白い星
「この辺りは浮遊物が多い。細かい岩石が漂っているんだ。」
「じゃあここは避けたほうがいいな。」
「ああ、そのほうがいい。」
「でも、この辺りはメカをまくのにいい場所なんだ。」
トウキとショウタ、ユウキとカズマの4人は、宙図とにらめっこしていた。
「とにかく、ユウキとカズマに教えてもらった昨日のルートでいく。よろしくな。」
「任せておけ!」
カズマとユウキが自分のゼロに向かった。トウキは宙図を映していたタブレットのなめらかな表面を撫でて、画面を暗くした。
「じゃあ、出発だ。」
「ああ。」
ショウタの肩を叩いて、トウキもゼロに乗りこんだ。ショウタはトーチカの入り口に立つ4人のほうへ向かった。
「コウスケ、リンカ。頼んだ。」
「任せておけ。昨日問題になったシャワーの水圧なおしておくよ。」
「お陰さまで、アスのデータを整理できるわ。」
2人は相変わらずのマッドサイエンティストぶりを見せつけて、少し笑った。
「なるべくいい報告ができるといいが……。」
ショウタは顔を背けた。アスの砂嵐が目に入ってきたようだった。
「無事な帰還をお待ちしています。」
リンカはそう言って、ショウタの肩を叩く。
「あの2人は任せて。」
「ありがとう。じゃ。」
8機のゼロは、移民星キノスラ周辺を、メカに警戒しながら飛んでいた。
キノスラは、アスと同じ太陽系外縁部に分布する小惑星や準惑星にできた人類の移民先の1つだった。キノスラは氷が多く存在する、比較的寒い星だった。ここに集まった移民たちの多くは、北欧やロシア、カナダなど北極に近い若者たちだった。
ちなみに、その頃の宇宙移民は、年代に大きな偏りがあった。宇宙は厳しい環境であったため、必然的に若くて独り身の若者が集まった。家族単位で辺境の星に移民してくるものなど稀であった。このキノスラも、氷と戦いながら農地を拡大し、自給自足をめざすために、独り身の若者ばかり集まっていた。
「チームゼロ、チームゼロ。こちらウエキ。キノスラの滑走路に着陸後は作戦通り行きます。」
「了解。」
「ラジャー。」
相変わらずのバラバラな返事に、キノスラ調査救出作戦の責任者、センカは少しだけ笑った。
すぐに顔を引き締めて、ゼロを難なく着陸させる。すぐにコックピットから飛び出した。
「ウエキ、ハシモト、第二環境コントロールセンターに行きます!」
ショウタが銃を構えながら街に向かって走る。
「ニシオカ、オオノ。市街地に救助に向かいます。」
「ニイムラ、スギヤマ、同じく市街地に行きます。」
「ラジャー。」
センカは瓦礫の中を走って行く。
「ユウキ、カズマ?」
「センカ、俺たちは第一環境コントロールセンターに向かってる。」
「了解。随時報告お願いします。アルテミスケノン、アルテミスケノンベースキャンプ。応答願います。」
「はい、こちらツツイ。小型通信衛星のおかげで、アルテミスケノンからキノスラ付近の索敵が可能になった。随時連絡をする。」
少年少女たちは、白い砂が舞い上がる街へ飛び出していった。
「こちらアサヒ。第一環境コントロールセンターに到着。」
「こちらアルテミスケノンのシイナ。第一環境コントロールセンターの状況は?」
「ひどい……。ひどく壊されている。」
「こちらクラモト。予備電源が生きている。これをつなげば、可能性はあるぞ。」
「了解。作業を始めてくれ。オーバー。」
「だそうだ。」
通信を聞きながら、ショウタはつぶやいた。
「第二も覚悟したほうがいいかもな。」
「まだわからないでしょ。」
センカは走り抜けながら、ショウタを睨む。
「次の角を曲がれば、第二環境コントロールセンターよ。」
「ああ。よし、いったん止まろう。」
2人は街角でとまり、息を合わせて銃を構える。
「メカの反応なし。」
「行くぞ!」
目の前には、原形を保ちつつも、崩れかかった建物が待ち構えていた。
更新が大幅に遅れてしまい、申し訳ありません。
これでは完結はまだまだ先ですね・・・。




