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犬が転生したら飼い主と同級生になった件  作者: さく
第四章

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 今年の夏は本当に酷い暑さだった。


 だから、秋がやってきたときはホッとしたものだ。ようやく、あの暑さから解放されるのだと。


 楪は夏があまり好きではない。けれども、今年の夏はちょっぴり好き。


 楪はベッドに寝転がりながら、スマートフォンを見つめる。そこに映るのは、夏休みに重ねた思い出。夏祭り、海、何気ないワンシーン。今までの夏は、極力一人で過ごしてきた。だから、こうして誰かと一緒に過ごす夏は初めてだ。


 この思い出も、いつか、忘れてしまうのかな。


 そう思うと、この写真が儚いものに覚えてくる。10年後、20年年後――彼らと自分は離ればなれになって、連絡も取り合わない関係になるだろう。この写真は、一瞬を切り取っただけのもの。


 ふいに、夏澄の言葉を思い返す。


 ――いなくならないよ。


 うそつき――咄嗟に出た言葉だ。


 今、10年後20年後の未来なんてわからないというのに、なぜそんな言葉を軽々しく言うのだろう、彼は。そして、その言葉に、泣きそうになるくらいに嬉しいと感じてしまった自分はなんなのだろう。期待すればするほどに、失ったときに悲しいというのに。


 写真を眺めては、ため息をつく。


 今、この瞬間。


 自分はどう生きていけばよいのだろう。


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