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犬が転生したら飼い主と同級生になった件  作者: さく
第三章

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6


 帰路に就き、楪はふうと息をつく。


 所詮、彼も離れてゆく。俺なんかと一緒にいるよりも、かわいい女子と一緒にいたほうが楽しいに決まっている。


 そんなことはわかっていたけれど、やっぱりモヤモヤとする。


 早足で歩いて、駅までたどり着く。


 最近は、ずっと夏澄と一緒に駅まで歩いていた。彼と一緒の帰り道は、あっという間に時間が過ぎてゆく。けれども、こうして一人の帰り道は、長く感じた。不思議なものだ。


 駅について、改札をくぐって。ちょっと前のように、一人で電車に乗る。珍しく車内は混んでいて、椅子には座れなかった。



「……あ」



 ぴんぽーん。


 音がなって、電車のドアが閉まる。


 そのとき、見慣れた人影が。


 電車に向かって走ってくる夏澄が見えた。



「夏澄……」



 ――なぜ?


 女子と一緒に帰ったんじゃなかったのか。


 問うことはできない。


 電車のドアが閉まると同時に、夏澄が「楪っ……!」と声をあげたのが聞こえた。


 なぜ、彼はここにいるのだろう。


 それはわからないまま、電車は走り出してしまった。


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