育みたてよ大島の神よ 我が初陣を見守りたまえ。
今回のタイトルは清盛が平治の乱の前に歌ったとされる歌がモチーフとなっています
このときの清盛は僅かな軍勢ではあったものの源義朝を討ち果たし後白河上皇を助けるという決意がされています。
気になったら調べてください
そしてpvがついに伸び悩んでしまいました...
これからも頑張りますので応援お願いします
出師の表を書いてから俺は現在の前線都市オルディニアに到着した。
ボロボロである。建物は焼き尽くされており、生きている人間より死んでいる人間のほうが多かった。
生きている人間も満身創痍で戦っている。ここまでひどいとは思いもしなかった。
だが俺はそれよりも戦慄することがあった。
人間たちは策を弄する素振りも見せずただひたすらに戦っているのである。
何をしているんだ。そんなんで勝てるわけがないだろ。馬鹿なのか。
夜まで粘り策を練る他に方法はない。だがこのままでは夜まで粘れないであろう。
「くそが。やるしかねえ。」
俺は矛を握って突っ込んでいった。幸い、今はもう夕方だ。
行ける
アズラ族は強く体中に傷ができてしまったがなんとか夜まで粘ることができた。
夜になるとアズラ族は鐘を鳴らし一斉に撤退していった。
そしてそれを見送った後に俺は拠点に案内された。
「今日は助かりました。ありがとうございました。」
そう俺に言ったのはリーダーらしき青年であった。こんな若いのが前線を仕切っているのか。
「いえお気になさらず。それよりここのリーダーはあなたですか?」
気になったので聞いてみた。この青年に前線を仕切らせているのならかなりまずいぞ。
「はい。リーダーとなっては討たれ、今この場をしきれるのは僕だけです。」
よく見ると周りの人たちは子どもたちや市民の格好をした人ばかりであった。
そう考えると実践経験がありそうなこの青年に任せる流れになるのには自然な流れである。
だがこのままではいけない。
「たしかにそうかもしれません。この場をしきれるのはあなただけかもしれません。」
これを言ってどうする。だがここで勝つためには言うしかない。
「俺を信じてみよ。そしたら貴殿らを勝利に導いてやる。」
少し強い言葉でいった。怖がられようが関係ない。勝つためにはこうするしかない。
「君はまだ小さいこの場を任すことは....」
その青年のいいかけた言葉を俺は遮るように言った。
「いいから黙って俺に任せろ。」
その時青年は黙り込んだ。恐怖なのではない。この小さな少年に圧倒的な光を見たのだ。
「分かった。このままいても負けるだけだ。そこまで言うのなら君にかけてみよう。」
意外だ。すぐに認めてもらえた。
だが認めてもらえたからには俺がここを勝利させる他に方法はない。
「ありがとうございます。では人払いをお願いします。作戦会議をしましょう。」
青年に持ちかけた。青年も分かったとだけ言って人払いをしてくれた。
人払いが終わったところで俺は続けた。
「アズラ族は戦闘民族です。はっきり言って俺達よりも戦についてよく知っているでしょう。
そして経験もあります。
そしてこの作戦でその経験を逆手に取ってここにいる兵士を一人も失わずにアズラ族を退却させます。」
青年は驚いた。
「どういうこと。経験があるなら策を見抜いてくるのではないかな。
事実僕達も策を見抜かれてこんな事になってるんだ。」
そう思うのも無理はないと思う。策というものは多くが敵を倒すために使われるからだ。しかし...
「策というのは敵を倒すだけのものじゃありません。
今ある兵力で敵を退けるものこそ真の策なのです。
そして今回は相手に深読みをさせて自然退却させるのです。
俺が指定した場所から皆に叫んでもらうだけです。」
伏兵だと読ませて警戒させて叫ぶことにより混乱を生じさせ自然退却に追い込むという策を考えた。
よく使われるが今まで使ったことがないならば効くであろう。青年は信じていないようだが。
驚くほど静かに夜は更けた。その静けさが不気味であった。
勝ったら英雄負けたら全滅である。
その静かな夜俺は机上に手をついたまま寝ることができなかった。
俺の初陣を見守っていてくれ。大島の神よ。
どうでしたでしょうか。
ブックマーク、評価励みになります。お願いします。




