春のある日
新章、突入です!
春のある日。
1人の女子高生が駅前を歩いていた。
夕方の駅前は騒がしい。
観光客、学生、サラリーマン、主婦。様々な人が行きかう。
女子高生はそのあいだをすり抜けていく。
その時、突然腕をつかまれた。
「ちょ……っ!」
ウエキセンカは、保安隊時代に習った護身術のようなもので乱暴に腕を振った。が、手はなれない。
「ちょっと……!」
ふと相手の顔を見ると、それはかつて命を助けた人間だった。
「ユウキ……?」
「よぉ!」
「って、なんであんたがここにいるの?あんたの高校って東京でしょ?」
センカは腕をつかまれたまま、ひそひそと怒鳴った。
「その恰好……ここじゃ見慣れなくて浮くよ。第一私たち、結構顔が割れてるんだから、あんまり目立つことしないでよ。」
「ええっ、どっからどう見ても高校生じゃん。」
アサヒユウキは、ブレザーをしげしげと眺めた。
「小型の宇宙レーザー銃持ち歩いてる高校生がいるわけないでしょう?」
膨らんだポケットをつっつきながら、センカは頬を膨らませた。
「とにかく、ここだと目立つから……。」
センカはあたりを見回す。すでに2,3人ほどが立ち止ってこちらを見ていた。
「ああ、わかった。」
ユウキは急に真剣な目つきをした。
「お前に話があるんだ。」
センカは少し黙る。
「じゃあ、あそこのファミレス。」
センカは駅ビルを指さす。
「母親に『昔の仲間が現れておごってくれるらしいから夕飯いらない』って電話しなきゃ。」
「え?おごるの?」
「おごってよ!命助けたの誰だと思ってるの?」
「メカにとどめを刺したのは僕だよね?ね?」
高校生は駅前を笑いながら通り抜けていった。




