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【第十三話 『破天荒の証明』】②

破天荒:ライサとアレッタに会い、2日で転校を決めた行動力の化身。


    名前は、シェラ。太陽牡羊座月双子座。


    主人公のライバルチームの3人目のメンバー。


    性格は、破天荒、ツンデレ、暴力的。


    すさまじい運動神経を持っている。


    精霊はオッドアイの白猫のしろっこ。


    通常時は、爆発ハンマーと爆発ハチェットで戦う。


    本気になると、両手持ちのリボルバーハルバードになる。


お嬢様:名前はライサ。太陽しし座、月牡羊座、鞭と強烈な雷を使う。


    主人公のライバルチームのリーダー。


    防御手段は、雷幕結界。近接すれば近接するほど相手は大ダメージ。


    長く美しい髪と強烈な釣り目が特徴。気品がある。


    相手を不快にしないお嬢様言葉で、作中5本の指に入る美人キャラ


    精霊は雷雲を纏ったユニコーン型。


幸運娘:名前はアレッタ。太陽いて座、月双子座。精霊はニワトリ型。


    主人公のライバルチームのメンバー。


    アバターはニワトリっぽい大きめのフードが特徴的。


    武器は大弓、防御手段は高硬度の卵型のシェルターを使う。


    高火力なので遠距離戦でアレッタと戦うのはやめた方がよい。


    陽気な性格の頭残念だが、作中5本の指に入るラッキーキャラ。


    口を閉じて髪を伸ばして上品な服を着たら超絶美人。



◆ライサ&アレッタ:ドーム外足止め(続き)


 


場面が切り替わる。


 


爆風がドームの天井を吹き飛ばした、まさにその瞬間――


外縁部の通路で、三体の灰色の戦士型BOTが、無音のまま起動した。


 


槍を構えた彼らは、まるで意志ある兵のように陣形を組み、ドーム後方から回り込もうとするライサたちの前に立ちふさがった。


 


「……来たわね」


 


ライサの視線が、正面のBOTに向かって静かに鋭くなる。


 


BOTたちはただのAI制御ではない。


敵①が設置したマナ式構成型自動兵――状況に応じて陣形・攻撃モード・防御構成を即時に切り替える簡易型戦術ユニット。


 


さらに厄介なのは、一体しか破壊しないと、即座に修復を開始するタイプなのだ。


つまり、全部同時に撃破しない限り、何度でも“立ち上がってくる”。


 


アレッタが顔をしかめる。


 


「ねえライサ……これって、ちょっとやばいやつじゃない?」


 


「ええ。“学習型BOTの多重リンク”ね。おそらく、敵サマナーの主戦術のひとつ」


 


「……うーわ、めんどくさ」


 


アレッタが小声で呟きながら、こっこちゃんを胸元から呼び出す。


 


「我の出番か?」


 


低く威厳ある声で、ニワトリ型の精霊が姿を現す。


 


「そういうわけで。先にやらないと、背中から刺されるのはあたしたちだもんね」


 


「よかろう。そちらを足止めしておこう」


 


すると、精霊の一部がどこかへ消えていった。


 


ライサがひとつ息を吐くと同時に、足元に細かな雷光が走る。


鞭が形を取り始め、紫電が絡みつく。


 


そのとき――


 


三体のBOTが、一斉に突進を開始。


槍を持った突撃型が中央から最短で距離を詰め、左右の個体は斜線を切るように回り込む。


しかも、先頭の一体は、突撃しながら時間差で自己分身を投影。


“実体”と“影”を交互に差し込ませながら接近する。


 


「視覚撹乱――」


 


ライサが即座に見切るが、正確な位置特定までは追いつかない。


その一瞬の間に、槍が懐に迫った。


 


「っ!」


 


雷鞭が閃く。瞬時に三重円を描くように回転し、目の前のBOTの槍を絡め取る。


 


「遅いわよ」


 


ライサが一喝する。鞭に雷撃が集中し、BOTの外殻を一気に焼き切ろうとする。


 


だが――BOTは雷を受けながらも自動反射機構で反撃モードに移行。


剣のように変形した左腕が、紙一重でライサの脇を抉るように突き上げられる。


 


ギィン――!


 


鞭が再び螺旋を描き、その刃を滑らせる。


 


「ほんっとに、AIとは思えない動き……!」


 


アレッタが舌を巻きながら、一直線に並んだ敵に向かって矢を一射。


 


だが――BOTは視線だけで矢を予測、前衛BOTが即座に肩を出して防御する。


 


ガイン!


 


金属音とともに、アレッタの矢がBOTの凝縮された一点のシールドに弾かれる。


 


「えっ、当たったのに!?」


 


「リンク防御よ。完全に連携されてるわね。


 さすがのアレッタの一撃も一点読みされたら通らないわね。


 でも、そのマナ消費量の分、術者はほとんど行動できないはず」


 


ライサが冷静に告げながら、足を後退させる。


 


BOTの数と動き、そして耐久性――どれを取っても、時間を稼がれているのは明らかだった。


 


「……さすがに、シェラもまだ中で孤立してるか」


 


「もう、本当に分断されちゃったじゃん……」


 


アレッタがつぶやく。


ニワトリフードを深くかぶり直しながら、わずかに呼吸を整える。


 


「……でも、あの子、たぶん楽しんでるよ」


 


「――そうね」


 


ライサが一歩踏み出す。


 


「ここは先に、道を開くわよ。まだ見せてない、手札があるんだから」


 


「ほいきた! “本体”が行きまーす!」


 


アレッタが再び矢をつがえ、BOTの背後――制圧ポイントの方向に向かって、斜線を誘導する軌道で矢を放つ。


 


BOTがそちらに反応した瞬間、ライサが側面に雷撃を打ち込み、連携を切り裂く。


 


――分断されたまま、戦局はなお膠着している。


 


だが、この足止めにも明確な終わりは、もうすぐだった。


背後には、こっそりと――もうひとつの“アレッタ”が、


ドームの天井に近い位置で、シェラの開けた穴の上に伏せていた。


◆本気モード


 


天井爆破から十数秒後――ドーム内部には、まだ瓦礫と煙が漂っていた。


中央の円形防衛区画。その一角で、すでに一人の敵が床に崩れている。


シェラが空中からの奇襲で致命傷を与えた、支援術式の使い手だった。


 


だが、まだ敵は二人残っている。


 


――ギィイ……ン。


 


金属を擦るような硬い音が、曇った空気の奥から響いてきた。


煙の帳が割れ、そこから現れたのは――二つの影。


 


一人は、分厚いフードをかぶった小柄な敵サマナー。防御系の魔法構成を展開する準備をしている。


もう一人。


煙の奥から、ゆっくりと黒光りする甲冑の敵リーダーが歩み出た。


 


鎧はまるで蠍の外殻のように分厚く、肘から肩にかけて層状に重ねられた防魔装甲。


右手には、複数のワイヤーが束ねられた金属の鞭のような武器。


左腕の盾には、反射とカウンターを司る魔力のコアが内蔵されている。


 


ただの物理耐久ではない。


魔法への反応速度と反撃の仕様が一体化された、模擬戦とは思えない実戦仕様の構えだった。


 


「カウンターで仕留める気ね」


 


シェラが低く呟きながら、ハンマーの柄をわずかに持ち直す。


 


次の瞬間、リーダーが口を開いた。


 


「今のうちに仕留める。このまま時間を与えれば、背後から本隊が来るからな」


 


冷静に、合理的に。


模擬戦の制圧条件を把握した上での判断だった。


 


同時に、フードのサマナーが動く。


小柄な身体の前方に、五つの魔法陣が展開されていく。


 


防御結界の五重構成。


それは仲間のカウンターを成立させるための「囮」でもあった。


――そう、最初から「シェラをカウンターの間合いに誘導する」ために。


 


しかし――


 


「なめんなッ!」


 


シェラが叫ぶ。


その刹那、背後から飛び出す金属の閃き。


敵リーダーが、一切の溜めもなくワイヤーを撃ち出した。


 


細く束ねられた複数の線が鞭のようにしなりながら、空気を裂くようにシェラを狙う。


 


多重構造の鋼線が絡みつくように迫る――が、遅い。


 


「遅いッ!」


 


シェラは紙一重で身体をひねり、爆発的に片足から推進火薬を噴射。


空気を割って回避すると同時に、殺気をにじませてリーダーへ急接近。


 


「アンタから落とすのもアリだけど――!」


 


刃が届く――その一瞬前。


――視界の端に、ドーム天井の穴。そこに伏せるもう一人のアレッタの影が見えた。


 


(……こっちじゃない)


 


シェラの判断が、一瞬で切り替わる。


 


靴からマナ火薬を噴射して空中に跳び上がった勢いのまま、彼女はリーダーの肩口へと足を乗せる。


その姿勢はまるで体操競技のような美しさで、肩口に“乗る”のではなく、“支点にする”。


 


金属が鈍く響いた。鎧が軋む。


 


「ちょっと使わせてもらうよ、重装甲さん――!」


 


そのまま――


靴から推進剤として使用されるマナ火薬をありったけ噴射して、敵サマナーに向かって急激な方向転換を図る。


 


油断した弱い方を狙いつつ、強い方の体勢を崩す一石二鳥の機転である。


 


その間に、シェラは両手の武器――ハチェットとハンマーをマナの粒子に変換し、空中で組み上げ始めていた。


 


マナが螺旋状に収束する。破片が軌道を描いて集まり、一本の柄に、二つの極が結合していく。


 


――リボルバーハルバード。


 


片面は鋭く尖った戦斧、もう片面は六連装のマナ噴射式爆砕構造を持つ、重装突撃用の両手武器。


柄の中央部に走る魔力チューブが、絶えず青白く点滅している。


 


六連装の面は、そのまま敵と接触させれば爆砕することができるし、


推進剤の発射口として敵のバリアをたたき割る加速装置としても使える。


 


今回の利用法は、後者だった。


 


「ごてごてバリアなんて何枚張ったって無駄よ!」


 


叫びと共に、片面から勢いよくマナが噴射する柱が立ち上り、風を裂く音。


刃の速度が限界に達したその瞬間――


 


「……消し飛べぇぇッ!!」


 


天井を蹴って急旋回。


彼女の身体が宙を裂き、振り抜かれた刃が、敵サマナーの展開する五重結界へと突き立てられた。


 


ズガァァァン!!


 


金属が裂ける音ではなかった。


魔力の奔流と、防壁の破砕音と、爆砕が同時に起きる音。


 


魔法障壁の層が一つ、また一つと音を立てて砕けていく。


回転機構の破壊力が、結界の律動をすべて破断した。


 


五層目が破砕された瞬間――


敵のサマナーが真っ二つに消し飛んで戦場から離脱した。


 


シェラは着地と同時に一回転してハルバードを構え直し、再びリーダーとの距離を取る。


 


リーダーは動かなかった。


肩に一度だけ小さく振動を残したまま、目の奥で何かを測っていた。


 


「確かにその威力は大したものだ。だが私の装甲は絶対に抜けん!」


 


緊迫の空気が、再び場を包み込む。


 

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