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第25話:幕間・少年と少女のチャネリング

早めの更新出来ました。

今回は幕間です。ではどうぞ!

ここは笹の葉海岸の先の先、「竹取岬」の手前の砂浜。

藤達がいる所から10km離れた場所である。


そこに立っていた黒髪に赤目の少年が両手を広げて言った。

「神様でてこーい」

金髪に緑目の少女がそれに続く。

「神様でてこーい」

…何も起こらなかった。

金髪の少女が黒髪の少年を見る。

その視線に気がついた少年はニコッと笑い、それを続けた。少女もそれを見て少年と同じ言葉を発した。

「神様でてこーい」

「神様でてこーい」

…。

「神様でてこーい」

「神様でてこーい」

…。

「神様出てこねー」

「神様出てこねー」

……。

「神様お願ーい」


「神様お願ーい」


………。

「神様でてこーい」

…一向に何か起こる気配はなかった。

「…ぇ?」

少女は少年を小さな声で呼んだ。

「神様でてこーい!」

少年は気づかない。

「ねぇったら!」

少女はさっきより大きな声で少年を呼んだ。

「神様でてこーい…ってなに?」

やっと気がつく少年。

「…でてこないよ?」

少女は不満そうな顔で言った。

「今日は月の位置が悪いからね。たぶん無理だと思ってた。」


「…。」

少女は少年を睨んだ。

「怒るなよ、でも大丈夫。今度はでるから。」

「…ホント?」


「ああ、もちろんさ!」

「…嘘」

少女は目を細めて言った。

「僕は嘘ついたことないだろう?」


「…うん」

これは本当だった。

「じゃあこっちもバーベキューを始めよう。いっぱいくすねてきたからね。」

「…泥棒」

くすねようと言い出したのは黒髪の少年だった。

「気にしない気にしない。生徒会予算だし」


「…。」

少女はそういう問題じゃない。と思った。

「向こうにもまだいっぱいあるからね。」

「…。」


少女は何か言うのを諦めて肉と野菜が交互刺されている串をジュージューと焼き始めた。



少年は少女を見つめていたが、ふと空を見上げて呟いた。


「そう…また今度。ずっとずっと先…まだまだ…終わりの始まり…終わりが始まり…まだ道は繋がってない」

そして少年は少女にも聞こえないような声で

「…そのときには僕はもういないかもしれないけど」

その呟きは少女には届かなかった。

「…焼けたよ?」

少女は少年に串を渡す。


「ああ、食べよう食べよう。」

しかし少年がピタリと動きを止めた。

「…まだ生だよ?」

「…ボクのはまだ焼いてる」

少女は少年の問い掛けに興味を示さずに他の串を焼き続ける。

「さっき焼けたって…」

「…杏は生でいい。」

きょうと呼ばれた少年はため息をついた。

「怒ってる?」

「…。」

少女は答えない。

「ごめんよ?」

「…ダメ」

少女は杏の方を向かずに答えた。

「胡桃、ごめん」

「…ダメ」

胡桃くるみと呼ばれた少女はじっと焼き加減を見ている。

「…。」

杏はまたため息をついた。

「杏」

いきなり串を差し出された。

「…焼けたよ?」

胡桃は視線を変えずに言った。

「…ありがとう。」

だがまた杏はピタリと止まった。

「胡桃、これ…焦げてる。」

胡桃はそのままの視線でクスッと笑った。

物語には終わりがある。だけど続きもある。始まりもある。そのための話…。

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