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犬が転生したら飼い主と同級生になった件  作者: さく
第二章

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 昨日はハリキリすぎてしまった。


 そんなことをぼーっと考えながら、夏澄は今日も登校した。


 夏澄が学校に着けば、クラスメイトたちが「おはよー!」と声をかけてくれる。夏澄も「おはよ」と返せば、きゃーっと女子達が色めき立った。


 夏澄は自分の席に着くことはなく、まっすぐに楪のもとへ向かう。楪の正面に立てば、本を読んでいた楪がちらりと夏澄に視線を向けた。



「おはよう、楪!」


「……はよ」



 楪は困惑したように、挨拶を返す。


 昨日彼の家まで行ったのはいいものの、彼との距離は相変わらず。まだ友人とも言いがたいくらいに、彼との間に壁を感じた。


 けれども、自分と楪は「ご主人さま」と「飼い犬」だった深い仲。いずれわかりあえる!と夏澄は意気込む。



「楪! 今日も楪の家行きたい!」


「登校早々言うことがそれ?」


「うん! 昨日、楽しかったし!」


「あっそ。勝手にすれば」


「勝手にする!」



 今日も楪の家に行ける! と夏澄は嬉しくなった。るんるんと誰から見ても浮かれている様子で、夏澄は自分の席に着く。


 きゅーっとなるくらいに嬉しい。夏澄は机に突っ伏して、嬉しさに悶えていた。



「ねえ、夏澄くん!」


 

 隣の席の女子が夏澄に話しかけてくる。



「夏澄くんって、なんで深見くんと仲いいの? 昔からの知りあいだったり?」


「えっ?」



「昔からの知り合い」――それは間違いないが。彼女の言っている言葉はそういう意味ではないというのは、流石の夏澄もわかる。本当のことを言ってもいよいよ不審者扱いされるだけなので、夏澄は濁して言うしかない。



「……トクベツな仲」


「と、トクベツ!?」



 机に突っ伏して、視線だけを彼女に向ける夏澄。そんな夏澄が目を細めてそんなことを言うものだから、彼女は仄かに赤らめる。夏澄はただただ頭のなかがハッピーになっていただけだったのだが、表情が妙に色っぽいものになってしまったせいで、彼女の心にとすっと矢をさしてしまったようだ。


 とうの夏澄は、放課後のことを考えて楽しくなってしまっている。また頭をなでなでしてもらえないかな、そんなことをぐるぐると妄想していたのだった。


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