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追放された魔王の娘の下剋上  作者: ルナねこ族
第二章  アンゲリカ編
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33話  残りわずか…



「死んでる…?いったいどいうい事ですの?!」



思わぬ言葉が出てきた事に困惑し、リリは大声を上げてしまう。


今は真夜中だと言う事を思い出し、急いで手で口を覆う。


シーン…と、静寂が部屋の中を駆け巡り、誰も起きて来ないと悟るや否やホッと一息つく。


‥‥もし、仮にエグモント卿が死んでいたとしたらおかしいですわ。



だって、エグモント卿は今も生きて生活を営んでいるのだ。


しかも、リリが子供の頃からエグモント卿の体調が悪くなったなどと言う噂は一切聞いた事がない。


だが、もしもエグモント卿が一度死にかけて友人たちが、もうエグモント卿は死んでしまったものだと勘違いしてしまっていたのならまだ説明がつくものの‥。



「エグモント卿が結婚する際…いえ、そもそも事故にあったと仮定しても、助かったのなら家族や関係者に連絡が行くはずですわ。なのに、結婚してもなお死んだものと考えられているのはいくらなんでも‥。」



ゴマちゃんの疑惑、アンゲリカが救われたくない理由、おまけにここに来てエグモント卿の生死不明ときた。


難解に絡まった糸は紐解くには難しく、尚且つどれも制限時間が指定されている。



アンゲリカとエグモントの謎については残り5日…いや、すでに時刻は深夜0時なので、残す所今日含めて4日。


ゴマちゃんの謎については…ハッキリとした制限はわからないが、とにかく事が大きく動き出すより前に解決しなければ手遅れになるかも知れない。


はぁ…と深くため息をつき、肩をガックリ落とす。


こんな調子じゃ、これ以上エグモント卿について調べていたら頭がパンクしてしまうわ‥。



仕方なく、リリはランプの明かりを消し、備え付けのベッドに寝転がって布団を口元まで引き寄せる。


どうしましょう…。



せっかく寝るために布団をかぶったと言うのに、頭の中はいまだに複雑に絡まった問題を解こうとグルグル回り続けてしまって、寝るに寝れない。


しかも、自分の力及ばなさに情けなくなって自己嫌悪してしまう。


どうして私はこんなに役立たずなのかしら…。どうしたら優秀になれるのかしら‥。どうしたら‥。



自分に関する疑問が浮かび上がり、終いには…



「私なんかじゃなくて、もっと優秀な子が生まれてくればよかったのに…。」



何故私みたいな出来損ないが生まれたの?


枕元を涙で濡らし、いつの間にかリリは寝ていた。



ーーーーーー

ーーーーーー

ーーーーーー



次の日から、アンゲリカは意図的にリリたちの事を避ける様になった。


前まで少し遠慮がちにも、多少ならずリリたちと話してくれたのが嘘の様にこちらを避け始めたため、アンゲリカの説得は今まで以上に難しくなった。


そうして時間が過ぎていき…残す所あと1日。



6日目の夜、リリとライリーはリリの部屋で残りわずかな時間を使いどうアンゲリカを説得するかを話し合っていた。


ちなみに、丁度話し合いを始める前にアルフは彼の実家から連絡が届いた。


何やら重要な内容らしく、今すぐ聞かないといけないもののため現在自室で父親と通信している。


しかし、残された二人の間には殺伐とした空気が漂っていた。


だが無理もない。


なんせ現在、レオンハルト家長女であるアンゲリカとも仲良くなれていないし、おまけに…



「むしろ仲が悪くなってるかも知れないから、資料を持って帰ることすらできないかも知れないなんて言ったら…間違いなく(わたくし)の首が飛んでしまうわ‥。」



崖っ淵に立たされた状態でどう冷静でいられよう?


そりゃあ、冷静でいなければ判断力が鈍ってさらなる過ちを犯すかも知れないが…本当に自分自身の命がかかってるのだ、むしろ慌てない方が稀だろう。



「リリ、このままじゃアンゲリカ説得なんて無理なんじゃねえの?」



リリが悩んでいると、不意にライリーのといが聞こえてきた。


彼は純粋にアンゲリカ説得が上手く言っていない事に対して心配を感じているのだろうが…それがいけなかった。


命の危機にさらされ神経過敏になっていたリリには、ライリーの言葉が悪意的に聞こえた。



「っ…!そんなの、わかってますわよ!」



反射的に大声を出すリリ。


普段見る事の無いリリの姿に、流石にライリーもびっくりした様子だった。


しかし、そんなライリーの姿を見てもリリの口は止まらなかった。



(わたくし)だって今の状況くらい理解できますし、何より今回の事を一番成功させたい…しなきゃいけないのは他の誰でも無い(わたくし)自身ですわ!だからこそ焦っていると言うのに…呑気にも疑問をぶつけてきて……解決の糸口を一緒に考えることもできないんですの?」



全て口にしてしまってから、リリは後悔した。


こんな事、言うはずじゃなかった。言いたいわけじゃなかった。


それなのに焦燥感に追われ周りが見えなくなっていたリリは、自分一人だけが頑張っていて他は何もしてくれないと!


そう捉えても無理無い言葉を堂々と言い放ってしまったのだ!


勿論、その様な言葉を口にすれば言われた側は気分が悪くなるし、二人の仲に亀裂が走るのは目に見えている。


ライリーは何も言わず、ただただ驚愕の表情で固まっていた。



ライリーを傷つけてしまった事に耐えられず、リリは部屋を飛び出した。



ーーーーーー

ーーーーーー

ーーーーーー



リリが部屋から飛び出した事で部屋に一人残されたライリーは深くため息をつき、頭を掻きながら



「あいつも所詮…期待外れだったかな‥。」




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