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Episode 5 : 魔法の授業と予知夢。




地面が割れて、空は真っ赤に輝いて、周囲はすべて炎に包まれた。

火は崩れ落ちる家々、倒れた丸太、そして地面に残されたわずかな草にまで広がった。


人々は叫び声を上げ、混乱が巻き起こった。誰もがこの地獄のような光景から逃げ出したかった。ある者は本能的に群衆のいる方向へ走り、またある者は賭けのように反対方向へ走った。

この〝喧騒〟の中で、二人の人影だけは微動だにせず、静かに地面に座り込んだ。この大惨事の中心と思われる場所に座っていた。


一人はやや長く紫色の髪の男だった。彼の腕は肩までの長さのピンクブラウンの髪の女をしっかりと抱きしめていた。


ああ!うちのお父様とお母様だ!



お父様は悲しそうな表情でお母様を見下ろした。いや、泣いていた。炎の反射を受けて、涙の跡が次々と、明滅するように輝き出した。

お母様は少しふらつきながら左手を上げてお父様の頬に触れた。〝自分を責めないで〟と言わんばかりに、優しく微笑んだ。




待て、あの微笑みはお母様の本当の心からの笑みだァ!長年の天使一番ヒロインお母様のガチファンとしての経験から、それは断言できる。

あぁ、あの微笑みは完璧だった。そろそろ痙攣を起こして、口から泡を吹くことになれそう!ダメ、冷静でいなければ。この一生に一度のチャンスを逃すわけにはいかない。脳のすべての細胞に刻み込まなければ。。。。ん?なぜまだ何も感じないんだ?震えもしていないし、視界も悪くなっていないし、息苦しさも感じていない、ハァハァもしない。ああ、分かった。これは夢だ。


これがいわゆる明晰夢と呼ばれるものだ。前世では、この現象をかなり頻繁に経験していた。少しがっかりするかもしれないが、それはあなた方(経験したこともない人)が想像するほど詩的なものではないかもよ。


明晰夢では、通常、自分の...いや、もうやめよう。いつものように感情に流されて、話が脱線してしまってると、20分もかかってしまう。



両親の観察に戻ろう。時間は少しも流れていないようだ。そう、これも明晰夢の基本的なメカニズムだ。思考状態に入ると、夢の中の出来事の時間が止まる。



もう一つ注目すべき点は、お母様の目です。毎日見ている目のように生気のない空虚な目ではない。生命力に満ち、希望に満ちていた。


その美しい目玉は輝き、青かった。


サファイアのような青、いや、もう少し明るかった。空のような青、そうでもない、もう少し濃い色をしていた。


どう表現すればいいのかわからないので、16進数カラーコードで表現してみよう。光光が反射しない部分は〝#3A93B4〟の色です、そして光を反射する部分は〝#DCFAF0〟です。



神作!


あんなに近くでお母様の顔を見ても気絶しないなんて、お父様は本当にすごいだ。さすがお父様!



穢れを浄化する笑顔、印象的な青い瞳、風になびくピンクブラウンの髪。

これがお母様の最終形態です。

力を使わずに王国最強の騎士を瞬殺できると確信しています。

絵本のイラストでよく見かける氷竜さえも倒せるでしょう。氷竜……ん、待て。お母様の瞳の色は、あの氷竜の瞳の色に似ているような。



ゴホン、両親の悲劇的な場面に戻りましょう。母は父の腕の中に横たわり、長いピンクのドレスから染み出した血で覆われていました。しかし、ドレスに、長い破れ目などは見当たりませんでした。遠目に見ると、はほとんどそのままの状態で残っているように見える。あの血痕は、何かの刺し傷によるものだろうか?それとも魔法の攻撃の影響で内傷したのだろうか?




お父様はお母様に感情を込めて何かを叫び、お母様は小さくて可愛らしい口で優しく答えた。なぜか、二人の会話の内容は聞き取れなかったが、周りの逃げ惑う群衆の必死の叫び声ははっきりと聞こえた。



突然、お母様の目がゆっくりと閉じた。お父様の頬に触れようと上げた腕も、唐突に力なく落ちた。


お父様はさらに大きな声で泣き、まるで洪水のように涙が溢れ出した。肩を乱暴に揺さぶり、必死になってお母様を起こそうとした。


けど、ずっと返事がない。




しばらくして、お父様は泣き止んだ。

お母様から視線を外し、憎しみに満ちた目でまっすぐ前を見つめた。


私の方を見ている?いや、私は語り手なので、たまたまこの位置に立っていただけだ。


父はそちらの方向を見ながら叫んだ。甲高い叫び声は、すべてを失ったと感じている生き物から発せられた、恨みに満ちたものだった。



そして、私の視界は真っ暗になった。




=✠=✠=✠=✠=✠=✠=✠=✠=



「今の夢は何んだ?」


夢から覚めると、その夢を完璧に覚えていた。


使用人たちはまだ到着していなかったので、まだかなり早い時間らしい。



もしこれが前の世界だったら、私はただ笑って、その夢は一日180分以上もお母様天使を過剰摂取したことによる副作用だと考えていただろう。


ほら、人間や動物は日中に何かを考えすぎると、寝るときに必ずそのことを夢に見ます。そして脳はそれを、最も好む超現実的な文脈に置きます。ホラー好きの人は拷問や殺人の夢を見ることが多い。学校でトラウマを経験した人は教室の場面の夢を見ることが多い。生き残ることに執着している人は必ず追跡、逃走、隠れる夢を見ることが多い。しかし結局のところ、主な焦点は、その日にあの人が興味を持っている事柄に置かれる。




しかし、今の世界は魔法と神秘の世界なので、それを予知夢だと考えています。


問題は、それが過去の夢なのか未来の夢なのかということです。



明晰夢の状態では、夢の中でも普通に考えたり移動したりできますが、多くの人が過大評価しているのとは違って、それほど完璧ではありません。


当時、私はいつも普通に考えていると思い込んでいて、現実世界でもそのように考えています。ですが。目が覚めてよく考えてみると、明晰夢の中での自分の思考は非常に奇妙に感じた。


例えば、夢の中で見た両親の顔が、今より若いのか年老いているのか分からなかった。だから、火の海の悲劇が過去に起こったのか未来に起こったのかも分からなかった。




次に、夢の中で、お母様の目の色が氷竜の目のようだったと話した。しかし、目が覚めて頭がすっきりした今、それが間違いだと気づいた。


氷竜の目はサファイアの色、かなり濃い青色だが、全身が白い鱗で覆われていて、特に目の周りが白いので、全身を見ると目が少し薄い青色に見えるのだ。そう、そういうことだ。あの忌まわしい生き物が、お母様と同じ色の目を持っているはずがない。



要するに、言いたいのは、明晰夢の状態では、しばしば奇妙な行動をとったり、奇妙な考え方をしたりするということだ。現実世界と同じように、自分の体を自由に操っていると思い込んでしまうのだ。しかし実際には、それはまるでゲームでキャラクターを操作するようなもので、常に開発者のたくさんルールによって制限されています。


たぶん、明晰夢の状態において私たちの思考が退化してしまうのは、睡眠中、脳の一部が停止したり休息状態に入ったりしているためであり、その結果、論理的で一貫した思考を再現できなくなるからだと考えられます。



考え事にふけっていると、メイドさんがやって来て、朝の支度を手伝おうとしてくれた。


ちょっとだめ!長年のルーシッド(明晰夢の)・ドリーマー(入居者)経験から、目覚めてすぐに夢の内容を書き留めなければ、2時間も経たないうちにすべて忘れてしまうことを知っていた。なので、メイドさんを無視して、急いでペンと紙を取り、覚えていることをすべて書き留めていた。





=✠=✠=✠=✠=✠=✠=✠=✠=




今日は魔法を学ぶ初日です。伝統に従い、魔法の鑑定式の数日後、貴族の家系は子供たちの訓練のために魔法の専門家を雇います。



自分の属性を知る前に魔法を使おうとするのは愚かな行為とみなされます。


場合によっては、魔法を永久に使えなくなることもあります。驚くべきことに、これは騎士たちでは非常に一般的で、平民出身の騎士の間でよく見られます。騎士を目指す子供たちは、自分に過信しがちのようです。そして、幼い頃から魔法を使えるようになりたいという強い願望を抱き、結局は失敗して自分の魔法の能力を完全に失ってしまうのです。


なに?もっと深い話があると思ってるの?

〈はい〉。

それなら、おそらくそうでしょう。でも、他に思いつくことはありません。ということで、これが私の公式の結論です。



要するに、10歳になる前には教材はいくらでもありますが、一般的には子供に魔法を早くから練習させるリスクは冒さないということです。ほぼ。ほぼ?ねえ、もしかしてエティエンヌの一族は子供たちに幼い頃から土魔法を練習させていたのかしら?そして……いや、もう考えるのはやめよう。


あの前、魔法の鑑定の件だけど、私が四つの基本属性を持っていたのに誰も熱心じゃなかったから、ちょっと腹が立った。そしたら、ある男の子が闇属性を持っていたとある女の子が雷属性を持っていた時に、ホール全体が驚きの声に包まれたのよ。くぅぅぅぅ、その時、私はハンカチを噛み、手足をばたつかせ、床を転げ回って怒ったわ。エティエンヌはそばに立って、私を見て大笑いしていた。




この世界の属性の話は、とんでもなく雑ガばガバなのです。


四つの基本属性の他に、あと四つのレア属性がある:光、闇、雷、聖。


氷属性がここに出てこないのはなぜ?


人々は氷が属性じゃないって言われてる。多くの魔術師が氷魔法を使ってきたが、その属性を鑑定しても特に異常な点は記録されていない。


そしてどういうわけか、氷に関する資料は極めて曖昧だ。しかし、それを完全に隠そうとしていたわけではないようだ。単に、この種の魔法を使った魔術師に関する情報や、魔法の仕組み、再現方法など、多くの情報を省略しただけなのです。


誰もが知っている数少ない情報は、それらの魔術師全員が水の属性を持っていたということだけです。



ですが、それでも私はこれを非常にガバガバだと思う。

なぜ氷の属性は存在せず、雷の属性が存在するの?基本的な属性から氷を作れるのなら、雷も作れるはずではないか?


それから、光属性と聖属性もあります?この2つは基本的に同じものなのでしょうか?どちらも回復能力、強化能力、あるいはそれに類するものですよね。違ったら、光属性を持つものはただの移動式LEDライトで、回復能力は一切ないということでしょうか?




=✠=✠=✠=✠=✠=✠=✠=✠=



魔法授業はとてもスムーズに進んだ。おそらく、私が才能に恵まれているからです。


前世を振り返ると、才能は重要ではないと言う人をたくさん耳にしてきました。しかし、私はいつも彼らに反対していました。才能がなければどれほど難しいかを知っているからです。


才能の価値を疑う人たちの視点からすると、人の成功は〝その分野への興味と情熱、そしてそれに費やす時間〟にかかっていると主張します。


例えば、子供が数学が苦手なのは、幼い頃から数学が嫌いだったり、退屈だと感じて最初から基礎を軽視していたからだというのです。そのため、その子供が数学で優秀な成績を収めるのはますます難しくなるでしょう。



このような理屈で、彼らは十分な努力をすれば必ず成功すると信じています。ある分野で極端に苦手で、どれだけ努力しても成功できないのは、単にその分野を精神的に軽視し、挑戦するたびに嫌悪感を抱いているからだというのです。




私自身は、常に自分には才能がないと信じてきました。私が経験したすべての失敗は、才能の欠如によるものです。しかし、それを理解するためには、〝才能とは本質的に何を意味するのか〟をしっかりと理解する必要があります。


そして今日、初めて魔法を使った時に答えが分かりました。

魔法の先生の指示に従いました。魔法陣の基本的なパターンを暗記し、頭の中でイメージしました。手のひらに基本的な魔法陣を作り、そこに魔力を注ぎ込み、魔法陣を活性化させて呪文を発動しました。


間違いは一切なく、努力も必要ありませんでした。先生の言った通りにしただけ。そして、うまくいきました。


私の体はまるで事前に何をすべきかを知っていたかのように、命令を受けた瞬間に機械のように動きました。頭の中で魔法陣をイメージした途端、体ができるかどうかに関わらず反応しました。これは感覚や推測ではなく、実際に何ができるかを教えてくれたのです。


素晴らしい気分ですゥ。これは才能です。基本を学ぶために何度も挑戦して失敗する必要はありません。成功する能力を疑ったり、新しいことに挑戦することをためらったりする必要もありません。「諦めずに頑張ればできる」といった言葉で自分を励まし続ける必要もありません。なぜなら、やれば必ず成功すると分かっているからです~♪...




=✠=✠=✠=✠=✠=✠=✠=✠=




=✠=✠=✠=✠=✠=✠=✠=✠=



〈おい! アデレードちゃん、どこに行ってたんだ?物語の終わり方があまりにもあっけなかったじゃないか!!〉


....


完。


〈〝完。〟じゃない!何をしているんだ?!〉





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