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アーク・ライズ 地平線から昇る太陽を夢見て  作者: 仲仁へび
第二部 未だ幸福だった日々

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第26話 もくず屋のフィー



 俺たちが住んでいるフラクトールには、今にもつぶれてしまいそうな小さな店がある。


 その名は、もくず屋。


 名前からしてやばそうな気配がするよな。


 実際、通りかかった人間が二度見するくらいのおんぼろ小屋だしな。

 家としてかろうじて見えなくもない?

 という有り様だ。


 でもそんなイメージに反して店は好評で、多くの人に利用されている。

 それなりの収入があるみたいだから、経済状況は悪くないようだった。


 俺達はそんな悲惨な見た目をしたお店に用があった。


 建付の悪い扉を力押しでこじ開ける。


 すると、幼い少年の声がかかった。


「キャロンさん、オルタさん、いらっしゃい」


 俺達を出迎えてくれたのは十歳になるかならないかくらいの年の男の子、フィーだ。


 見た目は子供だが、しっかりしてて賢い。自分の店で扱っている商品で分からないものはないというのだから。


 家族の姿は見えない。店の業務はいつもフィー、一人が行っている。

 どういう身の上なんだろうなって疑問に思う事はあるけど、フィーが話さないのだから知らないままだ。


 無理に聞こうとは思わないし。必要だとも思わない。


 言いたくない事は無理に聞かない方がいいだろうからな。


 子供だから、こんな世の中だし、普段の生活とか防犯面とかは、心配ではあるけど。


 にこやかに接客するフィーに、キャロが声をかける。


「こんにちは。フィーは今日も大変そうね」

「そんな事ないですよ。町の人たちの為に頑張ってるキャロンさん達の方がよっぽど大変ですから。今日も武器をご覧になられるんですか」


 大人びた話し方するから、つい背筋が伸びちまう。

 見た目はともかく、こうして店の客として話すと、あんまり子ども扱いできないんだよな。


「いや、今日は回復薬だな。手持ちのやつが少なくなってきたから補充しに来たんだ」

「そうですか。ちょうど今仕入れたばかりなので、よりどりみどりですよ。性能の良い品もあるのでじっくり見ていってください」



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