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ときおり、夢に見る。
俺が走ると、ワンワン鳴いて着いてくる犬の姿。
犬の名前はマメ。
マメはよく俺に懐いていて、いつでも俺の傍にいた。
マメは、病にかかり亡くなってしまった。
俺の手から、大切な大切なマメがいなくなる。
おいていかないでよ。
お願い、おいていかないで。
行くなら、俺も連れて行って。
*
ときおり、夢に見る。
その夢にはマメという犬が現われた。毎回、毎回、夢のなかに現われるマメ。夢のなかの楪は、マメにいたく懐かれていた。
その夢を見る頻度はどんどん高くなる。特にあの転校生がやってきてからは毎日だ。
楪はのそりと起き上がる。ずるりと布団が体から落ちていった。這うような足取りで窓のそばへいき、カーテンを開ける。サッと差し込んでくる朝日が眩しくて、咄嗟に目をつむった。ゆっくりまぶたを開ければ、広がる白っぽい青空。
また、いちにちが始まる。




