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アーク・ライズ 地平線から昇る太陽を夢見て  作者: 仲仁へび
第二部 未だ幸福だった日々

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第31話 町の人の手伝い



 切断の任務を受けて帰ってきたら、のんびりしてる暇もなかった。

 知り合いが多いのもたぶん影響してるんだろうけど、見回りが終わった後とか何もない日は色々な頼み事を押し付けられる。


 ノラという少女もその中の一人だった。


「野良猫たちが、一斉に脱走してしまったのら。さがしてほしいのら」


 特徴的な喋り方をする存在の濃い女の子。


 請け負った手伝いの中の一つは、脱走猫の保護だった。


 フィーと同じくらいの年齢の少女だが、どこかのんびりした雰囲気とは真逆に結構なお嬢様だった。


 資産家の家の少女だけど、なぜだか商店街が気に入ってて、野良猫と一緒にかけまわっているのをよくみる。


 ノラは蝕に襲われて怪我をした猫や、すみかを襲われた猫の保護を行っていて、その数は総勢百匹にものぼる。


 けれど、ふとした不注意でその猫達が全部逃げてしまったらしい。


「このままだと皆の迷惑になるから、早急に対処してほしいのら。依頼料は指定の口座に後で振り込んでおくのら。日常特科の項目だから、引き出す際には手続きが必要になるのらね。気を付けてほしいのら」

「お、おう」


 年端も行かない少女から、事務的な言葉が流ちょうに紡がれるのを見ると、反応にこまる。


 察しが良い人間はこの辺りで気が付くだろうが、ノラの父親はそういう仕事をしている。


 キャロが普段よりも小声でノラに話しかけている。


「特科ってあれよね。出所のあやしい資金の流れが多くなってきたからって、私達の仕事の報酬を振り込む時につけたされた区分とかいうの。ってことはこれも任務扱いなの?」

「そうなのら、頑張って励むがよい。資金源が不明だったけど、調査してみたら、闇に流れてたって裏事情があったから、防止策として特科が付け足されたらしいのら」


 何やら普段の苦労がうかがえそうなセリフだった。


「ノラの親の仕事って頭使って大変そうだよな。俺にはとても務まりそうにねぇな」



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