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犬が転生したら飼い主と同級生になった件  作者: さく
第一章

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9/43

8

 楪の家は、街の中心から離れた田舎町にあった。

 

 楪が引き戸をガラガラと開けて、なかに入る。「ただいま」と言った彼のうしろに、夏澄はそろそろと着いていった。


 そのときだ。


 チャカチャカと聞き覚えのある音が聞こえる。



 ――こ、この音は……!?



 爪がフローリングをひっかく音。


 犬だ。犬がいたのである。



「んなっ――……」



 思わず夏澄は声をあげる。


 楪が「あれ、おまえ、犬ダメ?」と聞いてきた。


 ――ダメに決まっている。ご主人さまの犬はこの僕・マメだけなのに! この犬め、ご主人の寵愛を一身にうけて……! ご主人さまは、この犬をどう思っているの? 愛していたりす、



「よしよし、パン介。おっと、舐めるのはダメだって」


「あー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「うわっ、なんだよ」



 べろんべろんとそのコーギー――パン介は、楪の顔を舐めた。


 強烈な嫉妬心を覚えて、思わず夏澄は叫んでしまう。


 このイヌ! 舐めるな僕のご主人さまを!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


 パン介は夏澄の殺気を感じ取ったのか、はたまた同族嫌悪か。うー、と唸って夏澄をにらみつける。


 そんな二匹(?)の事情を知らない楪は、どうどう、と二人をたしなめるばかり。



「おまえ犬だめだったんだ」


「だっ……だめではないけど」



 ここで引き下がるわけにはいかない。


 この犬に知らしめてやるのだ。人間体を手に入れた僕こそが、楪の愛を受けるのだ!と。


 夏澄がすたすたと家に入っていく楪についていけば、パン介がうー、と威嚇してくる。夏澄も負けずに声を出さずに威嚇仕返してやれば、パン介に「ワン!」と吠えられてしまった。それでも楪は二匹の攻防を無視している。


 楪の家に行く途中に、居間があった。楪は居間に顔をだして「ただいま」と声をかける。そうすると、居間でくつろいでいた、楪の祖母と祖父と思われる二人が「おかえり」と返してくれていた。



「おや……ゆずちゃん。お友達かい」


「……ちがう」


「ふふ。ゆっくりしていってない」



 嬉しそうな笑顔。


 楪は居心地が悪そうな顔をして、そそくさと自分の部屋に向かっていった。


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