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Project Alpheos(プロジェクト・アルフィオス) ~あなたのリクエストで星の未来を取り戻せ~  作者: だしのもと
Project Alpheos 体験ミニストーリー(星レベル10~

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【過去の光、未来の光】

※挿絵はAIイラストを使用しています

「わあ……天井が、星空になった……!」


 照明が落ちた瞬間、キララが小さく息をのんだ。

 丸いドームいっぱいに、夜の星が静かに広がっていく。

 点が一つ、また一つと増えて、気づけば頭上のすべてが深い藍色に塗り替えられていた。


「本物とは違うけど……これはこれで、すごいな」


 隣でピカルも見上げたまま、感心したように呟く。

 星座の線が浮かび、解説の声とともに季節の空が移り変わる。

 春の大三角、夏の天の川、冬のオリオン——地球の人たちが長い時間をかけて名前をつけ、物語を重ねてきた星たちが、順番に姿を見せていった。


 アルフィオスの夜とは違う。

 あの星空は、もっと鋭く、もっと静かだった。

 けれど、暗闇の中で星を『知るために見せる』この場所は、どこか不思議で優しかった。

 遠いものを手元に引き寄せようとする、地球の人たちの不思議な誠実さ、とでも言うのだろうか。


「ねえお兄ちゃん、空を作っちゃうなんて、地球の人ってすごいね!」


「ああ。遠いものを、近くに感じてもらう工夫だ。……記録や再現は、ただ真似するだけじゃないんだな」


 キララは椅子に沈み込みながら、満天の星へ手を伸ばした。

 指先がドームの光をすり抜ける。

 触れられないのに、それでも伸ばしたくなるのは、なぜだろう。


挿絵(By みてみん)


「ねえ、アルフィオスも映ってたりして」


 ピカルは少しだけ目を細めた。


「どうだろうな。地球からの距離じゃ、観測できてるかどうかも怪しい」


「でもさ、もし映ってたら?」


「……そうだな」


 すぐには答えが出なかった。

 ドームの星たちが、ゆっくりと回り続ける。


「誰かがここで、俺たちの星を見上げてるかもしれない」


 キララはそのまま、星空に手を伸ばしたままでいた。

 美しく造られた輝く星たちを見上げながら、兄妹はしばらく、静かな宇宙を感じていた。


_________________


 プラネタリウムを出ると、外はもう夕暮れに差し掛かっていた。

 西の空がオレンジに染まり、その端に一番星がぽつりと光っている。

 キララは空を見上げながら、ゆっくり歩いた。


「ねえ、さっきの話」


「どれ」


「アルフィオスが見えてるかもしれないって。……本当にそう思う?」


 ピカルは少し間を置いてから、答えた。


「光の速さで届くなら、可能性はゼロじゃない。ただ、今ここに届いてる光は、ずっと昔に出発したものだ」


「どのくらい昔?」


「何百年も前、かもしれない」


 キララはそれを聞いて、少し黙った。

 歩道の石畳が、夕陽を受けてほんのり赤い。


「じゃあ、今のアルフィオスの光は、まだここに着いてないってこと?」


「そう考えると、そうなる」


「……なんか、不思議だね」


 キララは空の一番星をまた見上げた。

 あの光も、どこか遠い過去から旅をしてきたのだろうか。


「星って、見えてるのに、今じゃないんだね。もう変わってるかもしれない星を、みんな今だと思って見てる」


「そういうことになる」


「それって、ちょっと……さみしいような、でもきれいなような」


 ピカルは何も言わなかった。

 ただ、歩くペースが少しだけ緩やかになった。

 二人の影が、石畳の上で長く伸びている。

 キララはその影を踏みながら、またぽつりと言った。


「プラネタリウムの星も、本物の星も、どっちも今じゃない光なんだね。でも、どっちも本当にきれいだった」


「……ああ」


「お兄ちゃんは、どっちが好き?」


 ピカルは少し考えてから、前を向いたまま答えた。


「どちらも、同じくらい」


 キララはそれを聞いて、なんとなく笑った。

 理由はうまく言えなかったけれど、その答えが、今夜の空によく似合っていた気がした。


 一番星が、少しだけ明るくなった。

参加者リクエスト:ピカルとキララでプラネタリウム体験


お読みくださりありがとうございます!

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リクエスト企画の方は不定期で参加者様を募集してます。

Xで最新情報を投稿してますので、よかったらご覧ください。


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