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待ち合わせは、色鮮やか。浴衣を着た女子達が、にこにこと夏澄を迎え入れてくれた。男子たちは浴衣姿の女子たちにテンションが上がったのか、いつも以上に騒がしい。
まだ、楪は来ていないみたい。
ホッとする気持ちと、待ち遠しい気持ちが絡まりあう。
「あ、深見くーん!」
一人の女子が声をあげた。
夏澄はギクリとしながら視線を遣る。
そこには、じとっした様子の楪。夏祭りだというのにローテンションなのは、いつもどおり。夏澄を見た瞬間に「う」と気まずそうに顔を逸らしたので、夏澄はグサッと胸をフォークで抉られたようにショックを受ける。
夏澄と楪、二人で目を逸らし合っていると、見かねた女子がドンッと夏澄の背中を押す。「いけ!夏澄!」と小声の声援つきで。
「うわっ」
ふらりと夏澄が倒れかかり、楪が慌てて夏澄を受け止める。
バチ、と目が合って、流石に無言でいるわけにもいかない。
「ゆ、楪! えーと、今日は最後までいるの?」
「……まあ」
「じゃあ、花火見るよね! 楽しみだね!」
「……そう」
いや~~~~~~~!
楪の塩対応は元からだが、今日のはさらに塩。塩辛い。
楪の態度に夏澄が心が折れそうになっていると、あわあわと女子が間に入ってくる。
「じゃーさっそく行こうー! ねっ! 夏澄! 深見くん!」
が、と男子が楪の肩を抱き寄せる。
もういっそそのまま楪のことを捕まえていてほしい。あまりの塩対応に心が痛い。
夏澄がしゅんとしていると、女子が両脇について「さあさあ」と気まずそうに声をかけてくれる。気を遣ってくれた彼女たちにも悪いので夏澄が「いこっか!」と元気に返事をすれば、彼女たちは嬉しそうに笑った。
その様子を、ちら、と楪が横目で見る。
どこか、その表情はムッとしていた。




