第16話:藤春紅雨と夜の宴
夕食の話です…たぶん。
「あ〜私のエビフライ盗ったぁ!」
春の洋食弁当からエビフライを奪う。
「お前らのせいでブラックリストに載せられたんだ。ひとつくらいよこせ。」
「知らないよ!どうせデザートはカフェゼリーだ、とか店の中で大声で言ってたんでしょ!?」
「な、なんでそれを知ってるっ?」
「アハ☆私の家の近くのスーパーでもやったの覚えてないのかな?おかげで一時期そのスーパーに行けなくなったんだよ〜!」
「まぁそれは…とりあえず置いといて、うん、オムライス美味いなぁ!」
パクパクとデミグラスソースのかかっているオムライスを食べる僕。ついでにエビフライもしっかりと食べる。春があ〜と叫んでいる
「あ、ごまかしたぜ」
「そうね、ごまかしたわね」
ベットに座りながらボリュームトンカツ弁当を貪り食う秋雨とたらこパスタをスプーンとフォークを使い上品に食べる紅葉。コンビニのパスタでスプーンを使って食べる奴は初めてみた。ちなみにパスタの本場イタリアではスプーンは使わないらしい。
現在、友人3人とコンビニ弁当で夕食中。勉強机に僕、テーブルに春、ベットに秋雨、紅葉という配置だ。
「おい、ベットを汚すなよ。」
とりあえず言っておく。トンカツソースとたらこの臭いがするベットで寝るのはさすがに嫌だ。
「な〜んか、顔が痛いなぁ?なんかあったのかなぁ、全然思い出せないやぁ」
「それはお前が悪いん…」
「確か寝て…」
「秋雨!サラダ食うか!?豆腐とじゃこのサラダ!うまいぞ〜!」
とっさに僕の前にあるサラダを渡す。
マズい情報は消すに限る。
「お〜うめ〜ありがとうな!」
バリバリ食べ始める秋雨。畜生、新作サラダが…。
「しかし喉が乾いたな、下行って麦茶とってきていいか?」
「ん…麦茶ならここに、ってもう空か。僕行くよ?」
「いやいやいや!気にすんな!飯までゴチになってなにもしないわけにはいかないだろ?」
と、言って部屋から出ていった。
「おい誰もおごりなんて一言も…」
「おごり☆さすが藤ちゃん!ありがとう!」
「藤、男らしくなったじゃない!見直したわ!」
ちなみに上文が春、次が紅葉だ。畜生割り勘なんて言えない雰囲気だ。コイツら、本当に…。
「…今回だけな。」
また昼飯がおにぎり一個が続くのか、あれは幻覚を見るくらい腹が減る。母さんに弁当作ってもらおうかな?
「そいや春、何時まで寝てたんだ?」
「藤ちゃんが帰ってくる10分前くらいかな?とりあえず秋雨くんも起こしたの。秋雨くんも寝てたんだね?」
「あ、ああ、寝る子は育つからな、ハハ…。」
春が?って顔をしていたが説明はしなかった。とりあえず笑いを堪えている紅葉がムカついた。
「ほい、お待たせいたしました〜!冷たい冷たい麦茶ですよ〜!」
そう言って戻ってきた秋雨。
「わぁ〜麦茶頂戴!ちょ〜だい!」
春が子供のようにねだる。高校生には見えないな。
「はいはい、どうぞ〜!」
「わ〜い、いただきま〜す!」
ゴキュゴキュと麦茶を飲み干す、いい飲みっぷりだ!ビールのCMを思い出す。
「マズい!もう一杯!」
と言ってまた一つグラスに入った麦茶を飲み干す、僕と紅葉は自分のグラスを確保したので秋雨のぶんが無くなる
「え…ちょ…ちょっと…マズいよ…ってお前らも…」
呆然とする秋雨、修行が足りないんだよと思いながら僕も春を真似てビールを飲むように麦茶を喉に流し込んだ。その瞬間…!!
「ガハッ!喉がぁ!喉がぁ〜!」
体全体が熱くなる!燃えるような熱さだ!一気に体温が上がる!そして全身から汗が出た!これは…
「ごほっごほっ…ああ、秋雨…謀ったな…これは…酒じゃないか!」
「ジャックダニエルを一気飲みするとは…間違いなく漢だぜ藤!」
ひとり飄々とトンカツを貪る秋雨。
「まだあるからな!じゃんじゃん飲め!」
「未成年は…飲んじゃいけない…ぜ」
「お前は飲んでるけどな。」
そう言いながらチューハイの缶を開ける。ひとりでん〜美味い!って言ってますよアノバカ!ハハハ、このやろう美味そうじゃないですか…ちなみに酔ってませんよ!?意識はあるから!!←※注 酔っぱらいはみんなそう言う。
「秋雨〜僕にもチューハイよこせ〜!でないとまた殴るぞ〜!」
「藤お前酒弱っ!!さっきと言ってること違うぞ!」
「うるさいっ!ここは僕の部屋だ!僕が一番偉いんだ!だから秋雨く〜んチューハイくれ〜!」
「意味がわからん!そしてくん付けで呼ぶな!キモいわ!わかったよ。ほれっ!」
まだ開いてない缶を投げてきた。なんとかキャッチできた、やったぜ!スクリュードライバーだ!
「藤がこんなに酒癖が悪いとは…なぁ紅葉…」
「キャハハハハハハハハハハハハ、藤〜ナイスキャ〜ッチ!ハハハハハハハハハハハハ!!」
「イエーイ!カンパーイ!!」
ハイタッチのかわりに一気飲みをする僕と紅葉。紅葉…いい飲みっぷりだ!こりゃあ負けてられにゃいぞ〜!
「紅葉…お前もか!しかも…笑い上戸…。」
「秋雨くぅ〜ん!うなだれてる場合じゃないよ〜!飲みなさーい!」
「畜生!こうなりゃヤケだ!」
「秋雨〜いいねぇ!よし!俺も!」
対抗して一気飲みだ!
10分後…
「デヒャヒャヒャ!藤やるじゃねぇか〜!」
「お前もな秋雨〜顔じゃ負けるが酒なら負けないぜ〜!」
結局秋雨も弱かった。しかしやる気(飲む気)だけは充分だ!
僕と秋雨と紅葉の3人は飲み続けた…3人?誰か足りないんだよね?
「…春?」
「…ハイ?」
「なんだ起きてんじゃ〜ん!どうしたよ〜?ずいぶんしずかじゃないか?
「え…そう…ですか?」
なんか変だな?
「どうした?気分悪いのか?」
「そ、そんなことないよ!普通ですっ。」
「なぜ敬語っ?」
なんか大人しい…なるほど…春は酔うと静かになるのか。なんか…
「春…カワイイな。」
「えっ!?そっそんなこと…ないです…」
なんか最後のほうが聞こえない、くらい消え入りそうな声…迷子になった子供みたいだ。もともと身長も低いし本当にそう見えてくる。
この春いいなぁ…いつもの元気な春もいいけどこの男心を刺激する春もかなりいい!
「なんか美味しそうだ…」
「ええっ!?」
「おい藤っ!?」
「キャハハハハ藤だいたーん!」
戸惑う春、動揺を隠せない秋雨、面白がる紅葉…夜の宴はまだ続くのであった。
未成年は絶対お酒を飲んではいけませんからね。これだけは覚えていてください。あと女の子に美味しそうとも言ってはいけませんからね!
次回、宴の終わり?っぽいのを予定。
また不定期更新になります。時々読みに来てくださいm(u_u)m




