18、本気で好みの顔なの
「お、おかえりなさいませ、お嬢様」
「キャー、二宮君本当の女の子みたい!可愛ー!!」
他クラスに遂にお披露目された俺の女装姿は前々から噂になっていて話題性で中々の客入れとなっていた。
俺からしたら男としての尊厳が危ういのだが・・・
「はいはーい、奏汰とチェキとりたい人は一枚百円だよー!」
圭に関しては俺を出汁にせこい商売に手を出している。
しかし開店からこうも客が途絶えないとはメイド喫茶さまさまだな、確かにうちのクラスは美人が多い。
「お帰りなさいませ、ご主人様。こちらへどうぞ。」
「こちらオムライスになります。ごゆっくりどうぞ」
清楚が売りの大和撫子田口さん。
田口さんにのみ長いスカートが配布されていて、立案者曰く「長いスカートはぐっちしか似合わない」
だそうだ。全くその通りである。
「お帰りなさいませ、ご主人様!」
「えへへ♪、ケチャップちょっと失敗しちゃいましたぁ」
もはや可愛いの暴力と言っていいほどの可愛さを追求した相田。接客はしっかりしていてたまに計算されたドジっ子スキルを出してくる稼ぎ頭だ。
「お、お帰りなさいませ。ご、ご主人様」
「別に貴方のためにやってる訳じゃないんですから。勘違いしないで下さい」
図書委員だからという理由により伊達眼鏡をかけさせられた文学ツンデレメイドの金澤。
こういうことが慣れていないためか赤面しながら恥ずかしそうに接客しているのが客に受けているらしく地味にファンの心を掴んでいる。DTをターゲットにしたメイドでやらされているらしい。
「ふーんこんな所来てそんなに女の子におもてなしがされたいの?突っ立ってられると邪魔だからさ、早くその辺座ってよ」
「これでも食べて精々メイド達をエロい目で見てればいいのよ。ほんとお似合いよその姿。あははっ」
最後は海野、こいつは、うん。なんか違う店みたいになってる。
基本メイドなのに敬語無しだしほぼタメ口で接客は毒舌。SM嬢みたいになっている。
なぜかこのスタンスがいいらしく罵られに来る客が後を絶たない。この学校意外とMが多いのだ。
え?俺はどうなんだって?様々な男を相手にしてもう頭がおかしくなりそうだよ。
やっと客の足並みが落ち着いてきたので休憩に入る。
圭とは休憩が被ってないし1人か。
「仕方ない適当に周るか」
こうして周っているとどのクラスも力を入れてるのが良く分かる。
お化け屋敷に本格的なお好み焼き屋・・・このお好み焼き屋確か浅井のクラスだったか良く見ると浅井がお好み焼きを作っている。
あぁあいつんの家お好み焼き屋だったっけそんな時浅井と目が合う
「そこにいる可愛いお嬢さん!」
周りを見渡すがそこには俺1人
「君だお嬢さん。どうだいお好み焼きサービスするから食べていかないか!」
俺か!てか気付いていないのか俺だって事に。こいつ完全に勘違いしてるな、まぁくれるっていうんだし貰っとくか
「えぇ、良いんですかぁ?いただきますぅ」
精一杯の高い声で返事をする
「ははっ、声まで可愛らしいですねお嬢さん」
まじでかこいつ!
お好み焼きを食べ浅井の元を後にして移動する因みにめちゃくちゃ上手かった
校内に戻り飲食用の空き教室に入り椅子に座りお茶を飲んでいると良く知っている声が聞こえた
メイド姿の相田だ、周りには他クラスの女子2人と一緒にいた
「ねぇまな、あんたがお熱のイケメンとどうなの?」
「はぁ何よ急に。」
「あんたにしては今度のは時間かけてるわよね~」
「いつもみたいに早く落としちゃいなよ、流石に慎重すぎない?」
「学年一のイケメンよ?慎重にもなるわよ」
「スタイルいいし美人なんだから絶対上手くいくって」
そーそーともう片方も頷く
「まぁ見てなさいって直ぐに物にしてやるんだから」
そんな話をして友達2人はじゃねーっと言い教室を出て行った
いやー腹黒だとは聞いていたけどここまでとは。いつもの相田とはまるで雰囲気も話し方も別人だな
いわゆる猫かぶりってやつか
そろそろ戻ろうと俺も席を立つ
「二宮君」
後ろから相田に呼び止められる。あぁめんどくさい
「気付いてたんだ」
「そんな格好で教室に入ってきたら嫌でも気付くっての」
「それよりあんた今見たこと聞いたこと全部忘れなさい無理なら死んでくれる?」
「そんな無茶な」
くいっと指でこっちに来いと指示されたので対面で座る
「あんな猫被ってないで素の自分を見せたほうが悠一には良いんじゃないか?」
「今更そんなこと出来る?周りの女子からも猫被ってたってばれておしまいよ」
「あんたに悠一君と仲良いわよね、色々手伝って貰おうかしら」
「丁重にお断りさせて頂きます」
「でないとあんたに変な事されたって妹に言うわよ」
「手伝わせて下さい!」
「よろしい、で取り合えずなんだけど。まだ何にもしなくていいわ必要になったらこっちから頼むから」
はいはいと返事をして2人で自分のクラスに戻る
また仕事に戻り接客をしていると金澤に指摘される
「二宮、あんた笑顔が下手ねそれじゃあ可愛くないわよ?」
笑顔が下手とかお前には言われたくねぇ
「確かに下手だね、よし私が特訓してあげる」
ここで猫かぶりの相田が乱入してくる
裏に行き相田からレクチャーを受ける
「あんたの笑顔は気持ち悪いのよ」
「喧嘩売ってんのかこら」
「いらしゃいませー」
あら良い笑顔
「こんな感じでやってみなさい」
既に猫モード解除されている
「いらしゃいませー」
満面の笑顔をだす
「ごめん間違ってた・・・」
「何がだ?」
「笑顔とかそれ以前に、顔そのものが気持ち悪くて・・・」
「本気でキレるぞ」
「そんなに酷い?」
「言いにくいけどゲロ以下よ」
言いにくいとはいったい・・・
「顔の出来は関係ないだろう接客には!」
「おおありよ、私イケメンじゃないとやる気でないし」
「くそ、黙って聞いてれば・・・」
「何か私に言えるとでも?」
「全然悠一に相手にされてない負け犬のくせに・・・」
ピキィィィィィ相田がキレた音がした
「相田さーん、二宮はどう・・・」
様子を見に金澤さんがやってくるがそこに映っていた光景は俺が何重にも重ねられたグラスを両手に持っている地獄絵図だった
「え、何やってんの?」
軽く引きぎみで質問してくる
「二宮君がこれくらいじゃないと練習にならないっていうから・・・」
「んなこと言ってないんだけどぉ!」
「聞いてくれ金澤、FB相田が酷いんだ!」
「FB?」
「ファッキンビッチの略だけど?」
「うん、お互い様みたいね」
結局グラスを落とし床の掃除をさせらる羽目に
「手伝うよ」
そこに現れたのが悠一だ
「悠一、今お前が神に見えるよ」
「はは、大袈裟だな」
バーンとドアを足で蹴り開け相田が帰ってきた
「蛆虫掃除終わった?」
相田の顔をジーっと見る
「何よ?蹴るわよ?」
「くずの顔はほっとするなぁ」
「ぶち殺すわよ♪」
「お疲れ真奈美」
「え!?悠一君?」
「まさか掃除手伝ってくれてたの?」
「丁度休憩時間だからね」
「本当優しいよね悠一君」
「練習疲れてないか?俺飲み物とって来るよ」
そういうと空き教室から出て行く悠一
「いい奴だな」
「いい人なのよ」
「しかもイケメン!」
確かに
「お前って凄い見た目を気にしてるんだな」
「当たり前じゃない、可愛く見られたいもの」
「誰もお前のことはブスだとは言わないだろうな」
「ふーん・・・」
「まぁ当然じゃない?」
「もしブスだと言う奴にはこう言ってやれ」
「ブスなのは心のほうだと」
「ようし表でろ。戦争だ」
「お前本当に悠一が好きなんだな」
「悪い?」
「悪いって言うか・・・深刻な心の貧富格差がな・・・」
「はぁ!」
「分不相応にも程があるぞ」
「お似合いだし!」
「てかマジなのよ悠一君は。本気で好みの顔なの
だからあんたが邪魔するってんなら・・・」
「もっと悪質な嫌がらせでもする気か?上等だ」
「オマエヲコロス」
飾り気の無い直球表現が一番怖い
練習が終わりいよいよ接客に戻ると会長が来ていて悠一が接客をしていた
ちっ!
後ろから舌打ちが聞こえた
「ちょっと来なさい」
裏まで引っ張られる
「会長と比べてどう?」
「どう?とは?」
「会長に私負けてないわよね?」
「あぁ、そういう事か。惨敗だ」
首を横にふり負けを認めろと諭す
「惨敗なわけないでしょう!精々引き分けでしょう!」
はぁ力の差が分からないのか
「分かりやすく例えると俺と悠一位の差がある」
言ってて悲しくなってきた・・・
「初回コールド負けじゃない!!」
見るからに落ち込んでらっしゃる
「カナちゃんこっちお願いできるー?」
呼ばれたのでそっちを手伝いに行く、そして相田が会長の接客に行くため悠一と交代する
「お待たせしました」
「あら、可愛い子がきたのね?あと似合ってるわよ」
どーもと心のこもってない感謝を述べる
「彼。いい男ね、さぞモテるでしょうね」
「悠一君ですか?ええモテまくりです」
「そう、もったいないわね。」
「何がです?」
「彼さっき奏汰の事を色々聞いてきたわ、彼女いるのかとか」
「何でそんなこと?」
「奏汰の気になってたみたいよ、凄い魅力的な奴だって言ってたわ」
え?え?何?
「それってどうゆう・・・」
「そういう事でしょ?良かったわイケメンからモテて。おめでとうと言いたいわ」
「あれだけのイケメンで一向に恋人を作らないのは気になっていたけれどまさかそっちだったとはね」
「まぁ恋愛感は人それぞれだしとやかく言うつもりは無いけれど以外だったわ今日一の驚きね」
頭が真っ白なって会長の話がほとんど頭に入ってこない
悠一君て・・・そっちなのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
何かの間違いよ!そうに決まってる!
「悠一君」
「真奈美?どうした?」
「悠一君、会長の事どう思う?」
「綺麗な方だよね」
「弓道部の田口さんは?」
「可愛らしいよね」
「二宮君は?」
「・・・素敵だと、思うよ」
何故そこで赤面するの悠一君・・・
「おーい、どうだ相田?悠一とは」
「二宮・・・理由は言えないけど、今日からあんたを今までの3倍苛めるから」
正座させられずっしりとレンガを足に積まされて最後に水を被せられる
「俺の知らないところで何があったんだ」
前々から悠一と相田の話を書きたくてここでぶち込みました。
学祭も後編に入って行きたいと思います。
それではよしなに




