第4章 脈動
「ゴズリフ、選別の時間〈とき〉はあったか?」
ローブを着た男が鏡に向かって話している。
何処だか場所は分からないが、ローブの男がいる所は
暗く、不気味な雰囲気を醸し出している。
鏡の中も光りを飲み込んだように暗い。
唐突に鏡の中から声が聞こえてきた。
「いや。まだ見つかっていない」
少し声が響いている。
「学校に入りこんだが、選別の時間〈とき〉は巧妙に隠されている。中々、手掛かりを掴めていないのが現状だ」
とゴズリフが言う。
「そうか。もう学校には忍び込んでいるのか?」
ローブの男が言う。
「ああ。生徒になりすまし入り込んでいるがバレるのも時間の問題だろう」
ゴズリフが続けて言った。
「大丈夫なのか?」
ローブの男が言う。
「心配無用……。とでも言っておこうか。場所はまだ分からないが、着実に選別の時間〈とき〉に近づいている実感はある」
ゴズリフが言う。
「そうか。では、期待して待っているぞ」
とゴズリフは言い、鏡に手をかざすと、鏡から暗さが消え、いつも通り、自分の顔を映し出す鏡へと変わった。
ローブの男は、一息つき横の壁に目を移した。
そこには、魔法陣が書かれた壁がある。
魔法陣はひび割れている。
次の瞬間
壁が激しく波打つ。
ドクン……。
そしてもう一度
ドクン……。
その奇妙な音と共に壁も波打つ。
脈動が始まった。
ローブの男が思う。
そしてローブの男の口角が上がる。
もう少しだ。
もう少しで復活する。
2000年前に起こったテンペストをもう一度起こすのだ。
そして、世界をリセットする。
ローブの男は、脈動を続ける壁を見つめながらそう思った。




