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アーク・ライズ 地平線から昇る太陽を夢見て  作者: 仲仁へび
第二部 未だ幸福だった日々

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第25話 フラクトール=エイン



 定期報告が済んだ後は、クオンと別れてキャロと一緒にホームタウンを歩いていく。


 俺達が住むこの町の名前はフレクトール=エイン。


 元はお祭りに使うランタンとか燭台とかを作る小さな町だったんだけど、今はその何倍もの規模になっている。壁の進行にともなって、避難してきた人たちを受けいるごとに、規模が大きくなっていったという歴史があるのだ。


 そんなこの町のいたるところには、ランタンの形をしたオブジェが飾られている。

 時間の経過とともに光量が調節されるそれは、この世界にはなくてはならない存在だ。


 そんなだから、照明器具の製造は、他の生活用品よりも重視で製造されていた。

 修理とかも一番でされる。


………あれ、こわれたりすると、大変なんだよな。


 けれど、それよりも重要視されているのは結局の所は武器。


 なぜなら、壁の進行がとまっても、いまだ蝕の脅威にへの有効打が見いだせていないのだから。


 喫茶店を見ると、長物を持った男が二人。

 テーブルの上には紙束とか、香辛料とか、小銭がのっている。

 町で商売する商人だろうか。

 刀のようなものを手にしながら、商談を行っている。


 もちろん抜き身ではなくて、しっかり刀身は鞘で隠されていた。


 俺と同じものを見たキャロが嘆息。


「最近、蝕の襲撃が激しくなってきてるわね。自衛のために武器が必要なのは分かってるけど、でもそのせいで治安がちょっと悪くなってるのが困るわ」

「いざという時に備えたいってのは分かるから、どうしようもねぇんだけどな。キャロは変なやつらに絡まれたりしてねぇか?」

「私は平気よ。ちゃんと道とか選んで歩いてるし」


 まあ、キャロは強いしな。

 俺もキャロも護身術の類はしっかりみにつけてあるから、そこらへんの暴漢でも素手で撃退できる。


 一般人なんかじゃ太刀打ちできないはずだ。

 そういったら怒られるから、言わないけど。


 それに強いのと心配しないのは=じゃないからな。


 どんなに強くたって、怪我する時は怪我するし、死ぬときは死ぬんだ。


「でも、同じ人間を警戒しなくちゃいけないのは辛いよな」

「そうね」


 昔だったら、きちんとした資格をもった人間だけが武器を所有していたんだけど、こんな時代だ。

 町の中に蝕が侵入してくる事もあるし、食い詰めた者が略奪行為に走る事もある。


一般家庭でも武器を所有している所は珍しくなくなった。



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