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追放された魔王の娘の下剋上  作者: ルナねこ族
第二章  アンゲリカ編
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36.5話  相性が最高の二人



崩れ去ったレオンハルト邸を眺めながら、リリたちは今夜、どこで休もうかと考えていた。


この近くには宿屋もないし、止めてくれそうな民家もなければ、村や集落もない。


このままだと、一晩野宿する事になってしまう。…さすがにそれは避けたいため、どうするか話し合っているのだ。



「どうしましょう…(わたくし)、この辺の事をあまり知りませんし…。」


「しかし…レオンハルト家は辺境の地を守っている一族ですら、周りの貴族に助けを求める事も難しいかと思われます…。」


「んじゃあ、今日は野宿になるってのか?外で寝るのは初めてじゃねえが…俺は嫌だぞ。」


「そもそも外で寝た事がある事自体、おかしいと思うのは私だけ?あなた一応、レスター家の子息よね?」


「まあ色々あったんだよ…言わせんな。」



アンゲリカがライリーの言葉に疑問を抱く。


(え?本当になんで野宿したことあるの?親と喧嘩でもしたわけ?)



これ以上ライリーの諸事情を探っても、彼の触れられたくない思い出を掘り返してしまうかもしれない。…何より、めんどくさい。


案外、アンゲリカは大雑把な考えの持ち主でもあったのだ。



「ふむ…ライリーだけだったならば、野宿も一つの手段としてカウントできましたね。ライリー、力だけでどうにかしようとする節がありますし。」


「おい、俺の事馬鹿にしてるのが透けて見えてるぞ。本当に…なんでこんな時まで俺の事を煽るのやめないんだ?頭湧いてんのか?」


「嫌だな、人聞きの悪い事を言わないで欲しい。僕はただ、真実を言ったまでだよ?…まぁ、ライリーを揶揄う(からかう)と面白いのは事実だけど‥。」


「ボソっと言ってても聞こえてるんだよな〜これが。」


「こ、こんな時まで漫才をやらないでくださいまし!全く…アルフとライリーはボケる事しかできませんの?」


「いやそれ、お前に一番言われたくない。てか、リリって漫才とかボケとか、庶民的なもの知ってたんだな…以外。」



そもそもライリーがツッコミに回ってしまうのも、元はと言えばリリとアルフのせいである。


リリは天然が故に炸裂するボケ、アルフはただライリーをからかいたいだけ、…字面だけ見ても、アルフの性格の悪さがお分かりいただけるだろう。



「はぁ…とりあえず、馬車貸出をしている商人に連絡を取ってみるとしよう…私の通信用水晶は…って、部屋に置いたままだ…。」


「それならこれを使うと良いよ。…まぁ?アンゲリカが僕の私物を使うとは思えないけど?だって君、僕の事が相当嫌いだからねぇ…?」


「時と場合によってはあんたの手も借りるわよ…、こんな事にならなきゃ、あんたとは一生関わっていきたくないわ。」



アンゲリカの事を馬鹿にするような口調で、アルフは彼女に話しかける。


アンゲリカはちょっとイライラした声色で、アルフの言葉に返答していた。


(もしかして…この二人って仲悪いのかしら?)



「あの…もしかしてアルフとアンゲリカって仲が悪いの?」


「仲が悪い?とんでもありません!僕は純粋に彼女の事を尊敬していますよ?」


「仲が悪い所の話じゃないわ!こいつと同じ空間にいるだけで鳥肌が立ってしまいそう!」



(…ま、真逆ですわね‥。)



思ったよりも二人の間柄が複雑だった。


アルフがアンゲリカの事を尊敬しているのに対し、アンゲリカはアルフの事を心の底から…というか、アンゲリカに関しては、両親でも殺されたのかレベルで嫌ってないか?


いやまぁ…父親に関しては死んでないし、アルフは全く関与していないのだが‥。



「はぁ…とにかく、今から連絡してくるからさっさと貸しなさい。」


「おお怖い…全く、お天端な方だ。」



アルフの掌に置いてある通信用水晶を、奪い取るように手にして、アンゲリカは少し離れた場所で連絡を取り始めた。


最高に相性が悪い二人を見ながらオロオロするリリ。


一方、ライリーは胃がキリキリする思いだった。




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