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太陽の子供たち ~宇宙に進出した地球人の物語~  作者: さうざん
【高校生編】太陽系辺境防衛戦争
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砂の中の邂逅


センカはコックピットから飛び降りた。必死だった。


土煙のなか、さっきの人影がゆっくりと身を起こすのが見えた。


「生きてる!」


センカはそうつぶやいた。近づこうとしたその時、人影が何かをこちらに向けた。





土煙がすーっとひいて、一気に世界が透明になった。宇宙服を着た人が、こちらにむかって銃を構えていた。


「えっ……。」


センカは近づけなかった。ヘルメットの向こうには、敵を殺す覚悟を決めた者の目が、強くこちらを見つめていた。一瞬目があったと思った瞬間、銃声がなった。









宇宙レーザー銃から発したレーザー光線は、センカの首の横すれすれを正確に射抜いた。その光は、センカの後ろで機関銃を動かしかけていた燃え盛るメカのコアを、正確に射抜いていた。たちまちメカが爆発し、火柱が上がった。


ショウタは自分のゼロの前で、それをすべて見ていた。センカは確かにメカを撃ち落としたが、コアまでは射抜けていなかった。そのため、メカが最後の力を振り絞って攻撃しようとしたのである。


「あいつ、すべて見抜いていた。そしてあの距離、あの場所から、センカのほぼ真後ろにあったコアを撃ち落とした・・・・・・。」


ショウタは我に返って、走り出した。


「センカ!」


「連絡お願い。生存者1人発見。」


「わかった。」


ショウタが耳元の通信機に手をかけたとき、丘のほうからはつらつとした声がした。


「いいや、4人だよ。」


見ると、宇宙服を着た背の高い人と、少し背の低い宇宙服の子が2人、防空壕から出てきたところだった。


「戦闘の音がしたが、無事だったか?」


「ああ、心配ない。」


のびやかな若い男の声だった。


「お兄ちゃん!」


「ああ、ミノリ。俺は大丈夫だ。」


ヘルメットの向こうで、さっきの目がほほ笑んだ。それからセンカとショウタのほうを向いた。


「君たちには、日本語が通じるね。」


ヘルメットの前にかかっている、遮光グラスを上にどけながら、その人は言った。


「僕は移民星アスのアサヒユウキ。君たちと同じ、ゼロのパイロットだ。」









センカは、大きく息を吸い込んだ。胸が張り裂けそうだった。


「国連宇宙防衛軍、戦艦オリオン アルテミスケノンベースキャンプ 戦略担当 ウエキセンカです。あなたたちを、助けに来ました。」


「同じく、アルテミスケノンベースキャンプ 代表兼戦術担当 ハシモトショウタ。ほかにもチームゼロのメンバーがこの星に来ている。今は市街地の調査にあたっている。」


「ああ、チームゼロの人たちか。」


ユウキは少し目を細めた。


「俺はクラモトカズマ。同じくゼロのパイロットだ。こっちは俺の妹のクラモトミズキ。その隣が、ユウキの妹のアサヒミノリだ。よろしくな。」


すこし低いがはつらつとした声の青年が手を差し出した。


「よろしくな。」


ショウタがそれに応じた。一陣の風が吹き、砂が星のようにキラキラ光りながら舞い上がった。








「さっそくだが、健康状態はどう? どれくらい防空壕にいた?」


センカが聞いた。


「ざっと2週間だ。」


カズマが素早く返した。


「食料とかはあったが、ついに水が尽きてしまった。メカの攻撃がしつこくて外に出られなかったんだが、ついにユウキが外の井戸まで行って、水をとってくることになったんだ。だが送り出してすぐ、激しい戦闘の音が聞こえてきて、正直あきらめたよ。」


カズマはそう言って、センカのほうを見た。


「重力はちょっと弱まったが、空気は簡易小型空調システムがあったので確保できた。ただ、温かい食事の十分な飲み水がほしい。」


「わかった。ゼロにちょっと食料がある。暖かいとは言えないが。そこで休んでくれ。しかし困ったな。ゼロに乗せられるのはよくて2人。君たちを乗せるには、ほかのみんなを待たないと……。」


「俺たちのゼロがあるはずだ。」


「どこに?」


センカが身を乗り出した。


「南の格納庫だ。滑走路の近くの。攻撃を受けていなければ飛ばすことができる。それで、君たちのベースキャンプに保護してもらえないかな?」


「リーダー。どう?」


「スペースは少し狭いし、ちょっとごたごたしているが、食料も水も十分ある。生存者はアルテミスケノンにご招待しよう。」


ショウタはわざとらしく頭を下げた。


「ありがとう、ハシモト少佐。」


「少佐はやめてくれ。ショウタでいいよ。確か同じ年のはずだ。」










6人は荒っぽく着陸したままのゼロに向かって歩き出した。


「ウエキ少佐、いやセンカさん。」


ユウキが声をかけた。


「センカでいいよ。」


「じゃあ、センカ。宇宙服についている計測機を見ると、重力制御システムと空調システムが正常に作動していないのが明白だ。さらに、2週間前のメカ襲撃の激しさや、その後もたびたびメカが襲っているとなると、生存者の存在は正直絶望的なのは目に見えてわかる。」


センカは黙りこくった。


「聞くのが正直つらいが、生存者は・・・・・・?」


「残念ながら、まだ発見されていない。しかしまだ調査は始まったばかり。案外地下の防空壕にこもってみんな無事かもしれない。」


ショウタが代わりに答えた。


「僕たちはアスについてあまり情報を持っていない。ほかのみんなに教えたいので、防空壕などの位置を教えてほしい。」


「どの家も、もしメカの攻撃があったら、地下室に逃げることになっている。住宅の地下室を調べてみてほしい。外にいる場合は近くの防空壕。広場や空き地のほか、農場にもあった。しかし農場にいたのは僕たちだけのはず。星の寄り合いがあったから、一番多いのは、メインコンピューターセンターのはずだ。あそこがこの星で一番安全な場所だ。」


「了解。」


ショウタは通信機を出す。


「こちらハシモト。住宅の地下室、広場や空き地の防空壕、メインコンピューターセンターを中心に捜索してくれ。」


だが、通信機は無情な事実を伝えた。






「こちら、ツツイ。メインコンピューターセンターとおぼしき建物の調査完了しました。激しい攻撃があったらしく、重力制御システムは生きていましたが、空調システムはだめです。きちんとした部品がないと、再起動は難しいかと。それから・・・・・生存者は発見できず。現在83人分の遺体を確認。遺体は100を超えるかと思われます。」




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