第13話:藤と紅葉とコンビニへの道のり
前話の続きです。お楽しみ下さい。
「…と言うわけでこれで今日のミーティングを終了します、皆さんありがとうございました。」
「ありがとうございました。…って皆さんって言うほど参加してないけどな」
とりあえずツッコむ今日のミーティングの書記をした僕。
「春はともかく秋雨はあんたのせいでしょ?」
今日の司会兼議長兼ジャッジメントの会長、紅葉がこちらを睨みながら言った。
いつのまにか夕方になっている、もう夕日が見えて部屋に差し込む光はオレンジがかった紅色だ。
「…ま、まぁな、悪かったよ。」
とりあえず謝る。いつも司会進行をする副会長の秋雨は観てはいけないものを観たので強制睡眠、又の名を気絶とも言うがまぁ部屋の入り口付近で眠りについている。もう1人のいつもは書記をしている春はまだベットで寝ている。途中で笑い声が聞こえてくるのでずいぶん楽しい夢でも観ているのだろう。
「どうするの、コレ?」
「う〜ん、とりあえず起こすか?秋雨は起きるかわからないけど春なら起きるだろ?」
「じゃあさっきみたいに目覚めのチューでもしてやれば?」
「しねぇっての!つかさっきもしてない!」
「あれ?そうだったかしら〜?あ、できなかったんだよね〜クスクス…」
後ろを向きながらクスクスを笑っている。
コイツ…
「紅葉〜人の悪口を言ってるのはこの口か〜?」
と頬をギュッとつねる。
「いててててへ!痛い痛い痛い痛い!ごめんなふぁい!藤先輩ごめんなふぁ〜い!」
「まったく、いつもは先輩なんて呼ばないクセに、都合のいい口だな。」
そう言いながらもつねってた手を放す。
「あ〜痛かった、もう乙女の柔肌がダメになるとこだったじゃないですか先輩!!」
涙目になりながら訴える。
「はいはい柔肌ね、…いつもそれくらい殊勝な態度でいてくれたらかわいげのある後輩なんだがな…。」
チラリと紅葉のほうを見て言った。
「先輩方…いやアンタらが尊敬できる人達だったらそうしてるわよ、毎回毎回指導室に呼び出される人達なんか呼び捨てで充分よ!」
言葉が元に戻った、いつもの調子に戻ったのだろう。
「…そりゃすいませんね、気をつけますよ。」
苦笑いしながら言った、どうせいつも巻き込まれて指導室行きなのだ。僕に選択肢などないに等しい。
「とりあえず腹減ったな、メシでも買いに行くか?もうコイツら起こすの面倒くさい。秋雨は起きそうにないし。」
「え、いいの?それに晩御飯だって両親とか帰ってくるでしょ?」
「仲の良い両親は息子を置いて温泉旅行に行ってしまったとさ…ってな」
昔話風に言ってみた。
「置いてかれたの?」
「おいおい、もともとついてく気もないさ、高校生にもなって…そんなの恥ずかしい。さぁ飯を買いに行くか?」
「あ、は、はい」
と話を切って家を後にする。
家から歩いて10分くらいのところにコンビニがある。ちょうど学校との間にあるから飯を食べれなかったときによく利用する。
「別に気にしなくていいと思うよ?」
家から出てすぐ紅葉のほうから話を切り出した。
「何が?さっきの親のことか?」
「うん、それもそうだけど…寂しくないの?」
「おいおい、別にそんなことは思ってないさ」
笑いながら言った。
「藤はいろいろ我慢し過ぎなんだよ、もっと言いたいこととかやりたいことやればいいのに。だからいつもつまらない〜とか退屈だ〜とかヒマだ〜とか言うんだよ。」
「ほ〜なるほどね〜。でも別にいいんだよ、特にしたいこともないしな」
「だからさっきだってせっかくのチャンスを…。」
「おいコラ…またその話か」
「だってアンタらもう3年生なんだよ!?」
多少怒鳴りつけるように言われた。なぜか知らないが本当に怒っているようだ。
「もう一年しか一緒に居られないんだよ?同じ大学行くとかならともかくさぁ!」
「あ、あの…お前がそんなに熱くならなくてもいいんじゃ…?」
恐ろしいほどのプレッシャーを感じる。
「藤がそんな態度だからよ!さっさと告白しちゃえばいいのよ!」
「は…はい、すいません。」
つい反射的に謝ってしまう。
「じゃあ、このGW中にデートに誘って告白すること、むしろ今日!わかった!?」
「は、はい…ってそれはどうだろう?」
「問答無用!」
「…」
ダメだ、恋する乙女モードに入ってる。春の妄想族モードといい、生徒会の女子にはまともな奴はいないのか?いや女の恋話はもともとこれくらいなんだろう。
僕がため息をついていると…グゥと紅葉のほうから腹の音が聞こえた。
「ぷっ…とりあえずコンビニ行くぜ?」
「…わかったわ」
赤面しながら紅葉は頷いた。
もう少し続きます…たぶん。
週末更新できるといいな。
ではまた。




