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Project Alpheos(プロジェクト・アルフィオス) ~あなたのリクエストで星の未来を取り戻せ~  作者: だしのもと
Project Alpheos 体験ミニストーリー(星レベル10~

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【レッサーパンダ=コーギーちゃん?】

※挿絵はAIイラストを使用しています

「……丸い! 顔が丸すぎてかわいい……!」


 目の前に現れた生き物に、キララの目も丸くなった。

 レッサーパンダだ。

 図鑑で見たことはあったけれど、本物は思っていたより小さくて、思っていたよりずっと毛がふわふわで、思っていたより顔が、とにかく丸かった。


「あっ、このリンゴ食べるかな?」


挿絵(By みてみん)


 飼育員からもらったリンゴを差し出すと、レッサーパンダが口で受け取り、そのあと両手でリンゴを持った。

 その瞬間、キララの思考が止まった。


「ちっちゃい手で持った……!!」


 もぐもぐと食べる様子を、呼吸を忘れて見つめる。

 小さな顎が一生懸命動いて、耳がぴこぴこする。

 そして、しましまのしっぽがふわりと揺れた。

 どこを見ても情報量が多すぎて、目が足りない。

 食べ終わったと思ったら、今度はふと立ち上がった。

 二本足で、まんまるのお腹を見せて、くりくりの目でこちらをじっと見ている。


「え、立った……!?」


 その顔を見た瞬間、キララはぴんときた。


(……コーギーちゃんに似てる)


 この愛嬌と、この佇まい。

 くりくりの目も、ぺたっとした感じも、どこか重なる。

 体格は全然違うのに、漂っている空気がどことなく同じだった。

 のんびりしていて、愛らしくて、でも自分のペースをちゃんと持っている感じ。


(コーギーちゃんも、りんご持ったら立つのかな?)


 帰ったら絶対試してみよう。

 そう決意した瞬間、レッサーパンダはくるりと背を向けてとことこ去っていった。


「行っちゃった……」


 まんまるのしっぽが木の影に消えていく。

 名残惜しいけれど、頭の中はもう次の実験のことでいっぱいだった。


_________________



 帰り道、キララはスーパーでりんごを一個買った。

 玄関を開けるなり、コーギーちゃんがのそりと顔を出した。


「おかえりー」


「コーギーちゃん! ちょっと試したいことがあるんだけど」


「ん? なになに」


 キララはりんごをそのまま差し出した。

 コーギーちゃんが首を傾ける。


「……りんご?」


「うん! 両手で持ってほしいんだ」


「両手で?」


「そう! こう、ぎゅってして、立って食べるの!」


 コーギーちゃんはりんごをじっと見て、それから自分の前足を見た。

 また、りんごを見た。


「……むりだよ」


「え」


「見てよほら! ボクの手足みじかいし、そもそも立てないし」


「あ~......」


 キララはコーギーちゃんの体型を改めて眺めた。

 胴が長くて、足が短い。

 りんごの大きさと、前足の長さを見比べると、確かに、どう考えても成立しなかった。


「そっかぁ……そうだよね」


「なんで立たせようとしたの」


「今日ね、動物園でレッサーパンダが両手でりんご持って食べてて、コーギーちゃんに似てるって思ったから、試してみたくて」


 コーギーちゃんはしばらくその言葉を噛みしめるような顔をした。


「……レッサーパンダに似てる」


「褒めてるよ!!」


「ふうん」


 怒っているのか、受け入れているのか、よくわからない顔だった。

 でもしっぽが、ゆっくりと左右に揺れていた。


「ねぇ。りんご、食べたい」


「あ、切るね!」


 キララは台所に駆け込んで、りんごを八等分にカットした。

 皮をむいて、お皿に並べて、戻ってくるとコーギーちゃんがお皿の前でお行儀よく待っていた。


「どうぞ」


 コーギーちゃんはひとつ口に含んで、もぐもぐと食べた。


「おいしい」


「よかった!」


 ちょうどそこへ、ピカルが部屋から出てきた。


「なにしてるんだ」


「実験」


「……何の」


「コーギーちゃんがレッサーパンダかどうかの確認」


 ピカルは二人を交互に見て、それから何も言わずに台所へ向かった。 

 おそらく『理解不能』という文字が頭に浮かんだからだろう。


 コーギーちゃんは二切れ目に手をつけながら、ふと顔を上げた。


「で、似てた?」


「可愛い所は一緒だった!」


 コーギーちゃんはふふ、と笑っていつものソファへ向かっていった。

 レッサーパンダがとことこ歩き去るときと、少しだけ似た背中だった。

リクエスト:


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