落とすさまを見ながら、どうしたもんかと思う。
とりあえず彼女でもできそうな事と言えば……。
「そうだ。だったら猫を探すの手伝ってくれよ。実はちょっと困っててな」
「猫、ですか?」
きょとんとした少女にこれまでの経緯をかいつまんで説明。
「友達の頼みなんだけど、すごく困ってるみたいなんだ。何かいいアイデアねぇかな」
そこにキャロが口を挟んでくる。
みかけによらず義理堅いところがあるキャロだが、筋を通すべきところはしっかり通す。
マリオンのおっさんみたいに依頼が完了できればなんでもいい、みたいな考えではないのだ。
(あのおっさんこの間の害虫駆除の時、家燃やしかけたからな……。手伝い頼むんじゃなかった)
キャロが俺の胸を叩いて詰め寄る。
「ちょっと、いいの? ノラに言わずにそんな事言っちゃって」
そう言えば、そうだよな。
けど、ノラの性格を考えれば大丈夫だろう。
あいつはそんな事気にするような人間じゃないし。
「ノラなら気にしねぇだろ。猫が見つかった方が、あいつも助かるだろうし」
「それはそうかもしれないけど。報酬の件はどうするのよ」
「三人分で分ければ良いんじゃないか?」
キャロは頭痛をこらえるようなしぐさ。
「……。それってただの仕事の斡旋じゃない。結局アーシェが協力した事にはならないんじゃないの?」
「うーん」
なるほど、そうとも言える。
ちょっとした話してないけど、あーシェって子はけっこう恩とか貸しとかしっかり考えるタイプみたいだし。
そんなこんななやりとりをしていると、アーシェがいきなり数匹の猫を抱えてやってきた。
いつの間に?
「オルタさん、キャロさん、この子達ですか? 見つかりましたよ!」
「「ええっ!?」」
まだ時間としては、数分しか経ってない。
あまりの手早さに、俺達は同時に声をあげて、驚かざるをえなくなった。




