表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
46/74

第46話 遺跡捜索

『夕暮れの子山羊亭 』の食堂。


アマンたちは朝食をとりながら、今後の予定について打ち合わせていた。



「っていうことは、かなり危険な事態が起こるっていうこと?」


アマンの説明を聞き、シトリーが確認する。


「そういうことになりますね」


それにアマンが答える。


「大陸の賢者からの情報じゃ、まず間違いないじゃろ」


ムラマサは、すでに事件の発生を確信しているようだ。


「いまの俺たちじゃ、手に負えない事態もありうるということだな」


サロスが仏頂面で言う。


「今よりも力を付ける必要があるっていうことね…」


シトリーも納得したようだ。


「第5階層を完全攻略するためにも、今以上の力を得ることは有益だと思います」


アマンが付け加え、エイミーが深く頷く。



今後のために戦力を上げるという方針について、パーティ全員の共通認識が形成された。



「で、具体的にはどうするのよ?」


シトリーが問う。


「第5階層の探索で力を付けるのかの?」


違う答えが返ってくるとわかりながら、ムラマサが問う。


第5階層を探索するだけなら、わざわざ打ち合わせまでする必要はないからだ。



「父から古代魔法王国の遺跡に関する古文書を数冊預かりました。


そこに載っている遺跡に眠る装備や魔法を探そうと思います」



アマンの言葉に従い、パーティは遺跡探索に乗り出したのであった。


冒険者ギルドで馬車を借り、大陸各地に散らばる遺跡を巡り始めた。



ルクバートの持ってきた古文書は5冊。


そこには5箇所の遺跡についての記述が残されていた。



アマンたちは、イボスから近い順に遺跡を探索していく。


4つ目の遺跡の探索を終えるまでに3週間が経過していた。



しかし、イボス近くは冒険者が多いだけあり、すでに発見されてしまった遺跡が多い。


「完全に空振りね」


シトリーが空を見上げながら、ため息をつく。


案の定、これまで回った4箇所の遺跡は、すでに冒険者によって宝物を回収されていたものだった。



4箇所目の探索も空振りに終わり、シトリーだけでなく全員の顔に落胆の色が見えた。


「まだ1箇所あります。そこに期待しましょう」


自身も落胆しながら、アマンが皆を励ます。



古代魔法王国の遺跡と一言で言っても、その形態は様々である。


洞窟内に隠されていたり、地下に施設が隠されていたり…


しかし、5箇所目に到着したアマンたちは途方にくれていた。


彼らの目の前に広がっていたのは、広大な草原だったからである。



「ここに5箇所目の遺跡があるはずなんですが…」


途方もなく広い土地を前に、アマンが力なくつぶやく。


草原の手前にある林に馬車をつなぐと、全員で草原を見渡す。


「ここを全部調べるのか…」


サロスがうんざりした声をあげる。


「確かに、これは大変じゃの…」


ムラマサも、同様に声を上げる。


「…どうするのよ?」


シトリーがアマンを振り返る。


「…がんばって、探しましょう!」


アマンが苦笑いしながら、皆に声をかける。



その言葉に、苦笑しながら全員が頷く。


「じゃあ、ちゃっちゃと調べていきましょ」


シトリーが気合を入れる。


その声にしたがって、皆が動き出した。



力ない足取りで草原に向かう面々。


それでも地面に変化がないか注意深く観察しながら、個々に歩き回る。



しばらくすると、珍しくエイミーが声を上げる。


「待ってください」


全員、珍しい事態にきょとんとしながら、エイミーを見つめる。


「みなさん、なんで馬車の方に戻っていくのですか?」



エイミー以外の者が、何のことを言われているかわからないという顔をしている。


だが、自分の今いる位置を確認すると、不思議そうな顔に変わる。


全員、馬車から草原に向かって真っ直ぐ進んでいたはずである。


かなりの時間を探索していたので、だいぶ先まで進んでいるはずであった。


しかし、現在地はほとんど馬車から離れていないのだ。


エイミーだけが遠く離れた場所にいる。



ハッとした顔で、アマンがつぶやく。


「結界魔法?」


アマンの言葉にサロスが反応する。


「結界魔法?それって、そこを通れなくなる魔法じゃないのか?」


「一般的にはそうです。


でも、もしかしたら無意識に近寄れないようにする魔法があるのかもしれません。


でないと、今の状況を説明できません」


アマンの言葉に、シトリーも同意する。


「魔の森と呼ばれる場所なんかも、似たような魔法がかかっているわね。


そこに入り込むと、同じ場所をグルグル回ってしまうらしいわ」



「なんでエイミーだけ、その魔法にかからんのじゃろ?」


ムラマサが疑問を呈する。


アマンとサロスが見詰め合う。


意を決してアマンは頷くのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ