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犬が転生したら飼い主と同級生になった件  作者: さく
第四章

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9

 夏休みが明けた頃から、学園祭の準備が本格的に始まる。


 夏澄たちの学校の大きな特徴は、毎年行われる学年ごとの演劇。1年生、2年生、3年生合せて三本の演劇が公演される。出演者はそれぞれの学年で選ばれた人。選び方は決まっていないのだが、自然と学年の美男美女が集まる。


 夏澄たち2年生は『シンデレラ』を演じることになった。そして、王子様として選ばれたのが夏澄。夏澄は眉目秀麗かつ話題に事欠かない男子生徒として、誰でも納得の選出だった。ヒロインとなったのは、学年でも特にかわいいと言われている女子生徒・松山 彩愛(あやめ)。夏澄も名前だけは聞いたことのある生徒だった。


 楪はというと、モブC。モブではあるが、演劇に出演できる生徒は数少ないので、役があるだけでも相当票を集めたということになる。



「やったねー! 楪!」


「……どこが」



 楪は演劇に出るつもりがなかった。辞退しようと思っていたのだ。


 しかし、夏澄が頭を下げる勢いで「演劇に出て」と楪にお願いした。なぜなら、演劇に出ることになれば、練習を一緒にできるから。仮に楪が辞退してしまえば、学園祭の準備期間は、楪と夏澄は離ればなれになってしまう。


 無事に役が決まった楪に、夏澄は喜んで飛びつく。楪はどうどうと言いながらも夏澄をはねのけない。



「がんばってね! 夏澄! 深見くん!」



 クラスの生徒達が、微笑ましそうに二人に声をかける。何かとお騒がせな二人が仲良く演劇にでられることを歓迎してくれているのだった。

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