第24話 定期報告
クオンと共に見回りを終えた後は、定期報告へと向かう。
活気が満ち始めてきた街の中を歩き、自衛組織の本部に足を向けると、知り合いの隊員がいた。
マリオンだ。
片手を上げて声をかけられる。
「よお。そっちの嬢ちゃんも一緒か。相変わらず夫婦みてーだな」
顔をあわせるなり、そんな事を言ってくるマリオンに、キャロは真っ赤になる。
肩を怒らせて、つかつかと歩み寄り、大声で反論。
マリオンはうるさそうに耳をふさいだ。
「なっ、私とオルタはそんなんじゃっ、ないわよ!」
「いつも言ってるけど、俺とキャロは別の付き合ってるわけでも夫婦なわけでもないぞ」
冷静に指摘したらなぜかキャロンに睨まれた。
クオンは呆れて「乙女心を無下にするからです」と言う。
乙女心なんて、男の俺には理解できない。
話題をふったくせに、やれやれと肩をすくめるマリオンのおっさんが訪ねてきた。
「定期報告か?」
そう言って、本部の奥を視線で指し示す。
話し声がきこえてくる。
いつもより、多そうだ。
喧騒が聞きえてくるほど、人が結構いる。
「今日は混んでるから、遅くなるぜ」
「おう、教えてくれてありがとな。ところで、おっさんは最近どうしてるんだ?」
尋ねられたおっさんは、けだるげな様子で口を開く。
「別にどうもしやしねぇよ。冒険心あふれる若者でもねぇんだからな。毎日クソみてぇな化け物倒して、死んだように一日を過ごしてるだけだ」
死んだ魚の目みたいだ、とおっさんの目を見て言ったヤツがいたけど。
誰だっただろうか。
おれはそこまでは思わないけど、でもやる気なさそうな目ってのは思う。
他のくたびれた中年だって、もう少しましな目をしてると思うけど。
何があったらそうなるんだろう。
俺はこのおっさんが生き生きしてるところを、一度も見た事が無い。
普段よりマシなのは、戦闘時くらいなもんだった。




