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犬が転生したら飼い主と同級生になった件  作者: さく
第四章

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6

 夕食を食べて、自分の部屋に戻って。


 まだ、楪は夏澄のキスを引きずっていた。


 夕食を食べている最中も「なにぼさっとしとるんだ」と祖父に言われたくらいだ。ぼーっとしては夏澄のことを思いだして、よりぼーっとする。また夏澄を思いだして、ぼーっと。


 ……ほっぺにキスって男同士でやるものなのだろうか。


 楪は友達付き合いを避けてきたので、最近の高校生の「普通」がよくわかっていない。なんとなくスマートフォンで「男 友達 キス」と検索してしまったが、「男友達とキスをしてしまいました」だの「男友達とキスをしても友情は成り立つの?」など、男友達にキスをされた女性視点の記事しかでてこない。


 ――いや、普通はしないだろ!


 ――じゃあ、どうして?


 考えても考えてもわからない。


 いや、考えないほうがいいのかもしれない。


 なにせ、転校してくるやいなや「ご主人さま!」と言い放ったやつだ。考えたところで埒が明かない。


 ――犬ってさー……結構嫉妬深いんだよ。知ってた?


 ……あいつ、自分のこと犬だと思っているのかな。


 はは、と自然と笑えてきてしまう。


 夏澄のことは考えても考えてもわからない。


 ……こんなに彼のことばかり考えるようになって、彼との別れがやってきたときに耐えられるだろうか。どうしても、こんなことを考えてしまう。


 それでも。


 どこか、浮かれている自分がいた。

 

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